<その他の方法>
リラックセ-ション、イメ-ジトレ-ニングはすでに9月26日の琴奨菊関の記事等
で述べましたので省略します。
▲ アサ-ションとその歴史的背景
assertionとは「主張」という意味で、ただ言いたいことをいうのでなく、
自分の人格も相手の人格も大切にしながら主張することを意味しています。
このような相手のことも大切に考えて言うのをassertiveな自己表現とも言います。
この対話法は、1960年代の米国の黒人の人種差別の撤廃を求める公民権運動の
高まりの中で生まれました。このころの中心となったのはキング牧師で
その著書「汝の敵を愛せよ」の中で、幾多の脅迫にもめげず、平和的方法で
この運動の理解を得ようと努力し、これがもとになってassertionが誕生
しました。
◎ 昨年11月2日の「以心伝心」ブログにアサ-ションの例があります。
このアサ-ションにつきましては、まずは、自己理解の見直しから始まります。
情緒が不安定で少しのことでイライラしたり、自己嫌悪になっり、自信喪失になるような
人は、自己のメンタルの現状を立て直さないと効果的な対人関係のコミニュケ-ションは
期待できません。そうでない人も、自己を色々な視点から見直すことでこのスキルを
有効に使える道が開けると思います。 自分を受け入れことができないと、他人を受け入
れることも出来ません。
▲ 自己理解
このアサ-ション研究で著名な平木先生は、「自己カウンセリングとアサ-ションのすすめ」
の中で「私は---です」の20書く性格テストについて言及しています。
そのテストで分かる要点は以下の5つです。
① 氏名、年齢住所などの外面と性格などの内面の記述数とその意味
② 自分が隠したいことをどの程度正直に書いているか(自己開示)
③ 自己の長所、短所の割合
④ 現実自己と自己の憧れ、理想を表現した文の割合(未来志向の割合)
⑤ 自己紹介の時、5つの文はどんなのを選ぶか
◎ 以上の5点から分かること
① 本人のパ-ソナリティの特色
② 集団の中の本人の動きの予測
③ 自己開示の幅の大小
④ 自己評価する時のくせ
a 気が小さくて、自信なさそうな人
対策 アドバスしながらやらせてみて自信をつけてもらう。
例 人前で話すのをためらっている場合 枕言葉を使う
今のご意見について差支えなければ、質問、意見をいっても
よろしいですか?
b 自己肯定的で積極的な人
アドバイス、承認、エンパワメントによってどんどんやらせる。しかし
その反面自信過剰、独りよがりな言動に対しては、自重を促す
アドバイスも必要なります。
◎以上の自己の性格について振り返ることは、対人関係の改善につながり
アサ-ションの学びをする際の大切な土台になります。
▲ 3つのタイプの自己表現
1 非主張的自己表現
考えていることや気持を表現出来ない。 言いたくても言えない。
沈黙していまう。断りたくても言えない 。伝えても通じるように言えない。
このようなタイプですと後味の悪い思いや不快な体験になることもあります。
これでは、自分を抑え、相手を優先しているかもしれませんが、実際は
自分で自分を否定したり、自分に不誠実であり相手に率直でない
自己表現している可能性があります。意見を言わなくて一見相手を
尊重しているようにみえますが、内実は、相手に決定させ、相手の
承認を期待している態度ともとれます。
自分が何か言えば対立がおきて面倒なことにもなるので発言を
抑えると考えれます。しかし、それでは自分の気持、言いたいことを
抑えているので、ストレスとして溜ることになります。
これでは、自分の心を抑え込んで相手を思いやることであって
双方の思いやりにならず、いつか破綻が生じる可能性を秘めています。
職場、家庭等でもよくあることです。
2 攻撃的な自己表現
このタイプの人は、前者の非主張的自己表現とは逆に過剰な自己表現
をする人です。自分の考え、気持を明らかにして自己主張しますが、
相手の主張、気持を無視ないしは軽視して、自分の主張だけを押し付け
たり、相手の主張を封じて自分の意のままに物事を押し通すタイプです。
ですから自己表現が過剰で、自己本位のやり方で他者を否定したり
操作、支配したりします。他者の立場、言動、気持には意に介せず
傲慢な態度が目立ちます。利潤追求のためには、人を道具として酷使
するワンマン社長がその例です。
このような攻撃的な自己表現をしている人は、自己本位ですから
相手と相互に尊重し合うことなど不可能です。
゛ 相手が自分に合わせて動くべきだと思っています。
対立があっても自分が正しいと思い込んで、相手に服従させる人は攻撃的に
なり易くなります。
また、攻撃的な人は、主体的にその都度判断して動いていて一見強さを感じ
