令和2年 3月11日 「追い出し部屋」法廷闘争へ 朝日新聞より
令和2年 3月11日 「追い出し部屋」法廷闘争へ 朝日新聞より
東芝の主要子会社に社員から「追い出し部屋」と呼ばれる部署がつくられた問題が
法廷で争われることになった。背景にあるのは、景気が不透明を増す中、前倒しで人事
削減を進める企業の動きの広がりだ。希望退職を募った上場企業は2019年に判明した
だけで36社。かって厳しい批判を浴びた追い出し部屋のような例は表面化していないが
募集人数は6年ぶりに1万人をこえた。今回は東芝子会社が提訴される。
<原告「らちあかず」>
問題の部署は、東芝が100%出資する東芝エネルギーシステムズ(ESS、川崎市)が昨年
4月に新設した「業務センター」。9日に配属の無効などを求めて提訴した小里正義さん
(51)は記者会見し、「スキルやキャリアが全く生かせない仕事に回された。
会社に抗議したが、誠意ある回答が返ってこない。提訴しないとらちがあかなくなった」
と説明した。小里さんは東芝に入社後、IT技術者として主に原発関連のシステム開発を担当。
分社したESSに売っ移っても似た仕事を任されてきた。
ところが、ESSが45歳以上を対象にしてむ昨年3月末での希望退職を募ると、環境が一変。
上司との面談で「あなたの職場がなくなる」などと応募(退職)を促され、拒み続けると
業務センターに異動になった。(追い出し部屋勤務)
名目上では、研修で会社の構造改革を理解してキャリアの変化を前向きに考えるよう
求められた。研修後は倉庫で働き、他社製の医療機器の部品の箱詰めなどをさせられている。
最大10キログラム程の段ボ-ル箱を積み上げる作業もあるという。
(これは、嫌がらせで退職に追い込むハラスメント)
会見に同席した弁護士(代理人)は「やめてもらえなかったら追い出し部屋に行かせて
重労働させた。一連の行為に違法性があるかがポイントだ。」と指摘した。
当人所属のESSでも希望退職を募ったが、応募したのは427人で想定の800人に
届かなかった。東芝グループ全体では黒字の経営環境で、会社側が一方的な整理解雇に
踏み切れば、違法になり得る状況だった。希望退職という建前で、特定の社員を選んで辞めさせようとし
たかどうか、。小里さん側は、それも裁判で明らかにしたいと考えている。
◎ 政府としては、高年齢者の勤務年齢延長の方向で進め、企業側もその方向で進めているのに、それに
逆らって
特定社員を選別して「嫌がらせ」のハラスメントをして辞めさせようとしている感じがする。
51歳の小里さんは、培われた技術をいかせるのに、会社の方針に異議を唱える社員はハラスメント
をして辞めさせる手法が、もし事実とすれば、労働基本権侵害に当たると思います。
〇 大企業のリストラ手法の進化の過程(参考まで調べてみました)
2000年代 「追い出し部屋」 降格させず移動
2010年代 「追い出し会社」 追い出しを進める会社は関与せず人材会社が当人に「能力開発」と
称して転職を促す。その実態は、適性テストを繰り返し、新しい能力に気づかせて転職促すという策を
取ります。
転職企業の実態もよく調べなくて、ぺ-パ-テストで転職を促すのは、無責任極まりないと感じます。