認知行動療法    < 問題解決法>   

 

             この問題解決法は、認知行動療法(CBT)の色々な方法の中では、すでに

       述べました認知再構成法と共に大切な方法です。この再構成法の前の

       基本スキル1から3までの知識の理解がここでも活かされます。

       なお、このサイトでは大野裕先生の著書「こころが晴れるノ-ト」を参考にして

       述べていきます。私たちが色々な困難な問題に直面したとき、考え(認知)を

       変えると楽になることがあります。    しかし悩みのきっかけとなった問題が

       解決していない限り、考えを変えるだけでは不十分です。 ですから先生は

       以下の三つのステップを使って問題解決能力を伸ばすことを提言されています

        ステップ1     問題解決能力を育てる

                行動を通して問題を解決する力を育てる。

        ステップ2    アクションプランを立てて行動する。

                 行動を通して思い込みを解放し、行動の意味を考える。

                  その意味について思い込みから離れてもう一度

                  客観的に判断するようにする。

        ステップ3      生活のリズムを回復する。これにより、心の余裕をとり戻す。

             **   箇所の内容は「認知再構成法基本スキル4の中の

              ある社員の職場復帰直後の記録表例をご覧下さい

        

                         以上のことからして行動療法を加味した方法であることが明白です

         

           ステップ1   問題解決能力を育てる

 

 

           第一段階  問題解決を遅らせる考え方に挑戦する

                  

                    日頃私たちは、すぐ問題 解決にとり掛ろうとしても、行動を妨げる

            自動思考が色々と浮かんできます。

            経験したことのないことに直面した時とか、予想外の結果になった時

            などは、困惑して動きが取れませんし、落ち込んで気力が喪失したり

            します。そのような時その自動思考の根拠と反証を書き出し反論する

            試みを先生は、奨励しています。

 

            例1   「こんなことが起きて大変だ」

            反論:  問題が起きるのはあたりまえだ

                 問題のない人生はない。

                 問題があればこそ、私たちは成長していける。

            例2     「どうして自分だけこんなことが起きるんたろう」

            反論 : 起きたことは事実だ。

                 つらいことが起きたとき、その身の上恨みたくなります。

                 しかし、起きた事は事実してみて、どう対処するかが

                 大事になる。

             例3    「自分にはどうすることもできない」

              反論 : やってみないとわからないし、問題は基本的に解決可能だ。

              例4  「つらくてどうしようもない」

              反論 : 「どうしようもない」根拠はどこにあるのか。

                   私たちは、つらいと感じられるから、問題に気づくことも

                    できる。

               例5   「すぐにとりかからないと大変なことになる」

              反論 :  「急がば回れ、立ち止まって考えよ」

              焦ってもしょうがない。落ち着いて何が問題なのかはっきり理解する

              ことがまず大事。

               以上の各例とその反論は、ほぼ原文通りです。

             ◎ 以上の例の箇所を読んでいて私の感じたこと、思ったことは次の

               通りです。

               相手の認知のあり方に反論して理性に訴えていく方法は、それなり

               に効果のあることが分かります。

               クライアントが困難な問題で心理的に動揺している時は、その方法

               でいつも機能するでしょうか?

                私は、その時の当人の心理状態に応じて、行動療法も併用する

                のが得策と考えています。

                いきなり認知のことに当たるのでなくて、まずは当人の気持ちを

                ほぐすことから進めることも一策と思います。

                 一寸飲食をして気分転換すること、VT、漫画をみること、

                 少し体操して、ランニングすること、キャッチボ-ルをすること。

                 その他、リラックセ-ション、イメ-ジトレ-ニングなど。

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メキシカンセ-ジ

      第ニ段階   問題解決技法を身につける

            

                問題の明確化

                    ↓

                ブレインスト-ミング

                   ↓

                解決行動決定

                   ↓ 

                   実行  

                    ↓

                  最終評価

 

