1月10〜11 日これからの障害者雇用と就労支援(1) 大人の発達障害の理解と具体的支援

  1月10〜11日 これからの障害者雇用と就労支援(1)大人の発達障害の理解と

           具体的支援

          筑波大学 医学医療系 助教授 宇佐見 和哉先生

          ADHD (注意欠如多動性障害)とASD(自閉症スペクトラム障害)

          について

   私は、上記のテ−マについては、日進市内のNPO、名古屋市の引きこもりの集会と関係が

   あり、昨年8月からは日進市の障害者自立支援協議会の委員にも委嘱して頂き、この会議、

   および その傘下の就労部会でも、私なりその筋の具体的支援策についての提言も検討して

   います。 その趣旨からして今回の宇佐見先生の記事は参考になります。

   但し私自身は、このような障害者の問題も、大人になってからの就労だけで考えたり、

   逆に乳幼児とか、学童期といった限られたスパンて゛見ていくのででなく、

   「森をみて個々の木々、枝葉を観察する」という見方をしたいと考えます。

   先週金曜日に最近特に発達障害の特別支援学級に

   精力的に取り組んでいる市内の「あいあいの家」の雇用保険に関わる仕事をした後で、

   役員の方と長いスパンを見渡して対処していきましょうということで共通理解がもて、

   また、ここで指導している

   発達障害の子供さんがADHDの弱点をどのようなグル−プ指導で将来普通学級に

   はいっても他の生徒とうまくいくように対処しているのか話して頂き、現場を

   観察したくなりました。

   以下に筆者の記事を紹介します。

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        葉牡丹に季節はずれの彼岸花を組み合わせてみました

  1 大人の発達障害への具体的対応

     筆者は、次のような事例の問題提示をしています。

 入職1年目の男性Cさんは優秀な成績で採用されたとのこと。もの腰は柔らかく丁寧で、

 指示されたことに対して熱心に取り組んでいます。指示後しっかりした書類をまとめますが、

 期限が先の仕事を頼むと抜けることがあるとのこと。机の上は常に汚く、ぺットボトルの

 飲み残しを置いて帰ったり、書類を紛失することが時々あるとのことです。そのようなこと

 に対して何度かやんわりと注意したことがあるとのことすが、「すみません。片づけます」

 というものの、数日後には同じような状態に戻ってしまうそうです。

      そんなある日、1カ月前から頼んでいた重要書類の進捗を確認したところ、彼の表情が

 みるみる青ざめて「すみません。まだ手をつけていませんでした」と発言しました。

 こんな人に対して、あなたなら、次の3つのどれの対応の仕方をするのか、筆者はそんな

 質問をしています。

 ① 「何のために1カ月前から指示だしたと思ってるんだ、いい加減にしろよ!」と感情に任せて

    怒鳴る。

 ② 「君さぁ、そういうとこ時々あるよね。もいいよ、今回は俺がやるから」 と愚痴を

   言いつつカバ−する。

 ③ 『俺も確認が遅かったしな。これに集中していていいから、できるところまで

     仕上げてくれ」と。

     なぜこうなったか振り返りながら今出来ることをさせる。

   ▲ 私のコメント

    ① では、ADHDの特性を把握せず、ただ仕事をしないことで、感情的になって

    相手を叱責するだけで、相手を萎縮させるのみでは、筆者の言うように新たな

    ミスを誘発することになりかねません。立ち直ることへの配慮に欠けています。

    上司が高い目線で話していては、障害者の育成は不可です。上司も部下のハンディ

    を学ぶ姿勢が不可欠です。

    ②  では、本人の気持ちをほぐし、楽にしてくれる効果はありますが、上司が代わって

     本人の仕事をやるようでは、依存心を起こし、自立支援になりません。

    ③は、望ましい対応策です。

    ● なるべく本人が、成功体験を通して自信をつけるよう指導助言することる

    ● そのためには、仕事の指示をなるべく一本にしぼって、上司がその進捗状況を

     日報に 書かせ、随時チェックし、褒めたり、アドバイスしたり、激励することも

     可能な限り実行することが本人の育成にとって欠かせないと思います。

    (2) ポジティブな言動を心がける

     筆者は重要なポイントとして、発達障害者に対しては、批判的な言動をなるべく

     用いないことと指摘します。特にASD( 自閉症スペクトラム)では社会性の

     障害のため、その場にそぐあない対応をしてしまいがちとのこと。その際に

    「そんなことではダメだ」「何を考えているんだ」など

     ただ叱責されるのみでは、なぜ自分が注意されたのか理解できません。叱責した

     相手に対し被害的な感情を抱くこともあるとのことです。また、発達障害の

     特性により、幼少時から人と うまくコニュニケ−ションがとれないと悩んだり、

     周囲から「あなたは変わっている」などと 批判されたり、いじめられたりする

     など辛い思いをしながら育ってきた方も多く存在します。

     大人になるまで発達障害と診断されなかった人の中には、何故周囲とうまく

     付き合えないのか 悩み、「何をやってもうまくいかない自分なんか、生きている

     価値はない」と真剣に考える人もいるとの先生の指摘。そのような人々は、

     批判的な言動にとても敏感に反応するので注意が必要とのこと。

     単に批判的な言動で叱責するだけでなく、何が問題であったのかを本人に

     分かるように伝え、改善を促すよう具体的に助言することが必要と述べています。

     ここでふとわたしが想起したことが二つあります。一つは、私が30歳代のとき、

     倫社の授業を担当し、青年期の問題について話していた頃、高2のある女子生徒が

     不登校の傾向があり、

     ある時宿題として担当クラスの生徒に書かせた作文の中で、彼女作文が際立って

     いました。

     几帳面な字でしっかりと自分の内面が正直に書いてありました。

     「人は優しそうな顔をしていても、いざとなると他人を傷つける。人を信じては

     いけない。信じるとかえって悲しい思いがする」これを読んだ後、不用意に

     彼女に「あなたと話がしたい」と申し出たけれど、断られ、その二三日後

     自殺しました。

      もう一つの例は、先週金曜日初めの当たりに書きました市内のNPOの

     役員の方から伺った話です。不登校の女の子を一時、お宅に引き取っていたとき、

     その子が夜中に泣き出したそうで、その理由というのが、「私が復学すると、

     級友がうれしそうな顔をしてわたしを迎えてくれる。それが怖いのです」この子も

     人間不信、対人恐怖症を感じました。

     何らかのトラウマのようなことがしこっていると、成長してからも問題を起こします。


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