令和元 5月25日以後 職場のメンタルヘルスの問題等とその対応

 令和元 5月25日~ 27日の判例命令   ある女性の建築設計事務所の裁量制の長時間の 残業により

 適応障害を発病し労災事故と認定された記事が、職場のメンタルヘルスの2018年6月1日

 以後サイトに出ていますのでそちらをご参照ください。

 11月26~28日 トヨタ社員遺族損賠請求へ 朝日新聞11月26日より

  トヨタの社員(当時28歳)が2017年に自殺したのは上司のパワハラスメントが原因として

  豊田労働基準監督署が労災認定した。(9月11日付)

  遺族側は会社に損害賠償を求めるという。

  遺族側の代理人弁護士の立野嘉英弁護人によると、男性は東京大学大学院を修了後、15年

  4月に入社。研修後の16年3月、豊田市の本社で車両設計などを担う部署に配属された。

  翌月から日常的に上司から「バカ、アホ」と言われたり、「こんな説明ができないなら

  死んだ方がいい」とも言われたりした。個室に呼び出されて「俺の発言を録音しない

  だろうな。携帯電話を出せ」などと詰め寄られたこともあったという。

  男性は同年7月から3カ月間休職。復職後は別グル-プに配属されたが、上司と同じ

  フロアだった。仕事ではプレッシャーがかかると手が震えるなどし、単純な作業ミスを

  繰り返すようになった。17年同僚に「死にたい」などと漏らし、同年10月に社員寮の

  自室で自殺した。遺族の労災は労災申請を受けた豊田労基署は、男性はパワハラが

  原因で適応障害を発症し、職場復帰後も治癒していなかったと認めたという。

  立野弁護士によると労災認定業務では職場復帰後に通院などをしないと治ったと判断され

  休職前のハラスメント行為と復職後の症状や自殺との因果関係が否定されることが多いと

  いい、「実態を踏まえた適正な認定で意義大きい」と。

     ▲ 私の印象

  トップクラスの大企業トヨタ自動車ででこんな事件があったとは驚きました。とは言え

  トヨタだってメンタル不調の社員もしばしば出ていることは、かなり前に産業

  カウンセラーの研修を受けていた時、昼休みに比較的年齢が近い人達と話していた中に

  トヨタの管理者と思しき人もいて、しばしばトヨタ自動車でもメンタル不調に

  なる社員が出ていたことを耳にしていました。

     それにしても、こんな前途有望と思える人を自殺に追い込むなんてとても悲痛な思い

  に駆られます。かって私が顧問先に世話した人は、トヨタ自動車の期間工として働いて

  いたとき、上司がとても親切にしてくれたといってました。

  また、以前トヨタ自動車の産業医をしていた時の浦上先生から「私は自己のメンタル

  コントロールができない管理職は、役員に推薦しない」と言っていました。

  こういうことからしてトヨタはメンタルヘルスの教育もしっかりしているのではと

  想像していましが、それが裏目をみることになりました。

  でもこんなことになる前に何か打つ手はなかったのか?

