7月15~ 17日   子供達のできることを伸ばす 困ったときにどうしたらいいかを知る その1

  7月15~17日      子供のできることを伸ばす 困ったときにどうしたらいいかを知る その1

         浜松医大 大隅香苗先生 中京大現代社会学部 辻井正次先生執筆

         こころの科学150記念号より  日本評論社

 

   私がかって名古屋市北区のあるNPOで非常勤でメンタル障害者の青年等のカウンセリング

   していた頃の自閉症スペクトラムとアスベルガ-の青年がともに再入院したことを

   現理事長からつい最近知って驚きました。両者とも家庭から離れての一人暮らし。

   とても人なつこくって好青年で、病院の医師には言えないような色々な心の中を話して

   くれました。ですから私も他のスタッフと同様にNPOを去るときが近くなった頃

   それを察知した彼等の言葉(来週も来る)を聞くと責められるような氣がしました。  

   今回こころの科学150をみてブログを書きたくなったのはこのような動機があったから

   です。

         就労移行支援のような事業所では、障害者の人々も理解していますように、彼等が保護

   されるような温室みたいなもの、彼等の中にもそう思っている人もいます。

   ある一年以上カウンセリングをしたパ−ソナリティ障害の女性もその感覚があり、気分が

   よくないと、怒りの対象者に物を投げたり、スリッパを蹴ったりの粗暴なことをしてしまい

   企業でそんなことなどすれば、すぐ叱責を受け、周りから白眼視され、新たなトラウマに

   なってしまうとのこと。この人はかなり理解力はありますが、時として感情の制御が

   効かないのです。

   今回の自閉症スペクトラムの例では、職場の上司や周辺の人々が、本人の何かを問題に

   していて、健常者なら当然気づくことも、障害者自身は、なにが問題なのか気づかず

   そんなことなどがストレスとなって居心地が悪くなることなどが例示されています。

            大隅先生の記事と思いますが、以下の記事がありました。

   多くの定型発達の子供たちは、わからないことがあると、自分から問いかけることで必要な

   サポ−トをあたかも自然なことのように得ていく。しかし、ASDのある子供たちにとって

   は、そうはいかない。はたから見て困っているように見える時、果たして子供自身が自分は

   今自分は困った状態にあるとわかっているかというと、大抵そんなことはない。

   困った状態に遭遇したときに、暴れたり、叫んだり泣いたりしてパニックになり、

   固まってしまって行動が出来なくなってしまう子供であっても、自分が今困っている

   状態にあるということ自体はわかっていない場合が多い。後で問えばその時に困っていた

   ということはわかるが、パニックの最中にあっては、そもそもどうしたらいいかが

   わからない。その子が自分自身が困っているとわかっていれば、こちらが困っている事柄

   への対応策を教えることはできる。しかし、困っているという概念すらわかって

   いなければ、困ったときはこうしょうと対処法をいくら教えても、対処法を使える

   ようにはならない。(困ったことの認知と対話力) 自分自身が困っいる位のことがわかっていて

   当然であるという誤解が、子供たちへの支援を遠ざけているのである。

   就労しているASDの成人と話していると「困ったら伝えてくれないとわからない、とよく周囲

   から言われるけれど、自分がいつ困っているかがわからない。どういうときが困っているとき

   なんでしょう」と問いかけられることすらある。(周りの空気が読めないことのつらさ、不安)

   このような自己開示は、筆者のような色んな経験、信頼関係があれば出て来るのであって

   資格があるからといって聴けるものでないことを痛感し自分ももっと研鑚を積まなければと

   痛感しました。あるNLPの専門の方が東海HESSO言っていたように「本人が気づいていないこと

   (良いこと、改善点などから指摘できる)の指摘が大切」を想起

   今回以前の連載記事で、ASDの子供たちは自分自身感情を理解することが苦手であることを

   取り上げ、彼等の身体内に湧き起きるものが、どういう感情で、それがどのような経路を

   たどって行動に繋がっていくのか内省することを苦手としている。

   感情と同様に「困っている」という感覚も自然に覚えるようではないようで、自分の感覚が

   どういうときに困っているのか、教えないとわからない。

   「教える」とは、どんな方法でなくて(マニュアル的な方法でなく)、ハンディのある人の心に

   添った愛情がこもった指導が不可欠と思います。相手の成長の喜びを仲間と共有し合うことが

   当人のストレス解消に進みます。

   ところが、ASDの人たちが、自分がわからないことを伝えても、「何でわからないの」

   そんなことは自分で考えなさい。」と言われることすらあるとのこと。こういう周囲の

   不適切な対応な(意地悪な)対応が困ったときの対処をやりにくくしてるようであると。

 

