▲  CBTの基本的発想図(心の見取り図)

                     坂野雄二著  「こころの科学」の認知行動療法の基本を学ぶ

        

          環境(人間関係、生活環境)                               

            情緒(感情の動き)

                  ↓        

      様々な刺激⇒ 身体 →    ←  行動                                   

                      ↑     

               思考(自動思考)

 

 

   CBTの権威者の一人坂野先生の記事より図を少し変えて引用しました。       

       外部環境の特に人との関わりの中で感情、身体、思考(自動思考)、行動に

       どんな影響を与え、また、それらが他の要素にどう影響し合うのか、

       認知の問題に焦点を当てて述べていきます。  

、       図の表示の仕方がまずくて申し訳ありませんが、外部から本人に入ってくる

       刺戟は、身体のみでなく、他の感情、思考、行動にも影響を与えます。

       身体、思考等の四つの要素は、隣接している他の要素と相互に

       影響し合っています。 真向いの身体と情緒、情緒と行動もそうです。

  

      特に自動思考は、すでに説明しましたように、瞬間的な本人のつぶやき

       として出るもので、その心の奥にスキ-マ(考えかたのくせ)、誤った

      推論(--すべきだetc)による認知の歪みが潜んでいます。

 

                     ▲     ある職場の事例

        Aさんは、今日も、上司から依頼された仕事にミスが発覚して上司に

        叱責されました。その時の自動思考、感情、身体、行動の状況は

         以下の通りでした。

          1  自動思考

         a またやってしまった。   b 自分はダメな人間だ。

         c  仕事をする資格はない。

          2  感情の状況

          a  落ち込んでしまう。  b   やる気がなくなる。

                c  悲しくなる。

      3    身体 の状態

       a  胃が痛む    b  体がだるい。  c  顔がこわばる。

      4    行動の変化

        a  顔を伏せる。 b  肩をおとす。 c  仕事を中断して外に出る。

        ◎このような抑うつ的な人に対してどのようなカウンセリングを

        したら良いでしょうか?

               自己否定の自動思考、気分も、体調も悪化して仕事の中断、

            その間仕事がたまって、また上司に叱られるかも知れませんし

            たまった仕事をみてさらに気分、体調等の悪化という悪循環に

            はまってしまって救いようなしの感じです。 その時まず注目すべ

            きは、自動思考です。

             自動思考として、瞬間的に飛び出す言葉の中でスキ-マに相当する

         「自分はダメな人間」につい心を奪われて、この認知の歪みを正そうと

          する気になりがちです。でもスキ-マなるものは、その人の心の 

          深層に根付いて定着してしまったものだけに、相手に問いかけ、その

           除去に努めても、はね返されてしまって前進できません。

         それに対して「またやった」の方が相手と対話しやすいのです。

        同じようなミスを度々している状況です。

        直近の1、2年で同じようなミスをしたとき、どのような心境に

        なったのか?

              「仕事に集中できなかった」、「気になることがあった」、「イライラしてた」

         など。それらの背後には、どんな出来事があつたのかその原因を

         探るとミスの根源が見えてくることがあります。 例えば家族との

        人間関係がよくなくてストレスになり易くて、それが仕事に波及して

         いや気がさすことで能率も悪く、ミスも発生しやすいことになります。

         上記の心の見取り図の中で、思考と行動は変えることで感情、体に

         影響を及ぼし、適応的対応を可能にします。

      

         昼間のNHKの教育TVで千葉大のCBTの権威 清水栄司先生が

       メンタルの病気で苦しんでいた人々との対話の中で、「病気の克服

       過程の中での 外在化」の大切さを訴えていました。

     者が病気に支配されて苦しんでいるのでなく、

       そのように苦しんでいる自分を第三者の立場から客観的に

       冷静に観察することなのです。

         上記の職場の事例もそのことと目標は同じです。

          もともと自分はミスの多いだめ人間ではなく、ストレスを仕事

          に持ち込んでそれに集中できないからミスの多いダメ人間を演じて

          いるのだ。」 と気づいて問題解決の糸口を見つけたとき、心が楽に

          なって歪んだ認知からの脱出の道が見えてくるのです。      

  

          この「外在化」はカウンセラ-にとっても大切な言葉です。

          すでにカウンセラ-のブログで述べましたように今自分が

          クライアントとどんな関わりをしているか、相手の核心に関わって

          いるのか、ずれているのかを第三者の目で見れる、NLPでいう

          ディソシエイトが必要かと思いました。

              自分自身のカウンセリングの外在化が機能したら、認知の歪み

           から脱して本当の潜在する良き自分に気づいて、 「自分だって

            やれるのだ」という自己効力感が湧き出てくると思います。

            現在 発達障害で苦闘している青年だって泥や埃でおおわれた

            ダイヤモンドのような貴重なりソ-スが自分にもあることに

            気づくことを期待しています。

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       ところで上記の自動思考は、瞬間に出てくるもので、素早く出てきて

      消えてしまうもの。ですからとらえにくい。

       とらえにくいが、感情、行動へ強い影響力があります。

       時には自動思考のために、感情、行動を制御できません。

       不安、恐れ、怒りなどに伴って出る自動思考は、間違っている

       こともあります。そんな時の自動思考は不合理で、非現実的で 

        役立たずのことが多いのです。   

       平素の自分の自動思考は、正しいと思っても、強い感情が関わる

       時が要注意です。  誤った自動思考は、認知の歪みの原因に

       なるからです。

   ▲   自動思考についての検討

     (1) あなたの自動思考の正しさの根拠はなにか

       まずは、自分が大事と思う自動思考を選び、自分の経験から

        考えてみます。そのときの強い感情の中でつい出てしまって根拠

        が薄いことに気づくかも知れません。

     (2) 自動思考に対する反論

      これも、経験から考えて、別の観点から考えてみることも意義があります。

     (3) 論理的誤り

      すでにベック氏の認知療法で述べていますスキ-マ(考え方のくせ) に

      入り込んでいる「体系的推論の誤り」がその例です。

      例 恣意的推論 相手の一時的なマイナス反応を大きくとらえて落胆する

        拡大解釈---一つの失敗から自分を無能と決めつける。

       ◎ 以上のような観点より自動思考を検討いていくことが

         認知の歪み対策として有効な方法と考えられると思います。

 

 

 

 

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