9月27~28 日 ストレスに負けない 「ココロの傘」「傘を差し出す勇気が自殺を防ぐ
9月27~28日 ストレスに負けない「ココロのの傘」「傘を差し出す勇気が自殺を防ぐ」
健康社会学者 河合薫先生執筆 THE 21 10号より
「なぜ、あの時"君がいないと僕は困る"と言ってあげられなかったのか」---。
部下が自ら命を絶つという選択をしてしまったことを、その男性は悔いていました。
彼は、当時、課長になったばかりで、自分の役割に苦しんでいました。そんな時
その部下が「僕がいなくてもチ-ムは回るんですね」とつぶやいた。
でも彼は、自分のことで手一杯で、その言葉がSOSであることを気づくことが出来
なかったとのこと。「自分がいなくても---」そんな思いに駆られることは、誰にも
あります。少なくても筆者にはあったとのことです。「自分が消えた世界を何度か
想像したとのこと。きっかけは何だったか、それがいつだったのかおもいだすことは
できない、たわいないことがきっかけだった氣もするし、自分では精一杯頑張って
いるのに認めてもらえなかったり、他者に執拗に否定されたり、バカにされたことが
きっかけだった気もする。ただ一つ確かなのは、「自分のいない世界」が頭をよぎる
ほど、ストレスの雨に降られ心身ともに疲れ果てていたということだった。
ところで、不名誉なことですが、自殺大国です。筆者の指摘されるように欧米主要国
の20歳代の死因のトップが「不慮の事故」なのに、日本は「自殺」です
また、高齢化が進む多くの先進国で「75歳以上の男性」の自殺が急増する中、日本では
40代、50代男性の自殺が多い傾向が続いています。
これは経済状態の悪い途上国と似通った傾向で、40代から60代の男性の自殺者が全体の
4割近くをしめているとのこと。メディアは「年間 (自殺者 が) 3万人を切った」ことばかりが
クロ-ズアップされがち。でも、未だに途上国と変わらないのは、極めて由々しき事態
と言わざるを得ないと筆者は指摘します。
また筆者は(近年)戦争が激減した欧米諸国では、男性の幸福感が女性と同等になったのに対して
日本ではいまだに女性の方が圧倒的に高いとのことです。
なおこの「幸福感」調査は、今から3年前、世界数十か国の大学・研究機関の研究グル-プが
参加し共通の調査で各国国民の「幸福感」を調査したそうです。
この日本の欧米諸国の結果と比較しての違いについての筆者のコメントについての私見ですが
戦後の行動成長後の日本の産業構造の著しい変化がかなり大きく影響していると想像します。
年功序列の賃金制度、終身雇用制が崩れ、非正規労働者の増加に伴う労働者間の賃金、処遇等の
格差の拡大、過重労慟の負荷の増大などの問題がストレス増大の原因となっていることなど。
筆者は「仕事や家庭、金銭問題など複数のストレス要因が絡み合った時、人は「死」という
悲しい選択に走るリスクが高まるとされています。しかし、誰一人として"死にたくて死ぬ人"は
いません。生きる力が萎えた末の選択であり、ストレスの豪雨で目の前が見えなくなり、
"自分には生きる意味がない"という孤独感にがんじがらめになったとき、生きるエナジーが
失せる。本来であれば、究極の状況に陥る前に"もう無理"と他者の傘を借りればいのですが、
ストレスに負けていると、SOSを出すことさえ忘れてしまいがちです。」そのようなときに
自分の周りに雨に濡れている人がいた時の対処の仕方を筆者は次のよう勧めます。
「どうした?と声をかけて下さい。そして出来ることなら、"あなたは自分にとって大切な人"
というメッセージをを送って下さい」と。
◎この記事を通読していますと、またしても私の失敗談がトラウマのように想起します。
高2の女子生徒(人を信じるとかえって悲しい思いをすると作文に残しました)
もう一人は20歳位の女子で、ある会合で一緒に年明けの祝い酒を飲んで3日ほどして自殺した
ことを知りました。 上記の「あなたは自分にとって大切な人」に近いメッセージを今年
退職して落ち込んでいた教え子の女性に送り、この場合は感謝していました。
でも、自殺を希求する兆しのありそうな人との対話は大変用心しないといけないといけないと
思いますが、こちらがあまり緊張して構えたりせず、普段の姿勢で話かけることからやれば
「あなた自身が大切な人」に近づけれる氣もしました。