10月28〜29日  認知症でも働けます AERA11月2日号より

    10月28〜29日 認知症でも働けます  AERA  11月2日号より

                 仕事をしながら社会と共生          

    認知症と聞きますと 、家族の名前も忘れたり、突然暴力を振るったり、勝手に

    徘徊するうちに行方不明になるなど家族にとって大変な負担になっています。

    しかし、この記事を読んでいると、認知症の人々でも、全ての感性、理性、意欲を

    喪失しているわけでなく、仕事をしながら立派に周辺の社会の人々と共生している

    姿にとても興味をもちました。  自分の住んでいる日進市でも

    何か工夫すればやれそうな気もしてきました。

    以下若年認知症で建設現場の職場を解雇された青山仁さんに関わる記事を

    紹介します。

    10月中旬、東京都町田市立小川小学校にある「腕白学童クラブ」を訪れた。

    ラガ-マンみたいに体格のいい「おじちゃん」の姿を一目みるや児童の歓声が

    上がった。「あ、青ちゃんだ」  青山仁さん(55才)は、一寸照れ気味に

    「おう」と応えた。 彼は3年前、認知症と診断された。今は、市内のディサ−ビス

       「DAYS BLD」(略称BLD)に通う日々だ。 ここでは利用者でなく、「メンバ−」と

    呼ばれる。それぞれが、自分の好みで選ぶ様々な仕事や社会的貢献活動に精を

    出す一員だからだ。

        <解雇され、自殺も考えた> 

    この日のミッションは、クラブの前にある畑の清掃。児童とBLDのメンバ−が力を

    合わせ、青い実をつけたまま枯れ始めたトマトを株ごと抜いた。雑草もきれいに

    抜いた。トマトの酸っぱい香り。「わっせ、わっせ」 児童は掛け声を合わせ

    ながら、山盛りの草などを運び出した。青山さんは、「はい、次こっち」

    「ほれ、がんばれよ」とやさしく声をかけた。

        一段落するときれいになった畑は、たちまち子供のあそび場に。青山さんもバッタとり

    に参戦していた。手の平いっぱいにどんぐりを集めた女の子には、「ずいぶん一杯

    もってるじゃないか」と声をかけ、笑った。一緒にどんぐり探しに興じると、別の女の子が

    「青ちゃん、ちょうだい」と寄ってきた。指導員の本山久美子さんは、「今日みんなくるの

   、と楽しみにしている子もいます。もっとも、プロレスごっことか、掃除の後の後の遊びが

    メインの目的みたいで。祖父母が遠方にいる子供もいて 、大人が遊んでくれるのは

    すごくいい機会だと思っています」

        BLGを運営するNPO「町田市つながりの開」の理事長の前田隆行さん(39)は、

    「今、青ゃんは学童保育の子供達の人気者です。レストランや給食、病院の食事など

    で提供する玉ねぎの皮むきや洗車など、あらゆる仕事や活動に積極的に関わって

    くれます。以前の青山さんの姿からは想像できない位変わりましたね」

        最初に出会った頃の彼の表情が暗く、やせて、げっそりしていたと前田さんは

     ふり返る。 かって彼ては建設工事現場で働いていた。仕事でミスが続き疲れている

     だけと思っていたら、病院で若年性のアルツハイマー型認知症と診断された。 

     解雇され、社会から断絶された気分になった。診断前に離婚していて孤独感も募った。

     自殺を考えるほど、気持ちが沈みこんでいた時もあった。その時は娘につらくあたった。

     もう一度生きる意欲を取り戻したのは、BLDに通い始めて、「誰かのために働いたり

     こうした活動があったりしたから」と青山さんは言う。

    ◎ ここの青山さんの認知症を自覚しつつも、生きる意欲を取り戻した決意について

     自分の親が卒中で倒れた後ボケてしまったことを想起しますと、この人にまだ

     健常性が生き続けていたことに『目から鱗が落ちた」ような感動を覚えました。

     このような意欲を取り戻せた大きな要因には、小学校児童とのボランティア活動と

     その児童との交わりを通して社会に貢献できる自分の存在価値を十分味わうことが

     できたこと、もう一つは、この後で紹介します認知症の仲間による「洗車の作業」に

     よって収入を得ること。このことも認知症の人々にとって大きな働ける喜びであり

     自信につながります。勿論これらの活動の背後にはNPOの前田さん等の熱い

     支援があってこそ実現出来たのです。 

                          

P1010123カサブランカとチン菊.jpg
カブランカと菊のコラボ

          < 問題は病気より偏見>

     認知症というと今なお「何もできない」 「困ったことをする」 「すべて忘れる」と

     いったレッテルを貼られがちだ。本人にとっては、認知症と告知された途端に

     社会から取り残され、「早期発見、早期絶望」につながりかねない。

     「 日本認知症ワ−キンググル−プ」共同代表として、認知症の当事者の立場から

     発信を続けている、埼玉県川口市さひこ在住の佐藤雅彦さん(61)はインタビューで

     言う。「私たちは、認知症の人につけられたイメ−ジや誤解に苦しんでいます。

     私たちが何に困っているかというと病気そのものよりも、社会の偏見なんです。」

     私たちのまわりには、認知症に対して不安を駆り立てられるようなニュ−スが

     あふれている。「徘徊」という用語。認知症700万人時代など。」

     不安が先に立つと人々の目は認知症の人への監視ばかりに向かってしまう−−−。

     上記のBLGを運営するNPOの前田さんは、こう考えているとのこと。

     「認知症と診断されたからといって、ただ介護されるだけの存在になるわけじゃない。

     まずその人が生活者であることを取り戻して”生活”を継続していく。そのための

     サポ−トが必要です。当事者との接点を増やしていきたい。」

     (この短い言葉に認知症の方々が管理される物としてでなく、自尊心をもった

      人間としての再生を目指す意気込みを私は感じました)