               ①       問題の明確化   

                  私たちは、困惑するような事態に直面すると、動揺して日頃の冷静さを

          失い中々、一歩前進むことさえ出来ません。 丁度 くしゃくしゃになった

          糸玉をほぐして整理するように、事実と推測した思い込み、歪曲された

          情報など錯綜している情報を整理して何が問題になっているかを明確に

          する必要があります。そのためには、以下のような実行が不可欠です。

            ● 当面する出来事に関係する情報を可能な限り多く収集する。

            ● 問題の因果関係を明らかにする。

            ● 混在する情報から当面する問題と関係のあるものだけ選別する。

            ● 客観的事実と、自己の興味、価値観のフィルタ-を通して事実と

              思い込んでいること、そう決めつけていることを峻別する。                                     

            ● 間接的に入手した情報の信ぴょう性も十分チェックする。

            

            ◎ その他以下のことも明確にする 必要があります。

             a  5W1H (誰が、何を、いつどこで、なぜ、どのように)

               b   目標の達成に際して妨げとなることの予知    

     

            以上のことは、具体例を挙げると理解し易いです。                          

             例えば対人関係のトラブルの場合、相手が必ずしも言って

            いないのに、拡大解釈したり、少し表情がこわばっていただけで

            反対していると推測したりして、両者の心理的距離は離れて

            いきます。   

             目標に向かっていく過程で出てくる妨げとは、

             この人は、協力てくれると思ってたが、冷淡にあしらった。

             こんな場合、色んな団体では、「根回し」で対処することがあります。

             私もその経験があります。 ホリエモンが使った「想定外」は

             言い訳けと捉えられることもあると考え、用心すべきと思います。

             以上のケ-スと共に、対人関係でハンディのある人が問題となり、

             時として本人のために、集団の活動に支障をきたすリスクも担当

             に当たる人は念頭におくとよいと考えます。

                          自分がのけ者にされたという被害者意識を強く感じた時に

             態度が一変して衝動的になって周りをかき回すこともあります。

             直接本人からも聞いています。SST(社会性を育てる訓練)等の

             必要性を痛感しています。

                 

 

                   ②    ブレインスト-ミング

           この方法は、メンタルに限らず企業の経営戦略、安全対策、その他

           色々な団体の活動計画の立案する時などに用いられます。

           テ-マに沿って思いつくままに色々なアイディアを出していきます。

           ポイントとなることは、以下の通りです。

           (1) 出てきた問題についてなるべく多く解決方法について考える。            

            それが有効かどうかは、考えずに進める。

            方法の選択肢が多い程より効果的な解決方法が得られる確率が

            高くなるからです。

           (2) 解決方法は、なるべく具体的なものを考事。 

            さらに新しいアイディアを出すためには、それまでに出たその

            アイディアを少しえ変えたり、いくつかのアイディアを組み合わせて

            改善することも出来ます。

            (3)メンタルに障害のあるクライアントから問題について最初から

              解決策を出すのが困難と思われる場合の対処法。

              この場合は、直接関係のない中立的な課題を出して心をほぐした

              後に、問題解決の方法を求める工夫も必要なこともあります。

              無理をせず相手の状況に応じて、たとえ一つでも引き出すような

              配慮も必要です。

  

                   ③  解決行動決定

              ブレインスト-ミングで考えた各々の方法の長所、短所について

              検討します。 その上で当該方法を実行するのにどのような障害

              があるのか、実行したときにとのような問題が出てくる可能性が

              あるか、またその方法を使った場合、問題が解決される可能性が

              どの程度あるのかといったことを検討します。

              そして一番実行しやすく、問題解決につながる可能性のある

              方法を選択します。

                  ④ 実行               

                解決行動決定で選択した方法を実行します。

                頭の中でシュミレ-ションするのも方法の一つです。

 

             ⑤  最終評価

                実行の行動の結果を評価します。

                うまく問題が解決できればそれでよし。

                出来ないときは、① 問題の明確化に戻って、そこの問題を

                もう一度はっきりさせます。

 