        ▲困ったときにどうすればいいのか

   よく保育園や小学校の現場の先生方と話していると

   「子供がパニックになったときどうしたらいいでしょう?」という質問を受けるとのこと。

   基本的にはパニックにならないようなわかりやすい指示や状況をつくる というのが原則

   だが、それでも集団を対象に保育や教育をしている場面で、あるこどもがパニックに

   なったり、固まって動かなくなったりしますと、保育士や教員としてはとても困るに違い

   ない。その時の相談にはのるが、こうすればよいという万能策があるわけではない。

   あくまで基本的には、まず*ク-ルダウンしてもらいましょう、という程度の内容である

   ことが多いとのことです。(*冷静になる)

        こんな時の対処法は? いざそのときに何かをするのは難しい。

   困っているときは、このような対処法をするとうまくいくことになるというひな形を

   教育的に教えておくことが必要だということになるとのこと。

             ある場面で教師自身がとっさに絶妙な対応ができるようなスキルを磨いておくことも

   大事かもしれないが、子供自身がうまくやるための対応を知っておくことが大事とのこと。

   子供としても、困ったときにどうすればいいのか、それがわからないままにうまくやれと

   言われても、ますます困るばかりなのだから。

     執筆者の方々が取り組んでいる教育的プログラムについては以下のとおりです。

   このプログラムは、自分自身が困っているということが、説明されて一応理解できる段階を

   対象としているとのこと。一般には、小学低学年から中学年以上が対象となる。

     このワ-クショップを実際にやってみて、子供は困っているということがわかって

   いなかったと判明することがあるとのこと。そうなってはじめて保護者や教師の対応が

   改善したというケ-スも多いとのことです。(貴重な実証例です)

       「 うちの子供は、そもそも自分が困っていることがわかっていなかったんですね。じゃあ

   厳しく言っても仕方ないですよね。こちらが落ち着いて、どしたらいいかを教えていった

   方がいいですね」と保護者が語ることも予想以上に多いとのこと。

   このような一番土台になることをしっかり確認された方々にとっては「まさに目から

   鱗が取れたような体験をなされたようです。

      ▲対処のためのワ−クブック 

   NPO法人アスぺ・エルデの会では、ASDの子供達を対象に、「どうすればいい こんなとき

   あんなとき」の作成を行ったとのこと。このワ-クブックは困った状況に遭遇したとき、

   とくに固まってしまうような反応を示す子供達を主に対象にしているとのこと。-----

        登場人物が困っている状況に遭遇してしている絵をみながら「この子はどうしたのだろう」

   と問いかけ、主人公が今どんな状態であるのかを考えてもらう。そして困るということは

   どういうことなのかについて、そのときの身体感覚や気持ちの変化を言葉で振り返り

   ながら、この困るということの概念的な理解を進めていく。さらに次の段階として

   困ったときは、まずどうしたらいいのかといった具体的な対処法を学んでいくとのことです。

   ●このような堅実な訓練がなされると、青年期以後の試練の時、活かされることがあると

    痛感しました。(鉄は熱いうちに打て、物事は、ことが起きて後手にまわるのでなくて

    教育すべきときにこの事例のような堅実な対処の必要性の認識です)

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                      生け花としては、季節はずれかも知れませんが、中心軸がしっかりしている

     ことが上記の話に合致していると感じて、挿入しました。    

     アルストルメリアと梅です。

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また就労、解雇等労務管理上の法的クリア(コンプライアンス)や労働者のメンタルヘルス、労災事故から守る安全衛生対策などの指導、助言も行っています。

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