     BLGのメンバ−は、季節ごとに市内の複数の学童クラブで開催する紙芝居の読み

     聞かせイベントにも参加している。クリスマスには、サンタの格好して出かけていった。

     読む物語は認知症をテ−マにしたノンフィクション。そこに絵をつけたのは子供たちだ。 

                  <洗車1カ月で1万円>

     青山さんは紙芝居担当でないが、イベントにはついていく。他のメンバ−と共に毎回

     「覚えておいてね」と自分の名前を子供たちに伝えている。今夏の読み聞かせでは、

     昨年も参加した小学2年生が「この前ね、そこの道を青ちゃんが歩いていたから、

     手を振って”青ちゃん”って声をかけたよ」と話しかけてきた。青山さんは、「何かね、

     ほっとした」と笑顔で応じた。最近道に迷うことがある青山さんだが、こんな可愛い

     「見守り」があるなら、町を歩く楽しみもある。「認知症なってよかったとは思えない。

     でも今は楽しい。幸せです」

      一昨年から、BLGでは洗車の請け負い仕事も始めた。朝10過ぎ。BLGの隣にある

      自動車販売店「ホンダカ−ズ町田東店」では、赤いブルゾンを着たメンバ−5人が

      黙々と働いていた。展示する車一台々に水をかけて拭き上げ、ピカピカに

      仕上げていく。杉本欣哉さん(63)の余りに丁寧で手早い仕事ぶりに驚いた。

      もともとは、自動車メ−カ−の営業マンだった。表情も真剣そのもの。声をかけて

      いいのかためらっていたカメラマンの様子に気づくと、にっこりして撮影に応じて

      くれた。この仕事もNPOの前田さんが販売店に働きかけて一年半にわたる交渉の末

      獲得した仕事だ。全員で毎月計一万円の謝礼をもらえるようになった。この東店の

      チ−フ小林さんは、町の良き理解者だ。BLGに委託してからこれまでの間、全く

      心配はなかったという。ただ、スタ−ト前は「仕事をお願いして体調に影響はないか」

      「車に傷つけるのでは」といった反対意見もあり、「社内説得だけでもだいぶ時間が

       かかった」(小林さん)

      販売店の窓口スタッフのこのBLGに対する見解は次のようです。

      「ト−タルでみれば、うちの販売店にとってメリットはメチャ大きいです。

      CSR (企業の社会的責任)的意味合いだけでなく、私たちスタッフも、洗車の仕事を

      肩代わりしてもらうおかげで、朝の貴重な時間を事務仕事や販売活動に割くことが

      できます。認知症の人も社会経済活動に貢献していくのが当たり前の世の中に

      なると日々実感しています。」

      ◎ BLDの人々の洗車の仕事についての感想

       認知症の人が洗車の仕事をするなどとても想像できません。

       「敬服しました」の一言です。

       とは言え、このような健常者並の仕事ができる背景には、お二人の方の貴重な

       ご尽力の賜物と痛感します。それにしてもNPOの前田さんは1年半の交渉の

       結果ですから、ただ忍耐強いだけでなく、認知症の人々に対する愛情と信念が

       あればこそと思います。それと受け入れ先でのリスク対応とか障害者の方々の

       体調管理等配慮も大切ですし、よくおやりになったと思います。

       それと共に、受け入れ先の小林さんのご苦労も当事者の方々にとっても

       とても感謝なことと思います。認知症の方々に対しては「ただよく頑張られた」

       以上のことを私は述べたいです。「ご健康に十分注意されて、今の成功体験を

       活かしてください」と。 

              <追加速報 共同通信10月31日の認知症初期集中支援チ−ムの全国の

          自治体の設置進捗状況の厚労省の調査報告>

        政府は、この支援チ−ムの設置を本年度中としていたのに、その実施、ないしは

        設置予定とした市区町村は全国自治体のまだ17・6%にとどまるとのことです。

        今後2030年の頃になると日本の総人口の約40%は、65才以上とのこと。

        政府の優先順位感覚がどうなっているのでしょうか?

        PLAN DO CHECK ACTIONは企業のみならず、都道府県、

        市区町村でもやっています。このチェックは適切にメリハリを効かせて

        実施すべきなのに政府のかじ取りが機能せずこんな10月末に公表して

        市区町村に催促してもピント外れの感じがします。

        行政当局のまずいかじ取りのつけは国民に負わせることになるのです。 

 

 

 

 

 

 

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愛知県名古屋市・日進市を中心に活動する佐野カウンセリング社労士オフィスです。

当事務所では、職場や家庭などの人間関係、仕事の重圧などに起因するストレス、悩みに対するメンタルカウンセリング(認知行動療法を含む)を行っています。

また就労、解雇等労務管理上の法的クリア(コンプライアンス)や労働者のメンタルヘルス、労災事故から守る安全衛生対策などの指導、助言も行っています。

安心して気持ちよく働ける快適な職場環境づくりのサポ-トこそ私の使命です。お気軽にお問い合わせ下さい。

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