                        ▲ 問題解決技法の実例

           

             ① 問題の明確化

               新しい部署に昇進したが、そこの知識、経験も乏しく、部下との

               信頼関係も築けず困っている。

             ② ブレ-ンスト-ミング

              a  同僚に相談する。

              b 直属の上司に相談して良き相談相手を紹介してもらう。

              c  余暇を利用して仕事に関する書物を読んで勉強する。

              d  部下のことについて情報を集めてマネジメントについて作戦を練る。

              e 部下の中て゛信頼できそうな者と交わりを深め、支援を仰ぐ。

              f   部下とのコミニュケ-ションを大事にする。

              g  遅くまで残業してなるべく仕事を片付ける。

              h  なるべく社外の研修にも参加して研鑽を積む。

             

              ③ 解決行動の決定

               a  各自それぞれ仕事に追われているので、負担をかけたくない。

               b   メンタ-役として期待できる。

               c   自己のレベルアップになる。

               d   ある程度の時間が必要。

               e   該当者を見つけれるかわからない。

                f  これは常に実行する。

               g  必要なことだが、体が心配だ。

               h 必要度の高い分野で優先的に実行する。

            

               ④  実行

                直属の上司に相談した。

              

               ⑤  最終評価   

                良き相談役としてのメンタ-の紹介をしてもらった。

                自分の部署の体制づくりのアドバイスが得られた。

                  ◎  残っている問題

                 一番連携がひつようなA部署との今後の協力体制を築くことで

                必要な仲介者の紹介を得ること。

                       ** ともかくこの問題解決技法は一度でうまく解決するのでなく

              色々やってみて試行錯誤を重ねてより良い方法に

              たどり着くものです。

 

                        ステップ 2    アクションプランを立てて行動する

           

             落ち込んだり、不安を感じている時は、自分の世界に閉じこ

              もってしまい自己の思い込みから抜け出せません。

             本当にその思い込みが、合っているのか確かめようもありません。

              閉じこもることは、長い目でみて決してプラスにはなりません。

                ここで発想を転換して不安に感じている場面に思い切って

             踏み入れると意外と簡単に問題が解決することもあります

             それに自分の予想が正しいかどうかを確かめることができますし

              直面する問題の解決のコツも分かってきます。ですから

              ここで気分を一新して行動に移すのです。

          

             ▲ アクションプランを立てる 

                      ① 目標を決める

                ● 改善したい行動を決める。

                ● 過去の似た例をヒントにして考える。

                ● そのような行動で改善の妨げとなる要因を考える。

                ● その上で解決可能な目標にチァレンジする。

               ◎ 不安が強いとき、注意をそらす以下の方法があります。

                a   人間関係の利用  家族、友人と話す。

                              b  身体感覚の利用

                  ● 音楽、ラジオを聴く

                  ● テレビをみる

                  ● 漫画、絵をかく

                  ● 花を生ける

                  ● おいしそうな飲食物を味わう

                 c   身体の動きの利用

                  ● リラクセ-ション、体操

                  ● 軽いスポ-ツ

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  スプレ-マム

                     ▲    アクションプランの実行例  

                        

            行動目標として試したい考え

             a    行動目標

              うつのため部屋に閉じこもりがちの夫を心配した妻が、少し一緒に

              体をほぐすことに慣れた後、本人の同意を得て心身の状況の良いとき

              近くの公園でキャッチボ-ルをする。

             b  試したい考え

               体を動かすことの行動療法の効果を試す。

                   

                          1    アクションプラン  公園で夫婦がキャッチボ-ルをする。

             2    開始予定時期   来週の夫の心身の状況のよい時

             3   予測  実施中夫の心身の状況が悪化する場合

             4    予想される問題   実施するときのタイミングがよくないと

                             夫の気分が悪化する

             5   問題がおきた時   すぐに帰宅して横になって休む 。

             6   実行の結果    やってみて心身ともほぐれ、効果が出た。

                       

