令和2年1月29日 ODの導入の懸念 後半 その1  斎藤環先生執筆

  令和2年1月29日 ODの導入懸念 後半その1 斎藤環先生執筆

  <即時対応と柔軟性>

      私の知る限りでは、知人の話によると、家族がメンタルの治療でなく、クリニックに相談

  にのって欲しいとのことで依頼しても3カ月後でないとできないとのこと。もし本人が

  性急に求めていたらどうなるのか、私が30代の頃気にかけていた生徒にこちらが話しを

  打診しても断られ3日後自殺したことがあります。このようなこともありますので

  ODのこのようなテ-マについては、関係する方々のなかには関心をお持ちになる方が

  みえると思われますが、フィンランドの例は色々と参考になりそうですが、あまりにも

  ハ-ドルが高すぎます。

  原則①即位対応とは必要に応じて直ちに対応することの意味です。そして医療関係の組織

  のレベルでは、柔軟性と機動性も同等の意味をもつとのことです。

  ODの発祥地の病院では電話で相談を受け付けてから24時間以内に治療チ-ムを組み

  患者の自宅を訪問することが可能とのこと。

  その上フィンランドでは、医療区の公立病院の精神科の受診では治療無料で原則として

  どんな相談でも対応することを考慮すると、たとえ受診可能な区域が限定されては

  いても、日本でも同類のことを実践しようとしても、困難であると。

  このように理想的にメンタルヘルスのサ-ビスが先進地域で回転している理由は以下の

  とおりです。

  〇 ODによる早期介入が有効であり、短期間で治療終結する患者が数多く存在する。

  〇 スタッフ一人当たり担当患者が少なくて、治療の質が高く、スタッフの疲弊も

    起こりにくい。

  〇 心の問題が起きたら拠点病院に電話するという治療文化が定着している。

  以上の点を考慮するなら、ODが真価を発揮するには、手法の普及とともにサ-ビス提供の

  システムとしてその地域に見合った組織が構築される必要が求められると  

  そして問題が生じた場合の援助希求の行動のとりやすさ、患者のみならずその本人を

  とりまく「ネットワ-ク」(患者の知人、専門家等が参加する)を治療に巻き込むこと。

  いきなり「診断」せず、さしあたり「困りごと」として対応するなど新しい治療文化の

  導入と啓発が並行してなされる必要があるとのことです。

    上記の③の原則の「柔軟性と機動性」はこうしたシステムが存在することが

  前提となるとのこと。これは具体的には、患者のニ-ズに専門家が合わせることを

  意味していると。

  しかし、現在の日本の臨床現場はこの逆。患者が専門家の専門性に合わせなければ

  ならない。専門家ごとに細分化されつつある日本の臨床現場がこうした柔軟な発想を

  とれるかどうかも又大きな懸念材料との筆者の指摘です。 

      この記事を入力していて、ふと現国の教科書にも出ていたパスカルの「パンセ」の

  もとになっている旧約聖書のイザヤ書に出ている

     有名な 箇所「傷んだ葦を折ることもなく、くすぶる灯芯(消えかかるロウソクの灯)を

  消すこともなく(これは苦しんでいる民を救済するメシアの到来を予言する箇所です。

  ODの発祥地の拠点病院のケロプダスでは、相談に対しては専門外を理由に断ることは

  ほぼないとのこと。治療よりまずケア。ケアよりは悩みの相談にしばしば近い

  ミーティングの性質がそれを可能にしていると。

  日本の病院では専門語とに細分化されていて、こういう柔軟な発想がとれるかどうかも

  また、筆者の大きな懸念材料と指摘されています。

  (治療の根源に関わる人間性に触れる問題提示と痛感しました)

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