      社内には優秀なカウンセラーもいることだし、彼が両者の間に入って仲介の労をとる

  ことでことで解決の道も開かれたかも知れないとふと思いました。

  人はどんな肩書、地位の人だって、所詮感情に先走って自制を欠くことで対立が

  きびしくなることだってありますから。そういう私自身もそんな経験があればこそ

  カウンセリングを学ぶようになりました。

  時々「失敗から学ぶ」という本が色々と出ていて結構売れてるようです。

  何らかの事業で成功したような話ですが、私の言いたいことは、実利的なことでなく

  失敗して非常に落ち込むようなことがあっても、過去の自我が死んで新しい自分に

  生まれ変わることだってあり得ます。」その意味からして自殺された方が残念でなり

  ません。上記の私が就職を世話したMさんは、豊田高専のような高専の出身でかって

  マレイシアに技術指導員として政府から派遣されています。しかし、対人関係が苦手の

  ようで、就職できてもそのせいか定着できなかったようです。そして私の世話した先でも

  社長から私に仲間から苦情が出ているし解雇したいと言ってきましたが、もう少し

  待ってほしいと言って様子見にしました。しかし、岩崎城の剪定現場とで仕事ぶりを見て

  いて私が注意するとうつ伏せてなりましたが、「ダイヤモンドがどんなに泥やほこりを

  かぶっても、その輝きは喪失しなくて、その価値は失わない」そんな話をすると、突然

  顔を上げて、自分は職長のGさんのようになりたいと言いました。それは、技術的なこと

  ではないか、と聞くと、現場の職人さんたちに向かって、Aはこれ、Bはあれやれと

  職人たちを指揮するとのこと。

  さらに、小牧のポリテクセンタ-で新しい技術を学びたいなど自己の抱負も話して

  くれました。作業員として金のためだけに働くのでなく、本人のプライドの充足と、働く

  ことの意義。

  こういうことこそ「働き方改革」にとって大切なポイントと思います。

 

  ▲難しい労災判断 進む労災認定基準の見直し

 

  認定をめぐって、死に至った原因がパワハラだと立証するのは簡単ではない。長時間

  労働のによる過労死の場合は、建物の入退出時間やパソコンの使用履歴などの客観的

  デ−タが求めらる。これに対してパワハラの場合では本人のメモなどがあっても、録音や

  同僚の証言など求められることが多く、「ハ-ドルの高いのが実情」だ。(川人弁護士)

        とりわけ、今回のように休職後に職場復職して自殺に至った場合、休職前に受けた

  パワハラを死と関係づけるのは極めて困難とされてきた。立野弁護士によるとトヨタも当初

  はパワハラと死との因果関係を認めていなかったが、労基(豊田)は因果関係があると

  結論付けた。パワハラを含め、仕事で受けたストレスによってうつ病などの「心の病」を

  患い、労災申請する人は近年増加の一途をたどっている。厚労省によると2018年度の

  申請者は1820人で6年連続過去最他を更新した。一方実際に労災と認定された人の割合は

  2へ3割(ざっとみて横ばいに近い)で18年度に認定されたのは465万人。このうち自殺や

  自殺未遂者は76 人。

  ハラスメントに対する世論が厳しさを増すなか、政府も遅ればせながらハラスメント対策

  に取り組みはじめている。今年5 月には、企業にパワハラの防止策を義務づける

  改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)が成立。大企業には2020年6月、中小企業は

  2022年4月に適用される目通し。(働き方改革の前にやるべきではなかったのでは)

     今年6月にはILOが仕事上の暴力やハラスメントを禁じる初の国際基準となる条約を

  採択した。

    厚労省は11月1日に精神障害の労災認定基準を見直す方針を表明した。2011年につくった

  今の基準にはパワハラの項目がなく、職場で具体的にどんな行為がパワハラにあたるのか

  はっきりしていない。そのことの指針を年内にもつくる。(怠慢丸出し)

     例えば「業務に関する必要以上に長時間の厳しい叱責のくつかえし」はパワハラに当たる

  などとする案をまとめた。しかし、労働組合などは、より広く解釈すべきだと反発

  している。(こういうことなど現場の声をじかに傾聴すべきかと思います)

 

  ◎ 上記の直近の記事を一読するだけでも政府、関係する官庁などに対して苦言を私

  以上に言いたいのは現場で苦闘しておられる方々と思います。

  以前大切な労働問題について全国各地でその道に精通した専門家を講師にした研修会が

  私自身もとても参考に慣れりました。

  国民の税金を浪費する桜見物よりも、現場の労働者の実態を見学し、現場の困っている

  ことにしっかり傾聴する政治家、役人、専門家であることを切望します。

令和元 12月7~8日 三菱電機 新入社員自殺

  令和元 12月7~8日 三菱電機 新入社員自殺 (朝日新聞 同日)