              7   新しい考えの確信度    100%

               8   この試みから学んだこと

               認知行動の専門家が言ったとおり、体を動かすことで頭を軽く

               することができ、その結果、気持が楽になった

 

                 < 認知再構成法と問題解決法を併用した対処法>

                  

          このテ-マに沿って記事を書きたくなった動機は、今日もカウンセリング

           していたクライアントの喫煙の話です。本人は、メンタルにハンディが

           あって、対人関係が特に苦手のため時々そのことで情緒が不安定

           になり喫煙する習慣が身についてしまっているとのこと。

           その話が出たとき、私は、つい軽々しく代替法を勧めましたが

           関心は示しませんでした。 これを契機に一寸禁煙対策のことを

           調べているうちに、上記のCBTの二大スキルの効用について

           考えてみました。 その他 たばこの他、アルコ-ルや、パチンコ依存症も喫煙の

           問題と共通点があります。喫煙はしませんが、パチンコの方は、若い頃ストレス

           解消策の一つとして一時期かなりのめり込んで閉店まで没頭することもありました。

           当時の自分の心理を想起して禁煙のことを考えるのも一策と思いました。

           参考書では、上記の方法の適用事例が、単独で掲載されています。

           しかし現実のxx依存症に対して何らかの対策をとるとなると、メリハリの

           効く方法が必要となり、両方を臨機応変に活用すべきと考えます。

              

                     その理由は、再構成法の重点要素の認知の修正手法と問題解決方法の

            柔軟な手法に期待できると考えるからです。 伊藤絵美先生が「アセスメント

           シ-トと心理教育からスキル3」のサイドメニュ-で述べている箇所の

           うつ対策の次の記事に再度注目しました。

           「たとえ悪循環の流れの中の部分的な認知や行動であっても、それらの

            認知、行動の選択で悪循環を断つことができる」の箇所です。

                        クライアントの気づきによる「認知と行動」の選択が直面する壁を自力で

            突破することです。 たばこ、パチンコなどの依存症は、習慣化されて

            いますので、そう簡単に悪循環を断つことはできません。 カウンセラ-も

            クライアントも相当な忍耐を要するのは言うでもありません。

            医学の治療法、心理療法も どんどん進歩します。そのような時

            つい何々療法に依存します。 しかしクライアントの心の中が空白だと

            治療の効果は期待したようには上がりません。自分の将来に向かって

            何らかの目標をもつことで心の軸をもつこと、これと並行してCBTを

            進めることを考えています。あるクライアントは、メンタルのハンディと

            戦いながら自分の特技を活かした仕事のことを話してくれてこちらも

            励まされます。 この人以外の人も、公的機関の計らいで、色んな

            ハンディのある人にも進路、職業について有益な情報を得られるような

            現場の見学の機会をつくって頂きたいと思っています

 

              ◎その他の方法につきましては、すぐ直近下の別のサイトに掲載します                

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                <その他の方法>  

      リラックセ-ション、イメ-ジトレ-ニングはすでに9月26日の琴奨菊関の記事等

   で述べましたので省略します。

    

