(1)  忍耐強い愛がクライアントの態度や人格に影響を与える

 (1)の見出しの題目は、戦後の日本のカウンセリングに多大な影響を与えたロジャ−ス氏の

   説いた「暖かい傾聴とその効果としてのクライアントのさらなる「自己開示」、「気づき」

   「自力による解決」を促す」ことと関係が深いのです。その意味から言いますと下記の

   私の体験は、カウンセラ-にとって貴重なリソ-スかと思います。

    しかしカウンセリングをしていますと、クライアントの話の内容や態度次第では、

         こちらの感情が 揺らぎます。、 そんなときこそカウンセラ-としての人間力

       (寛容さ、忍耐力) が問われます。 特に 心の傷がある人、情緒の不安定な人と対面して

       いる時がそうです。

 

   私が29才の時、中3の自分の担当クラスのある生徒が、夜遊びに耽っていて止められず

   ある時私は、彼を殴打して怪我を負わせ、管理職に始末書をとられたが、幸い親は私を

   理解してくれました。 その頃知人の紹介で数回心身障害児童の施設を訪問しました。

   職員が子供たちの書いた絵を見せてくれました。クレオンで書きなぐったような絵でした。

   そんな絵でも、子供の成長を読み取る事ができ、直線的なものしか書かなかった子が

    円形を描くようになったのを見て喜びを感じると言っていました。 献身的以上の

        愛がその子に影響を与えているのが分かり、深い感銘を受けました。このことは、

        私の教育観、さらには人生観にも多大な影響を与え、自分には愛がないという原点から

        再出発しなければならないことに気づきました。

 

(2)クライアントの潜在する能力、個性を引き出す

とかく人はうわべだけで他人を評価してしまいます。学校がその例で、狭い視野から見た

偏差値で優劣をつけていて、社会に出てから生かせるような潜在的能力、個性までは

余り留意していません。 ですから本人らしい個性的な生き方を求める生徒はよく不適応

症状をおこします。 かの有名タレント舘ひろし君もその一人でした。    

私が高校へ転勤して間もない時、彼を教えた時がありました。 かれは、エレキとマ−ジャン

に没頭していて、勉強に身が入らず授業を抜け出して雀荘にいるところを通報されたことも

ありました。 彼は、かって中国沿岸まで荒らした海賊『倭寇」を彷彿とさせる髪型の風貌の超

個性派の生徒でしたが明朗で私にも話しかけてきました。 後になって彼が芸能界に

入って活躍しているのを知って、驚きました。彼の努力には脱帽したくなります。

しかし一度人生の歯車がかみ合わなくなると立ち直るのが困難で、 とんでもない行動を

起こす例もあります。東京秋葉原で殺傷事件を起こした加藤智大。 わたしは公け

の場で、彼の経歴をみると救うチャンスはあったはずと述べました。被害者 、その

関係者には悪いけれど、カウンセラ−の端くれとしてどうしても本人の潜在力、希望

を生かしたくなりますから。 大垣の自動車整備の学校で学んでいたとき、「 教師になりたい

と思った。」と話していました。この頃彼は、的を得たカウンセリングを受けていたら、

あの悲惨な事件は無かったも知れないし、彼の人生の流れも好転したかも−−−。

 私のように世間のことも知らずに教師になるよりは、色々な失敗を貴重なリソ−スとして

再出発する人の方が狭い視野で教える教師よりも、もっと大切な人生の師として指導 できる

のではと思います。

  「的を得たカウンセリング」とは、クライアントの過去よりも未来に焦点を当て

 プラス志向になることで埋没していた自己のリソ−スに気づき、再出発

 の道が開かれます。(このあたりの過程では、コ−チング手法で対応します)

 例 Kさん、今の自動車関連の現場の仕事よりも教師になりたいの? 

  そのきっかけは? 教師になってどんなことをしてみたいの?

  自分を振り返ってみて出来そう? 

こんな質問への応答の中で、クライアントの気持ちを受容したり、やりたい事を

質問し、その答えに対して

Kさんならできるよ。」というような承認で自信を回復し、 やる気につながることがあります。

これこそ、「クライアントの人生に関わるメンタルサポ−ト」になります。

                                                                                                                                                                               

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(3)創意、工夫の発揮

JF194_72A.jpgこ言葉は企業の社員教育でよく聴く言葉です。元来アメリカの有名な

心理学者マグレガ−も「たいていの労働者には、創意、工夫する

力がある」と述べています。

これと類似することを、私が社労士になってから初めて聞きました。

今私が顧問している造園土木の会社の社長が専務の時でした。

「土方ほど頭を使う者はいない。」 に対して、私は「あんな仕事は単純作業なので

工夫なんて要らない。」 と冷ややかに考えていました。 しかし、現場に

いって街路樹の剪定(切り落とす)後の清掃作業を手伝っていた時、この言葉の意味が

分かりました。少人数で素早く下に落とされた枝葉を片付けようとすると、結構頭

を使います。  また何でもないような剪定作業にしても、結構頭を使っていることが

社長さんの説明から分かりました。自分の剪定した箇所で翌年どんな枝張りをして いて

景観がどう変化するか観察させるとも言っていました。小のことをきちんと果たしてこそ

熟練を要する仕事ができるようになるということです。 業種が異なっても簡単のように見え

ることでも、結構創意、工夫が必要なことが有りそうです。

 販売、営業などの接客の仕事。電話のかけ方ひとつで、そこの会社の社員教育の質が

 露呈しています。 どの業種にせよ、従業員が創意工夫を発揮できるかどうかは

 経営者と従業員との信頼関係のもとに、どように顧客の二−ズに対応できる教育を

 しているか、その質が会社の存亡に関わると思っています。一時的なコミュケ−ション

 研修で満足するのでなく、現場で応用が効くカウンセリングや コ−チング の手法を

 習得することが不可欠と強く思っています。