                   自殺教唆容疑 上司を書類送検

   三菱電機の20代の男性新入社員が今年8月に自殺し、当時主任だった30代の上司の

   教育主任が自殺教唆の疑いで神戸地検に書類送検された。労働問題に詳しい専門家に

   よると、職場での暴言によるパワハラをめぐり、刑法の自殺教唆の容疑で捜査を

   受けるのは極めて異例という。兵庫県警三田署が11月14日付けで書類送検した。

   認否は明らかになっていない。神戸地検は、今後、刑事責任の有無を慎重に調べると。

   複数の関係者によると、自殺したのは、生産管理のシステム開発などを手掛ける生産

   技術センター(兵庫県尼崎市)に配属された技術系社員。8月下旬、兵庫県内の社員寮

   近くの公園で自ら命を絶った。現場には、教育主任から「死ね」などと言われたことや

   会社の人間関係について記したメモが残されていたという。三菱電機で2014年以降に

   新入社員が自殺したり、精神障害を発症したりしたケ-スが判明するのは、これで3人目

   となる。書類送検されたのは同センタ-の教育主任。この新入社員を7月ごろから

   本格的に指導し、学生時代の研究テ-マについて説明する8月下旬の技術発表会に向けて

   の資料の書き直しを求めるなどしていた。教育主任の区長が厳しかったことが社内

   調査で明らかになっており、自殺する前に「教育主任に、死ねと言われた」と

   話しているのを聞いたと、同期の複数の社員が証言しているという。三田署は9月

   以降教育主任から複数回にわたって事情聴取するとともに、複数の同僚からも話を

   聴いた。教育主任は社内調査には、「死ね」とは言っていないが、類似する言葉は

   言ったかもいれないとの趣旨の説明をしているという。

   三菱電機では社員が健康を害する労働時間が相次いでおり、14~17年にシステム

   開発の技術者や研究職の男性職員5人が長時間労働が原因で相次いで労災認定された

   うち2人が過労自殺だった。だった。これとは別に通信機製作所(尼崎)に配属

   された新入社員が16年11月に自殺し、上司や先輩社員によるいじめや嫌がらせが

   自殺の原因だとして遺族が損害賠償を求めて17年9月に提訴。ていたこと17年末に

   子会社の男性社員が過労自殺していたことも、朝日新聞の取材で先月明らかになった。

    新人教育を担当する三菱電機の社員が自殺教唆の容疑で警察の捜査を受けたことは

   職場のパワハラ防止策の重要性を改めて企業に突きつけた。

   パワハラ規制の立法化に反対してきた経済界は意識改革を迫られる。

 

   ◎ どうして経済界はこのパワハラに反対なのか、上からの指示命令どおり上司を

    使って目的達成したい願望なのでしょうか。

    自分はパワハラを今回のような形で受けたことはありませんが、「極力このような

    方針でお願いしたい」と上司が言ったことがあって、その極力の意味は「トップ」

    から命令されたからかと問い返したことがあり、全大会の場でもきつく質問したこと

    もありました。私は組合員でしたが、非組の人でも理解していた人もあったよう

    でした。何か新たな改革を目指すときは、その提案理由を述べ、相手側の意見を

    傾聴する大人の姿勢あればがあれば喧嘩ごしにならないと思います。

    ところが上層部が頑固ものですと、部下に圧力をかけ、ゴリ押しすれば、末端で

    パワハラもおこり易くなるのではと思います。また、着任してまだ間もない上司の

    場合部下になめられてはいかんと気負いすぎ高圧的にてしまうこともあります。

    このようなことは、外部から講師を招いて研修で各自のメンタルを磨くことが

    必要かと思います。自分のこころをコントロールできない人を幹部社員にすると

    意思の疎通を欠いて生産性がタウンします。         

 

12月21~22 日  なぜあなたは要求が苦手なのか   稲川由太郎先生執筆

   12月21~22日 なぜあなたは要求が苦手なのか  稲川由太郎先生執筆

         コ-チAより配信 (上司と部下の問題の解決)