          ▲ アサ-ションとその歴史的背景

     assertionとは「主張」という意味で、ただ言いたいことをいうのでなく、

    自分の人格も相手の人格も大切にしながら主張することを意味しています。

    このような相手のことも大切に考えて言うのをassertiveな自己表現とも言います。 

     この対話法は、1960年代の米国の黒人の人種差別の撤廃を求める公民権運動の

     高まりの中で生まれました。このころの中心となったのはキング牧師で

     その著書「汝の敵を愛せよ」の中で、幾多の脅迫にもめげず、平和的方法で

     この運動の理解を得ようと努力し、これがもとになってassertionが誕生

     しました。

       ◎ 昨年11月2日の「以心伝心」ブログにアサ-ションの例があります。 

      このアサ-ションにつきましては、まずは、自己理解の見直しから始まります。

      情緒が不安定で少しのことでイライラしたり、自己嫌悪になっり、自信喪失になるような

      人は、自己のメンタルの現状を立て直さないと効果的な対人関係のコミニュケ-ションは

      期待できません。そうでない人も、自己を色々な視点から見直すことでこのスキルを

      有効に使える道が開けると思います。 自分を受け入れことができないと、他人を受け入    

       れることも出来ません。 

                            ▲  自己理解               

      このアサ-ション研究で著名な平木先生は、「自己カウンセリングとアサ-ションのすすめ

     の中で「私は---です」の20書く性格テストについて言及しています。

     そのテストで分かる要点は以下の5つです。                          

      ① 氏名、年齢住所などの外面と性格などの内面の記述数とその意味

      ② 自分が隠したいことをどの程度正直に書いているか(自己開示)

             ③ 自己の長所、短所の割合

      ④ 現実自己と自己の憧れ、理想を表現した文の割合(未来志向の割合)

             ⑤ 自己紹介の時、5つの文はどんなのを選ぶか

          

           ◎ 以上の5点から分かること

          ① 本人のパ-ソナリティの特色

        ② 集団の中の本人の動きの予測

        ③ 自己開示の幅の大小

        ④ 自己評価する時のくせ

         a  気が小さくて、自信なさそうな人

         対策 アドバスしながらやらせてみて自信をつけてもらう。

          例  人前で話すのをためらっている場合 枕言葉を使う

              今のご意見について差支えなければ、質問、意見をいっても

              よろしいですか?

         b  自己肯定的で積極的な人

            アドバイス、承認、エンパワメントによってどんどんやらせる。しかし

            その反面自信過剰、独りよがりな言動に対しては、自重を促す

            アドバイスも必要なります。

       ◎以上の自己の性格について振り返ることは、対人関係の改善につながり

        アサ-ションの学びをする際の大切な土台になります。

 

 

              ▲  3つのタイプの自己表現  

       

       1     非主張的自己表現

           考えていることや気持を表現出来ない。 言いたくても言えない。

           沈黙していまう。断りたくても言えない 。伝えても通じるように言えない。

           このようなタイプですと後味の悪い思いや不快な体験になることもあります。

           これでは、自分を抑え、相手を優先しているかもしれませんが、実際は

           自分で自分を否定したり、自分に不誠実であり相手に率直でない

           自己表現している可能性があります。意見を言わなくて一見相手を

           尊重しているようにみえますが、内実は、相手に決定させ、相手の

           承認を期待している態度ともとれます。

             自分が何か言えば対立がおきて面倒なことにもなるので発言を

           抑えると考えれます。しかし、それでは自分の気持、言いたいことを

           抑えているので、ストレスとして溜ることになります。

           これでは、自分の心を抑え込んで相手を思いやることであって

           双方の思いやりにならず、いつか破綻が生じる可能性を秘めています。

           職場、家庭等でもよくあることです。

           

           2     攻撃的な自己表現

         

           このタイプの人は、前者の非主張的自己表現とは逆に過剰な自己表現

           をする人です。自分の考え、気持を明らかにして自己主張しますが、

           相手の主張、気持を無視ないしは軽視して、自分の主張だけを押し付け

           たり、相手の主張を封じて自分の意のままに物事を押し通すタイプです。 

             ですから自己表現が過剰で、自己本位のやり方で他者を否定したり

           操作、支配したりします。他者の立場、言動、気持には意に介せず

           傲慢な態度が目立ちます。利潤追求のためには、人を道具として酷使

           するワンマン社長がその例です。

               このような攻撃的な自己表現をしている人は、自己本位ですから

           相手と相互に尊重し合うことなど不可能です

  ゛        相手が自分に合わせて動くべきだと思っています。 

           対立があっても自分が正しいと思い込んで、相手に服従させる人は攻撃的に

           なり易くなります。

 

