6月18~ 20日 部下をもつ人の職場の人間関係 その2
< 「リ−ダ-」についての誤解 >
1 機能するリ−ダ-
すでにその1でのべましたように、リ−ダ-としてのタイプ(性格)とし「毅然としている人」
「人情味がある人」、「苦労してきた人」などは個性であって、肝心の「リ-ダ-として
本質的に必要であるものは何であるか」には該当せず、リ−ダ-としてのよし、悪しは、どんな
タイプ、性格がよいとか特定せず、いずれにせよ「リ-ダ-として機能するするか否か」
による、そのことなのです。その成否は部下の働きが上司の意図をくみとった効果的なもの
であるかによるとその1に述べました。
2 叱ることの意味
きちん叱れるリ−ダ-がよいと言われることもありますが、しかし筆者はそれでリ−ダ-としの
機能を高めることになるかとの筆者の問。
叱るの意味は「目下の者の言動の良くない点などを指摘して、強くとがめる」
( 国民を代表する地位にありなから、批判に耳を傾けたかのような下手たな演技をし、次々と
嘘を垂れ流して平然としている政治屋はそれ以上の咎めを受けるべきです)
次の精神科医らしい筆者の言葉は、職場のパワハラと思しき上司の方々に傾聴して頂き
たいと思います。「批判的に、且つ強く、相手の非をとがめること」
「 目上から強くとがめられることは、人の心身に衝撃を与えます」
「衝撃とは、「心が受ける傷」ということもできます」と。
私自身もパワハラと思しき八つ当たりに近い叱責を受けたことがありますが、色んな人の
いる前で、「やる気がないとか、何々が下手とか」何を根拠にそう思ったのか、只
その時の虫のいどころが悪くて怒ったみたいで、強い反感しかのこりませんでした。
こんなタイプの人は、組織を取り仕切る資格なしと直感しました。
まさに、以前元トヨタ自動車の産業医の浦上先生が「自分の心をコントロールできない
人は役員として推薦しない」の言葉に合致します。
ここが大切なポイントと思ったら、双方向の対話が不可欠です。筆者にもご指導して
頂いたI messageなのです。「あなたの日頃のこんな努力に感謝します。でも今回の
こんな対処の仕方について、私はxxのように思いますがどうでしょう。」
このような双方の立場を尊重する民主主義社会で交される対話がアサ-ションなのです。
3 ほめることで人は伸びるのか
上記とは逆に、褒めればいいのか?についての問題提示です。
叱るよりも「ほめて育てる」という考え方が確かに浸透しています。
しかし、「褒めることは万能ではない」との筆者のご指摘。このことについての筆者の
以下のような見解があります。
何らかの成果を単にほめると「さらに高い成果を上げなければ」 「常に同じレベルの
成果を出していかないと失望されてしまう」などと自分を追い込んでしまう人もいるから
とのことです。そのプレッシャーが、そのまま仕事のストレスとなって、心の病気につながる
ことすらあるとのことです。こういう例が現実に多く存在するそうです。
次の筆者のアドバイスはとても参考になります。
「部下の力を伸ばすためにほめるのであれば、成果でなく努力のプロセスをほめる方が
安全です。」たとえ期待した成果が出なくても。
このような場合ですと、コ-チングスキルが有効と直感しました。
上司の本人の努力過程の質問について部下が答える方法の実態に上司が寄り添って
随時質問しつつ共に考える中で部下に気づきが生まれ、次の機会にステップアップする
道が開ける可能性があるからです。暖かい傾聴と質問の成果です。
▲ ある人の成果をほめた場合、他の人はどう思うか
このような心遣いもなるほどと感服しました。
特に女性同士ですと、しっともありますし、なかには落胆する場合もあり得ると思います。
自分も頑張ろうならいいのですが、「どうせ頑張ってみても自分はだめ」「上司は出来の
良い人しか関心がない」など。
しかし、うまく成果が上げられなかったが、その過程の努力をほめること。この対応の
もっていき方ですと、「自分も頑張ってみよう」という促し効果が期待できそうな気が
します。これも部下の育成で参考になります。
それと「今回成果が発揮出来なかった人にも上司が期待を寄せていることを示した方が効果的
です。」の一言も胆に銘じておくべきことと痛感しました。
4 人を従わせるのがよいリ-ダ-か?
リ−ダシップの発揮とは、そのリ−ダ-が目指す方向に強引と言われようと、部下を従わせる
ということと誤解されがちとの筆者の指摘。時として緊急な時など、そのようなことも
必要なこともありますが、それが日常に於いて常態化すると「指示されていないから
やらない」という部下の無力化、無気力化、消極化に陥り、本来部下に備わっている
能力を損ねてしまうと筆者の指摘通りになりかねません。
言われたことしかやらない部下になっしまうしまうことになります。
すでに筆者が言及した「怖れ」にとらわれているリ−ダ-は守りに入りがちになって
指示命令スタイルの硬直化です。
この怖れとは、「もしもXXしたらどうしよう」という不安な強迫観念に振り回されて
しまいます。こうなれば、リ−ダ-が仕事を抱え込んで過労になったり、部下に、自分の
やり方を押しつけたりします。それでは、当然部下は自発的に動くことは出来ませんし
仕事を任せることにはなりません。怖れにとらわれたリ-ダ-は、いらだち、焦り、不安
無気力感、猜疑心(信頼できない)、警戒感を抱くことになります。
それらはリ-ダ-部下共にストレスになり、リ−ダ-としての機能は発揮できません。
▲ 「怖れ」を手放せばうまくいく
でも窮地からの脱出の道はあります。このような「怖れ」のリ−ダ-の対極には
「機能するリ−ダ-」があるとのこと。
「怖れ」のリ−ダ-も冷静さを取り戻し、180度視点をシフトすることで脱出の道が開け
ます。この時、リ−ダ-が一人で悩んでいてもなかなか脱出は困難です。
こんなときこそ、カウンセリング、コ-チングを受けると貴重な気づきが生まれ
光明がさしてくることがあると私は思います。そして上司が方向転換することで
上司、部下ともに心が癒されて信頼関係も回復出来得ます。
なお、筆者は他の感情についても次のように述べています。
人間の感情とは生物としての人間に備わった自己防衛能力とのこと。例えば不安を感じる
ことは、「安全を確保されていない」ことの知らせ。新しいプロジェクトにとリ汲む
時などは、不安を感じます。そんな時、リ−ダ-によって明暗がはっきり分かれます。
怖れのリ−ダ-が、不安から緊張して部下にピリピリと部下にとって不快な態度をとる
のに対して、「機能するリ−ダ-」は「これは新しい体験だから不安になって当たり前、
みんなで力を合わせて頑張ろう」と軸をしっかり定めることができ、部下もそれに
共感して頑張る気になります。(さらにその時この新しい試みをクリアできると
どのようなステップアップを期待できるのかをつげるとモチベーションを上げれると
思います) 他の感情についても、まずリ−ダほが自己の内面を振り返り、なにが不満
なのか、何が心配なのかよく考え、その上で効果的に部下と関わるのが「機能するリ−ダ」
との筆者の見解です。この効果的に関わるコツこそ、上司のコミュニケーション力であり
人間力(信念、愛情、誠実さ)である私は思います。
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担当:佐野(さの)
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