5月4日~   正社員文化のはざまで置き去りにされているもの その2

        5月4日~    正社員文化のはざまで置き去りにされているもの その2

 

      その1の終わりでは、筆者が会社の合理的配慮について筆者の長男の件で

     問い正すと、会社側は、過度な負担になる場合は、(その配慮)義務に

     ならないとの返答。国連の障害者の差別解消決議ではその文言はなく、

     誤訳でなく、私は、政府筋の作文ではないかと疑いたく

     なります。抽象的表現を使って、企業側の逃げ道を用意したのではと。

     「過度な負担」とは、主観的な表現で、どこまでが適切な配慮なのか

      企業の責任の限度はまさにさじ加減の感じさえします。 

     国連の差別解消決議によるこの障害者差別解消の条約の採択がなされるまでには

     日本障害者協議会(JD)代表田中徹二氏によると、その採択までにはこのJDを

     はじめ日本の障害者団体は、国連の特別委員会に延べ200名を派遣し、世界の障害者

     団体と連携して様々な運動に尽力したぴそうで、その時期に叫ばれたアピ-ルが

     すでに紹介しました Nothing about us without us

     (私たちを抜きにして私たちのことを決めないで)

              田中氏は断言します。    「これが権利条約の基礎をなす理念である」

     とはいうものの、企業側の直接障害者の社員と接する方々のご苦労の

     負担は私なりに理解するものの、上からの生産性向上、業績のX%upなど

     の中で゛障害者の適切な指導と言われても、田中氏の社内の責任者の反発例

     などは、ごく一般的と感じます。

     過日、ある引きこもりob等の集会で職場で困ったこと、腹が立ったことなど

     無記名で書いてもらいましたところ、「あんたが障害者だから、この仕事はまかせ

     られない」など色々ありました。このような上司の言い方に対してどんな言い方

     なら、両者の良い関係が続くでしょうか?

      今のきみだと、不良品をつくってしまう。しかし、 君の努力次第では

      完成品はできる。私も君のぺ−スに合わせて教えるから頑張ろうよ。

      こんな言い方なら相手の心に響くと思います。

      (ある職長教育をしていた時、これから職長になろうとする青年は、うちの

       職長は只自分のやり方を観察していて覚えよと。それに対して、別のベテラン

       職長は、「自分は、相手が分かるとろまで指導する」と。)

     ともかく、働いている障害者が困った場合でも、嫌ならさっさと辞めよと言わん

     ばかりの感じがします。弱い立場の障害者は、泣き寝入りに追い込まれます。

     障害者の相談、救済のセ−フティネットはどうなっているのか知りたいと思います。

       それから筆者は、障害者を指導する心理や福祉の専門職を新規で雇用して

     支援指導員にする場合が多いとのこと。しかし、この点について次のようにその

     問題点を述べています。専門知識は十分にあって知的障害者のことなど知って

     いても、企業の(現場のことなど)ことを知らないということがよくあるとのこと。

     そういう専門職に限って「会社で働くということは福祉とは違う」と過剰に

     意識し、上司や周囲の正社員に気に入られれる従業員になるよう障害者に強いる

     傾向があるように思う。(これはその人の主観によりますが、まああり得るかも

     と思います)

                それに対して、企業内で長く勤めて定年を迎えたシニアが特例子会社の担当職員

     となって第二の人生を歩むケ−スもよくある。こちらの方が障害者に「会社員」に

     なることを無理強いせず、少々できないことがあっても、肯定的にみて指導したり

     するため、結果的に障害者の能力を高め、職場定着もできる場合が多いように

     思うとのこと。ある程度の地位まで努め上げたキャリアがあるため、本社に

     対して臆することなく、障害者を守ることもできる。(この臆することなく−−は

     とても大事なガ−ドです。

     その他の方法として、武田製薬の特例子会社の成功例を専門誌で読んだ記憶が

     あります。それは、障害者の社員の中で信頼できる人が゛出てきた場合、その人を

     リ−ダ−とする場合も検討に値します。

       最後に企業内で知的障害者(その他の障害者も含めて)がやっている仕事は

     本当にその企業にとって必要なものなのだろうかとも思う。必要な本来業務を

     障害者が担っている企業は一体どのくらいあるのだろうか。あまり法定雇用率を

     達成することが優先されて余り必要のない仕事を無理につくり出して障害者に

     あてがっている企業が多いのではないか−−という疑問をもっているのは決して

     自分だけでないはずだ。(自分の長男の知的障害者にどうしてもこだわっている

     感じが強いのが気になりますが)

     この提言については、傾聴に値すると私も思います。

     適材適所の言葉は、障害者には的外れの感じがします。

     ついで筆者は、次のように指摘します。

     現在の障害者雇用の現場は彼らの能力をどれだけ生かせているのだろうか?

     最近は、高学歴の発達障害者が特例子会社で単純作業をしているケ−スが目立つ

     ようになったが、それは彼らの本来の能力を生かしていると言えるだろうか?−−−

     さらに日本の企業文化は、ユニ−クな発達障害と相性が悪い。無理に適応させよう

     としてストレスを生じさせ、うつや行動障害を引き起こしている例も少なくない。

     そうした場合も、原因を障害者側に求め、異質な価値観を受け入れる包容力の

     なさ、彼らの特性に合った指導ができない専門性の欠如を企業側は反省しようと

     しなかったのではないかと。この見解は全てそうですとは判断できないと思います。

     改善すべきことは、障害者側にもありえますから。

     それから、すでに述べました公的機関のセ−フティネットのような仕組みが

     機能することを切望します。

 

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