         稲川由太郎先生は部下が成果や成長を手に入れるために上司にできることは?と

   問いかけています。 

       ▲ 以下のことを筆者は具体例として挙げています。

   ●  1 まずは自分がやってみせること。

   ● 2 成功体験や失敗体験を話す。

   ● 3 任せる姿勢をもつ。

   ● 4  わかりやすく具体的に教える

   ● 5 きちんとほめる

   まずは動機から出発して部下のの関心、モチベーションを刺激しつつ期待感をもって

   見守る姿勢が出ている感じがします。

   ▲ 何故「お願い」してしまうのか。

   部下が自分の枠を越えて変化したり、新たなことに挑戦したりするには、

   「この仕事、今までとは違うやり方で来週までに仕上げて欲しい」など、時には

   上司が要求し、適度なストレスを与えることも効果ありとのこと。

   それは企業にとって今の市場や経済界などの状況の変化に対処でき、上司、部下も

   臨機応変な対応力が必要な時勢でもあるからだと私は思います。

   「ヤ-キ-ス・ドットンの法則」というストレスと生産性の関係性を表した法則によると

   人は高く過ぎず、低すぎない適度な緊張状態(ストレス)にある時、最適な

   パフォーマンスを発揮できるというエビデンスもあるとのことです。

   つまり、「成果を出し、成長を手に入れて欲しい」という願いが根底にあった上で

   ストレッチな要求を伝えることは、上司の役割上、必要不可欠なことと言えると

   筆者は述べています。

   しかし、「要求する」のは時として難しいこともあるのです。

    事実、部下に「~してほしい」「~しないでほしい」とはっきり伝えることを苦手と

   している上司も少なくないと。相手に嫌われたくない「いい人」でいたいと思うと

   (そう思われたい心境になる) やわらかくなって「できればその仕事を○○さんのように

   やってもらえるとうれしいけれど」「もしよかったら、こんな風にしてもらえない

   だろうか?」といったように丁寧な言い回し(相手に気兼ねしたような)で「お願い」

   してしまうとのことです。

   実際のところ上司は「断られたらどうしよう」、「一方的に要求するのは申し訳ない」

   「この要求を伝えたら気を悪くしないか」といった不安、恐れなど生まれるのは

   どんな時に起こるのか?しと筆者は問いかけます。

   ▲  「要求する」前に必要なこと

          ストレートに「要求する」ことに抵抗感を覚えるとき、私たちは、自分と相手の間に

    信頼関係を築けないことをうすうす感じているかもかもしれません知れません。

     コ−チAでは数万人のリ-ダ-に対するコミュニケーション調査を元に部下の成長や

    行動促進に長けたリ-ダ-とそうでないリ-ダの行動の違いをメンバーとの関係性の

    発達無度合いの観点から分断したとること。

    すると部下のパフォーマンスを高めるリ-ダ-は、相手との関係性の度合に応じて

    次のように関わりを段階的に使い分けていることがわかったと。 

          1   まず「受容や共感」を示し、メンバーが安心する状態をつくる。

     2   次に「関心や理解」を示すとメンバーが自信をもつ。

     3   最後に『期待や要望」を伝えることでメンバーの「行動」が促進される。

    (部下のモチベーションアップの刺激になる)

         つまり、どんなコミュニケーション方法論やスキルを持っていても相手との関係の構築

   度合を意識しなければ相手に伝わらない、理解されないといったことが起きる

   可能性があるということです。(日ごろの相手の言葉、表情、態度に注意すべしと)

        このことに関して筆者は次のように述べています。

   言い方を変えると「安心」や『自信」につながる構築ができていなければ、どんなに

   「相手の成長を願った要求」も受け入れてもらいにくいと言えるとのこと。

   部下の上司に対する声、「上司が自分に何を望んでいるかわからない」という

   ものがあり、これはまさに「「部下が安心も自信もないときの表れでしょう」と。 

   そんな時は「最近困っていることは何か」「上司に求めていることは何か」と

   上司への要望を聞きだしてみてはどうでしょうかと。

   (なかなか面と向かって上司に向かって言いずらければ、日報などに個別に書いて

   もらうことも有効かも知れませんし、可能なら職場のカウンセラーに相談することも) 

         つまり上司、部下のコミュニケーションは受け手(部下)に何らかの要求をすること、

    部下の変化や成長に働きかけることとも言えるとのことです。

    最後に筆者は「要求する」ことで、相手が成功や成長に新たな行動を起こしたり、

    より良い行動に変えたり、マイナス行動をやめることが出来ると述べています。 

   ◎  全くその通りですが、上司だって欠陥だらけの人間であることを謙遜に認め

      この記事の初めの方の箇所に出てたように自身も部下と共に反省し、上司も

      失敗しつつも「新しい気づき」を得て成長することが不可欠と痛感します。

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また就労、解雇等労務管理上の法的クリア(コンプライアンス)や労働者のメンタルヘルス、労災事故から守る安全衛生対策などの指導、助言も行っています。

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