させますが、その反面、自分と対立する人への不安、恐れがあり、相手ときちんと
対話ができず、状況に応じた柔軟な対応力、器用さを欠いていることが多く、
そのような弱さを覆い隠して相手を攻撃する自己防衛の可能性もあります。
このような攻撃を受けた相手は、服従を強いられたり、軽視された扱いを
受ければ不愉快な気持ちは、もちろんのこと、心に傷やしこりを残すこともあって
両者の関係は長く続きません。
3 アサ-ティブな自己表現(アサ-ション)
このアサ-ションは、自分も相手も大切にしようとする自己表現です。
またこのスキルは、前述の非主張的不十分な自己表現と攻撃的過剰な
自己表現の中間をいく表現です。
その特色として以下のことがあります。
(1) 考えていることを相手の前でオ-プンに言う。
例 急に食事に誘われた時、率直に「今日は約束があってどうしても
行かねばならいので」と言い
折角誘ってくれたのだからと少し相手の気持に配慮するなら
「また機会をつくって一緒に食事をしよう」といえば、相手に気持ちが伝わる
ことにもなるし、相手の理解も得れます。 お義理で無理をして相手に会わせる
よりも、心をオ-プンにしておつき合いした方が気持よく関係を持続することに
なります。
(2) 相手との対立、葛藤や歩み寄りを常に念頭においていること
アサ-ションは、自分の気持、考え方をオ-プンにして相手に伝え、同時に
相手からもそれらを聴くことを前提にしています。
従って自分の意見が反対された時、賛否の中間の時、どう答えてよいか
相手が戸惑う時などを予期して自己表現します。 そして相手の出方により
柔軟に対応できることが必要です。
ですから相手が反対しても葛藤を覚悟して相手の気持ち、考えをよく傾聴
して慎重に対処します。ここが、非主張的な表現、攻撃的表現と大きく異なり
ます。
(3) 柔軟な自己決定
前述のような対処の仕方をアサ-ションはとっていますので、自らの気持
考え方を知り、自分が何を大切にしているかに気づくことが大変重要です。
ですから自己責任の態度をしっかりとり、たとえ相手に反対されても自分の
意見に固執せず、想定内のこととして受け止めて自分の責任で意見を変えて
相手に働きかけて、さらに話し合いを進めて相互の歩み寄りにより一致を
求める努力をします。その結果として目的を達成することもできます。
相手に屈服したとか、操作された結果意見を変えたのでなく、自己責任で
自ら努力して一定の成果を得たら心がすっきりしますし、このような経験が
自信となり、似たようなケ-スに活かすことができます。
(4) クリエイティブな関係を構築する創造の業
(新しい意味あることの創造)
アサ-ションは、相手の気持ち、考え方を尊重し合いながらも、意見の違いから
時には反目し合い、これでは折り合いがつかないから、止めにしようかと思う
程の葛藤を経て、歩み寄り、当初両者とも考えもつかなかった結論を生み出す
クリエイティブな関係を築くことも出来ます。 私の職場のメンタルヘルスの
10月30日のブログでも同じようことを述べている斎藤孝氏の記事が引用
されています。
(5) I message とYou message
前者は、アサ-ティブな自己表現で、相手のとった言動の内容に対して
相手に注意することがあっても、人格を攻撃することをしません。
例えば、朝の会議に時々遅刻する人に対して、「お前は、だらしない奴」
という決めつけ方をせず、「きちんと会議に出て君もいい意見を言って
くれるとみんな気分がいいのに。次から時間どおりに来てくれよ。
期待しているから。こういう言い方をされると、「みんなに悪い」と
思って反省します。
それに対して後者は、攻撃的な自己表現で、相手の言動に対して
「お前は、そんなことが判断できない未熟な奴だ」というように
事柄そのものよりも、相手の期待にそぐわないと人格攻撃します。
これでは、傷ついてしまい、人間関係が崩れてしまいます。
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担当:佐野(さの)
愛知県名古屋市・日進市を中心に活動する佐野カウンセリング社労士オフィスです。
当事務所では、職場や家庭などの人間関係、仕事の重圧などに起因するストレス、悩みに対するメンタルカウンセリング(認知行動療法を含む)を行っています。
また就労、解雇等労務管理上の法的クリア(コンプライアンス)や労働者のメンタルヘルス、労災事故から守る安全衛生対策などの指導、助言も行っています。
安心して気持ちよく働ける快適な職場環境づくりのサポ-トこそ私の使命です。お気軽にお問い合わせ下さい。
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