           また、攻撃的な人は、主体的にその都度判断して動いていて一見強さを感じ

           させますが、その反面、自分と対立する人への不安、恐れがあり、相手ときちんと

           対話ができず、状況に応じた柔軟な対応力、器用さを欠いていることが多く、

           そのような弱さを覆い隠して相手を攻撃する自己防衛の可能性もあります。

             このような攻撃を受けた相手は、服従を強いられたり、軽視された扱いを

           受ければ不愉快な気持ちは、もちろんのこと、心に傷やしこりを残すこともあって

            両者の関係は長く続きません。

 

       3    アサ-ティブな自己表現(アサ-ション)

              このアサ-ションは、自分も相手も大切にしようとする自己表現です。       

           またこのスキルは、前述の非主張的不十分な自己表現と攻撃的過剰な

           自己表現の中間をいく表現です。

           その特色として以下のことがあります。

        (1)  考えていることを相手の前でオ-プンに言う。

            例 急に食事に誘われた時、率直に「今日は約束があってどうしても

                                    行かねばならいので」と言い

          折角誘ってくれたのだからと少し相手の気持に配慮するなら

          「また機会をつくって一緒に食事をしよう」といえば、相手に気持ちが伝わる

          ことにもなるし、相手の理解も得れます。 お義理で無理をして相手に会わせる

          よりも、心をオ-プンにしておつき合いした方が気持よく関係を持続することに

          なります。

          (2)  相手との対立、葛藤や歩み寄りを常に念頭においていること

 

           アサ-ションは、自分の気持、考え方をオ-プンにして相手に伝え、同時に

           相手からもそれらを聴くことを前提にしています。  

            従って自分の意見が反対された時、賛否の中間の時、どう答えてよいか

           相手が戸惑う時などを予期して自己表現します。 そして相手の出方により

           柔軟に対応できることが必要です。

             ですから相手が反対しても葛藤を覚悟して相手の気持ち、考えをよく傾聴

           して慎重に対処します。ここが、非主張的な表現、攻撃的表現と大きく異なり

           ます。

                   (3)    柔軟な自己決定

           前述のような対処の仕方をアサ-ションはとっていますので、自らの気持

           考え方を知り、自分が何を大切にしているかに気づくことが大変重要です。

           ですから自己責任の態度をしっかりとり、たとえ相手に反対されても自分の

           意見に固執せず、想定内のこととして受け止めて自分の責任で意見を変えて

           相手に働きかけて、さらに話し合いを進めて相互の歩み寄りにより一致を

           求める努力をします。その結果として目的を達成することもできます。

           相手に屈服したとか、操作された結果意見を変えたのでなく、自己責任で

           自ら努力して一定の成果を得たら心がすっきりしますし、このような経験が

           自信となり、似たようなケ-スに活かすことができます。

         (4)  クリエイティブな関係を構築する創造の業 

           (新しい意味あることの創造)

                    アサ-ションは、相手の気持ち、考え方を尊重し合いながらも、意見の違いから

          時には反目し合い、これでは折り合いがつかないから、止めにしようかと思う

          程の葛藤を経て、歩み寄り、当初両者とも考えもつかなかった結論を生み出す

          クリエイティブな関係を築くことも出来ます。 私の職場のメンタルヘルスの

          10月30日のブログでも同じようことを述べている斎藤孝氏の記事が引用

          されています。 

                 (5)   I message とYou message

               前者は、アサ-ティブな自己表現で、相手のとった言動の内容に対して

          相手に注意することがあっても、人格を攻撃することをしません。

          例えば、朝の会議に時々遅刻する人に対して、「お前は、だらしない奴」

          という決めつけ方をせず、「きちんと会議に出て君もいい意見を言って

          くれるとみんな気分がいいのに。次から時間どおりに来てくれよ。

          期待しているから。こういう言い方をされると、「みんなに悪い」と

          思って反省します。

           それに対して後者は、攻撃的な自己表現で、相手の言動に対して

          「お前は、そんなことが判断できない未熟な奴だ」というように

          事柄そのものよりも、相手の期待にそぐわないと人格攻撃します。

           これでは、傷ついてしまい、人間関係が崩れてしまいます。

 

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