3月27日 過労死責任 経営者に問う
3月27 日 過労死責任 経営者に問う
3月25日 朝日新聞より
労務管理 「経営理念が影響」 残業把握 「社内体制に不備」
過労死事例につきましては、すでにワタミ等についてブログで紹介しました。
今回は、これら労務管理、残業把握の視点からみていきます。
「ワタミの訴訟事件」について、「娘を死に至らしめた責任がワタミという会社と、そのシステ
ムをつくり出し、運営した者に損害賠償を求めるために提訴しました」
2月17日、東京地裁の631号法廷。森武豪さん(65)は陳情書を読みあげた。妻の祐子さん
59才も続いた。娘の美菜さん(当時26)は2008年6月、神奈川県内の社宅に近いマンションから
投身自殺した。ワタミの子会社で居酒屋「和民」を運営するワタミフ-ドサ-ビスに入社してまだ
2月だった。12年2月、月141時間の残業があったとして、美菜さんの死は労働災害に認定
された。夫妻はその後、原因はワタミグル-プの労務管理にあると考え、改善を会社に求めて
交渉を申し込んだが断られた。
過労死や過労自殺が起きた場合、労災とは別に、会社に損害賠償を求めることは珍しくない。
今回の訴えの特徴は、ワタミの代表取締役だった渡辺美樹氏ら個人にも安全配慮義務違反が
あったとしている点だ。訴状では、ワタミグル-プの労務管理の背景に、渡辺氏の経営理念が
あると主張。問題視ししているのは、彼の言葉を集めた理念集や、理念集を暗記したかどうかを
試すテストだ。
経営者の彼が働き手の健康を配慮することなく、ずさんな労務管理を推し進めたと主張している。
* この理念集の内容は、週刊文集に掲載され、その一部が出ていました。
「365日24時間死ぬまで働け」 「できないと言わない」など社員に呼び掛けていた。
さらに、仕事は「勤務時間そのものに捉われることなく、成し遂げることが仕事の終わり
である」 「この理念を否定した時は会社を去ってもらう」
これが実態だとすると、歴史の歯車を逆回転させた、強制労働のタコ部屋みたい。
渡辺美樹は名は体を現さない。根っこから腐った時代錯誤の経営者だ。
こんなのが今は、自民党の参議院議員なのだから呆れた。
彼は、夫妻の訴えに争う姿勢で、「道義的責任を感じており、おわびしたい。
事実関係について整理した上で、安全配慮義務違反については、裁判所に委ねたい」
このようにコメントしている。
ワタミだけでなく、過労で自殺しJR西日本の男性社員(当時28才)の遺族は
昨年12月、真鍋社長ら取締役4名を含めむ幹部や上司9人に対して計1億9千万円の
損害賠償を求める裁判を大阪地裁に起こした。
訴状によると、男性はJR西日本に入社した3年半後の12年10月、兵庫圏内の勤務先
近くのマンションの14階から投身自殺をした。鉄道の保安設備の管理業務を
行っていたが、会社が調べた結果、毎月100時間を超える残業をしていたことが
判明。尼崎労働基準監督署は13年8月、男性の自殺を労災と認めた。
訴状は「真鍋社長ら取締役が適正に労働時間を把握するための社内体制を整備
しなかったため、長時間労働が放置された」と指摘している。
< ずさんな体制 根源を正す >
中小企業では、経営者が従業員直接指示することが多い。経営者の責任は比較的
認められ易い。
大企業では、経営者が従業員の働き方まで把握しずらい。しかし、大企業でも
経営者に責任があると認める判決が出たケ-スがある。居酒屋チェ-ン「日本海庄や」
を展開する大庄でおきた過労死事件だ。この事件では、80時間の残業があることを
前提とした給与体系が焦点になった。遺族は直接店舗を管理していない社長や役員
の責任も追及。根拠になったのが、会社法429条1項だ。取締役など役員が期待され
ている役割を果たさず、第三者に損害を与えた場合、取締役にも責任があると
定めている。京都地裁、大阪高裁は、いずれも「取締役には、会社が労働者の命
や健康を損なわないように注意する義務がある」などとして、経営者責任を認めた。
経営者側は上告したが最高裁は棄却した。
▲ 過労死事件で経営者の責任を問う意味は何か。
大庄事件で遺族側代理人を務めた松丸弁護士によると、会社そのものに対して
損害賠償を求めるだけでは明らかにならない点を追及するためだ。
彼は、「経営者の責任を争うことで、なぜ労働時間が正しく把握されていなかったのか
誰がずさんな体制をつくり、放置してきたのかが明らかになる。それが再発防止の
ヒントを見出すことにもつながる」と説明する。
◎企業責任者の「安全配慮義務」を明快な論拠で問い正しています。
ブラック企業と言われて反発したワタミの渡辺美樹氏はこれについて
自社のことどう釈明するのか聞きたい。