11月14〜15日 働く理由の見つけ方 その2 粟津恭一郎先生執筆
その1の終わりで、「社員とその仕事の影響を受ける人々をつなぐ」ことで米国の
グラント教授は、それにより社員の業績パフォ−マンスの向上を明らかにしています。
この教授等は、大学の資金調達担当者を対象に実験をしたとのことです。その内容は
奨学金を得て勉学した卒業生から如何にして寄付金集めの実績を上げるかということ
でした。
資金調達の担当者の仕事は、大学の卒業生に次々と電話をかけて寄付金を集める
という仕事でした。これは、同じ繰り返しであること。電話した相手の態度によっては
いやな思いをすることがあるなど仕事を長く続ける人は少なく、年間の離職率は
40%を越えていたとのこと。
調査のために、グラント教授らは、資金調達担当者を2つのグル−プに分け、一方の
グル−フ゜だけ、奨学生に直接会う機会をつくったとのことでした。
その奨学生は、「担当者の仕事が自分への奨学金となり、それが自分の人生にどのように
影響を与えたか、どれだけ担当者の尽力に感謝しているか」を5分間伝えたのです。
(奨学金の有り難さに喜びの謝意を表明した)
すると奨学生の訪問から1カ月後、奨学生と直接会ったグル−プは、1週間に電話を
かける時間が平均142%増え、獲得した寄付金は、平均171%増えたとのことでした。
何もしなかった他のグル−プは変化なしでした。
◎ この事例から寄付金集めの担当者は、5分間の相手からのフィ-ドバックによる
自分の仕事の価値が承認され、モチベーションがかなり向上し、その結果実績も
著しい成果を得られたことが分かります。
他にもこの教授は「社員とその仕事の影響を受ける人々と直接つなぐ」ことによっても
業績向上した企業のこともこの論文で紹介したとのことでした。
後日粟津先生がAさんにこの論文を紹介すると、「私は商品開発部を成功させるために
社員の意識をお客様の方に向けさせ続けたい。しかし、私一人の力で実現させるには、
無理があります。
この論文を読んでお客様の力も借りればいいと思い、気持ちが楽になりました。
お客様の先に、まだお客がいる。そのような*エンドユ−ザ−をお呼びすることに
しました」と話したそうです。
◎上記の4行からこのAさんについて感じたこと
ここのAさんの言葉から、Aさんがお客さんから学ぼうとする謙遜さを感じました。
営業サイドの人々は、自分たちの視点から一方的に聞かせ売り込もうとする
電話に私は、日々うんざりしています。
「あなたは、今どんなことで困っていますか」こんな質問も大切なポイントと
思っています。そこから、「私ならこんなこと、あんなことが出来ます」という話が
できれば対話が進みます。相手の仕事のことをしっかり勉強した上でないと、
営業成果は期待困難と痛感しています。
*エンドユ−ザ−とは商品を使う人、利用者のことです。
▲ 仕事に情熱をもつためにできること
筆者がいうには、「仕事に情熱をもって取り組んでいますか?」という質問に
今はYesと答えられない人でも、入社前は1人のお客様としての視点から
「この仕事に就いたなら情熱をもって取り組めるだろう」と期待をもって
今の仕事を選んだ人も多いのではないでしょうか。
ところが「お客様」からはなれた部署に配属となり、組織内で細区分された
仕事だけに没頭しているといつの間にか「お客様」の視点が薄れ、それと共に
取り組めなくなるでしょう。
「〇〇兆円という中期計画を実現するために−−−」
「今年の業績目標を達成するために−−−」といった話が直接「働く理由につながり
にくいのはそこに具体的な「人」を感じにくいからではないでしょうか?
と筆者は問いかけています。
それに対してAさんの「人」を感じさせるのは成功例です。
次の筆者の指摘は、胆に銘じて置くべき内容ぷと感じました。
しかし、上司に頼らなくても「自分と自分の仕事の影響を受ける人々とをつなぐ」
アブロ−チはある程度自分でもできるのではないでしょうか?
と各人の行動を促しています。
うまくいくと想像外に「働く理由」を発見することが゛きるかもかも知れませんと。
◎ この箇所、上司に頼らなくても「自分と自分の仕事の影響を受ける人々をつなぐ」
アプローチは、ある程度自分でも−−−−
この箇所を読んでいて、私がすぐ思いついたのは、NPOのような介護福祉の施設と
病院の現場で働くスタッフと利用者である患者との関係です。
日進市の障害者の自立支援協議会の一員として参加していて、いつも意識しているのは
「障害者に対する合理的配慮」です。でこの言葉は国連の専門協議会で出てきたそうで、
原語はreasonable accomodationと「教育と医学」の書
に出ていました。
この意味は、上からの目線でみているのでなく、障害者の目線でよく観察しながら、
彼らと対話して「心地よく感じる居場所」を提供することを意味するものと私は
捉えています。
accomodationとは「必要な食べ物を与え、安心して気持ちよく休息できる
宿泊施設のことなのです。ともかく弱い立場の人への配慮にも当てはまると思います。
例えば、私が毎年消化器の検査でお世話になっています名古屋市の官庁街にある
M総合病院。
私がお世話になった病院の中で、一番好感をもっています。(もちろん私の体験した
限りのことですので偏りもあるかも知れませんが)医師、看護師の方々も親切で患者、
利用者のことをよく気遣って頂けて感謝です。先週人によっては、検査がとても
きついと感じられる大腸検査もここで初めて受信しました。検査の予約前に
ベテランの看護師が私が事前に心配していることを聞き出して、担当の先生に伝えたり
して検査に備えて頂きました。
ここの病院内の水圧が自宅のトイレの水圧よりずっと低くて、これでは、検査前の
排便が困難なことも伝えました。しかし、当日の下剤薬は、私のことを配慮したのか
分かりませんが、とても効き目がよく、トイレの水圧を気にしなくてもしなくても
すぐ排便できました。
また、検査時でも、お腹が張って苦しい時も医師がうまくガス出しを促すなど
手際よくされました。
なお小さいポリ−プ゜を切除して頂きましたが、安心してその様子をTV画面でみて
いました。検査の後の看護師が丁寧に食事のこと、出血防止の対応など適切に説明し、
こちらの質問にも即座に歯切れよく答えて頂いてすっきりしました。
チ−ムワ−クの良さと、医師、看護師共に臨機応変に患者のことを気遣って頂けました。
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担当:佐野(さの)
愛知県名古屋市・日進市を中心に活動する佐野カウンセリング社労士オフィスです。
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