8月21~22 日 再休職や長期休職の原因と対策 月刊社労士8月号より
国立精神・神経医療研究センタ-病院 平林直次先生執筆
ゆりとトラの尾の組み合わせです
メンタルの病状が原因で休職を繰り返す再休職や休職が長期化する長期休職するうつ病の
例では、先月号では、復職を望む本人、、病気の軽快を判断する主治医、労務担当者間の
「視点のずれ」について先生からのご指摘がありました。
今回では、さらにそのような再休職や長期休職の別の原因について言及されています。
昨年春ある西区の精神科医の先生に初めてお会いしたとき、初診の際に、その患者が主訴の
他に存している病併状のことを話されたことをこの記事から想起ししました。
主訴の背後にある病状のことをなおざりにしておくとどんなリスクを本人や本人に関わる
家族、事業所等を負うのかを考えさせて頂く事例研究資料と痛感しました。
うつ病の背景に、もう一つ精神障害が存在する場合です。その代表例は、発達障害
境界知能、パ-ソナリティ障害、アルコール依存症などとのこと。
*この境界知能とはIQ70~84の範囲の人のことをいいます。
このレベルでは、健常者のレベルに入りますが、IQ85の発達障害者より低いというこです。
うつ病から回復後も存在し、しばしば再発を引き起こします。ここでは、筆者は注意欠陥
多動性障害(ADHD)を例示しています。(うつ病の再発もあれば、併存する他の病状も再発あり)
再休職例~注意欠陥多動性障害
Aさんは入社以来12年間営業職として真面目に務め営業成績がトップになるこもあり、
販売部門のチ−ムリ−ダ-に昇任したとのこと。それまでの得意先まわりから、部下の勤務管理、
売り上げの集計、年間目標の作成などに、加えて製造部門との会議など管理職しての業務が中心に
なりました。間もなく深夜まで働いても仕事が終わらず、ミスも目立つようになり気分は憂うつで
帰宅しても仕事のことが頭から離れず眠れなくなりました。精神科では「うつ病」と診断され休職
しました。薬を飲むようになって軽快し、3カ月後に復職しました。
しかし、復職して1カ月もするとうつ病が再発し、休職に陥りました。
2度目の休職ということもあり、大きな病院を受診したところ、うつ病に加えて注意欠陥
多動性障害(ADHD)と診断されました。
ADHDのAさんは、長期的な目標を立て計画的に業務を進めるむこと、部下の能力や特性
に応じた業務を割り振りする(要因管理)など管理職としてのマネジメン業務に適さないことが
判明しました。ですからこのようなADHDは、うつ病が軽快しても背景にそのADHDが存在し
業務がこなせず うつ病再発もあるのです。ですから、一口に「復職よろしい」の許可が出ても、
本人の病状の実態を精査した上で、適切な仕事を選択することの慎重さが問われる事例です。
背景にある精神障害を見つける
Aさんのような背景にある精神障害をみつけるには、心理検査やリワ-クプログラムでの
行動観察が有効とのことです。長年にわたり仕事をこなしてきており、軽症であることも多く、
職場でも気づかれていないこもあります。しかし、昇進、異動、業務の変更などを契機として
しばしば顕在化するとのことです。従って再休職、長期休職の場合、その原因を明らかにする
ことが欠かせないとの指摘は、転ばぬさきの杖としての意味をもつ貴重やリスク対応と痛感
します。
背景にある精神障害に対応する
背景にある対応にある障害者の特性に応じた「個別性・専門性の高い復職訓練」や「業務の
見直し」を含めた職場との綿密な連携」が必要とのご指摘があります。
このことは、走者に例えると、短距離走者、長距離走者に優劣をつけるのでなく、大事なのは
両者の適性を活かすことにある。そんな内容です。
Aさんの場合、復職に当たり、本人の 特性に配慮した職場選択や業務の見直しが必要であり、
再休職や長期休職の予防に有効とのことです。そのためにには、次のことが必要とのこと。
心理検査や行動観察を踏まえ、医療期間と職場との間で綿密な情報共有が必要になります。
医療機関は本人及び職場の担当者から職場環境や業務内容の報告を受け職場へのアドバイスを
行います。筆者の医療機関がその例です。
から以上の記事は、すでに受診中の方にとっても、また今回筆者から提示された状況に関わる
方々にとって貴重な情報と痛感しました。
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担当:佐野(さの)
愛知県名古屋市・日進市を中心に活動する佐野カウンセリング社労士オフィスです。
当事務所では、職場や家庭などの人間関係、仕事の重圧などに起因するストレス、悩みに対するメンタルカウンセリング(認知行動療法を含む)を行っています。
また就労、解雇等労務管理上の法的クリア(コンプライアンス)や労働者のメンタルヘルス、労災事故から守る安全衛生対策などの指導、助言も行っています。
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