9月4~6 日 事例1の続き タ-ニングポイント3
不調が深刻になりそうな人への対応とは?
著者が記述していない私の気づいた対策もで追加します。(近くの監督署の
労災課担当者にも説明して了解して頂いた内容です。)
B会社は、Aさんが心身の健康を害した以後も業務を軽減することもなく、むしろAさんが
担当する工程の従業員を1名減らしたり、Aさんが携わったことのない業務を併任させたり
したことから、Aさんは10日以上連続して欠勤した。復帰後Aさんは業務の軽減を求めたが
B会社は受け入れなかった。(このような事態から察するに、この会社は、人を目的達成
ための道具として扱っているみたいで、その背後には(できなければ、やめよといいたそうな
半ば嫌がらせの感じさえします) 複数回健康診断において、Aさんは、頭痛、めまい、
不眠がいつもある等と回答していたが、B会社は、Aさんを会議の提案責任者にすること
により、さらに業務量を多くした。
Aさんは、有給休暇を利用して数日間の休養をとり、再び出勤しましたが、会社にいる
ことが嫌でたまらなく、なぜこんなに苦しいのに働くのかと思うようになり、周りから
みても、元気がなく放心したような状態になったとのこと。このような経f緯があって、
Aさんはうつ病になってしまい、B会社に対してAさんが受けた精神的苦痛に対する
慰謝料等の支払いを求める訴訟を提起したとのことです。
<タ-ニングポイント3>
過重労働によりAさんの ◎ 望ましい措置 ◎ 望ましい措置の結果
体調不良やメンタル不調が Aさん▲の日々の状況、申告 Aさんは体調を回復させることが
継続し、休みがちになる中 内容、欠勤状況等から健康 でき、仕事も少しずつもとの
B会社はどうすべきか 状況に気づき、業務軽減等 ようにこなせるようになった。
の回復措置をとる。
▲望ましくない措置 ▲その結果
Aさんの過重労働うに対して Aさんは心身の健康を損ね、うつ病になった。B会社はAさんに
何の措置もとらず 対してAさんが被った精神的苦痛に対する慰謝料を支払う
仕事の進捗を優先させて ことになった。
さらに業務負荷をかけた。
◎このB会社で働いたAさんの会社の扱い方についての私の印象
ざっと事件の経過を通読していく中で、労務管理、特にメンタル不調防止のリスク対応が
ずさんな企業と痛感しました。メンタル不調の進行に備えて、ある程度の規模の会社には、保健
スタッフにカウンセリングができる 産業医、保健師、カウンセラ-などいて対応していますし
自社と懇意にしている病院に受診させ、そこと産業医が連携して対処することもあります。
この場合、就業規則でその会社指定を記述し、その際本人の同意を得て指定すれば問題なしとの
監督署の労災課の担当者から確認をとりました。但しこのような個人情報を会社に知られる
ことは当人の配転、昇進等にも影響することがあり、臨機応変に賢明に対処すべき問題でも
でもあります。
(もっとも外部の相談窓口があるそうですが、会社が掌握できませんし、そこの信頼度もアバウト
の感じもします) それと本人は新米のリ−ダ-ですので、適時上司が本院と面接して、メンタルの
専門家と連携して対処すべきと思います。
なんとかなるというような安易な気持ちでリ−ダ-にしたため、仕事上のトラブル、長時間労働
でメンタル不調(神経症)になったり、未経験の業務につかせたり、担当部署の人員減らしで
負担過重でついに10日の以上欠勤したのに、再度出社しても負担軽減もせず働かせるという
酷な扱いから当然うつになる位のことは常識のある上司なら読めるはずなのにと、
痛感しました。
これでは「慰謝料」で決着がすべてつくわけでなく、本人の心の傷が一生残ると思いますし
会社の受けたダメ-ジも大きいと思います。
ですから 、会社としてはリスク対応のシステム構築に関わる指定病院との連携が本人の救済に
時として、とても大事になることを念頭にいれて置くべきと思いました。
但し、自分の健康に関わる医療機関は信頼できるところで早く治療を受けるのがよろしいが
ですが、会社に自分の弱みを知られて、後の配転や、昇進等の人事に波及することもあると
思われますので。(どうすることが得策かは本人が信頼する方と相談して決めることが
よろしいかと思います)
受付時間 | 9:00~18:00 |
---|
定休日 | 日祝祭日 |
---|
ご不明点などございましたら、
お電話もしくはお問合せフォームよりお気軽にご相談ください。
担当:佐野(さの)
愛知県名古屋市・日進市を中心に活動する佐野カウンセリング社労士オフィスです。
当事務所では、職場や家庭などの人間関係、仕事の重圧などに起因するストレス、悩みに対するメンタルカウンセリング(認知行動療法を含む)を行っています。
また就労、解雇等労務管理上の法的クリア(コンプライアンス)や労働者のメンタルヘルス、労災事故から守る安全衛生対策などの指導、助言も行っています。
安心して気持ちよく働ける快適な職場環境づくりのサポ-トこそ私の使命です。お気軽にお問い合わせ下さい。
カウンセリングの三つの支柱
社労士としての業務
事務所紹介