2月23〜24 日 心の痛みを未来の糧に その3
2月23〜24日 心の痛みを未来の糧に その3

赤のアルストロメリアを活かした構図にしましたが゛鈍臭さを感じます
4 妬みの二面性
ここでは、筆者は、良性の妬みと悪性の妬みについて言及し、次の単元では
着眼点をどう切り変えていくかに解決策の糸口に進みます。
筆者がいうには、妬みには「良性」と「悪性」があるとする見方が主流となっており、
これは、妬みのサブタイプ論と呼ばれるとのこと。ネガティブな行動を引き起こすのが
悪性妬みで、
ポジティブな効果をもたらすのが良性妬みという見方です。実際、中学生を対象とした調査
では、自尊感情が高い者は良性妬みを感じやすく、いじめを助長しにくくなるに対して、
自尊感情が低い者は悪性妬みを感じやすく、いじめを助長しやすいという。この結果から
こうした妬みの二面性について、次のような例示で筆者は説明します。
テストの結果、自分より良い点数の友人がいた場合のこと。その友人がどうやら不正
行為をしたとうことを耳にした場合、相手の高得点に納得できないと感じる。
こうした思いから生じる妬みが悪性妬みとのこと。私たちが想像する妬みがこれで、
優れた他者に対する一方的な敵意に満ちている。その悪性妬みは陰で悪口を言ったり
無視したりしてね相手を苦しめる行動に繋がり易くなる。
一方で、テスト前に熱心に勉強している友人の姿をみたらどうでしょう。
相手が成績を伸ばしたのは「当然の結果」として思い、「羨ましい」とは感じても、
憎しみは殆ど感じられないはず。これが良性妬みとのことです。 小中学生に
「羨ましいと思った時にどうするか」を尋ねたら、殆どの小学生は「頑張る」とこたえた
のに対し、中学生では、「諦める」とか「何もしない」という子の割合が増えていく
とのこと。「実際どう頑張っていけいいのか分からなくても、一応そういっておこう」と
回答する小学生とことなり、中学生ともなれば、自分が頑張ったらなんとかなりそうな
線と、諦めてしまった方がよい線の境界が分かってくる。だからこそ、羨ましいと
思っても「頑張らない」と答えられたかも知れないとのことです。
追いつけそうな線が見えてくれば、悪性妬みのように、苦痛を誤魔化そうと相手の足を
引っ張らなくても済む。 しかも、良性妬みには、パフォーマンスの継続や成績の向上
をもたらす効果があるらしいとのこと。その例として次のような手続きで良性妬みの
効果を検証した実験があります。
まず、大学生たちに、ある学生が賞をとった記事を読ませ、そこで湧き上がってきた
感情を記述させる。ついで言語連想課題に取り組ませると羨ましさ(良性妬み)を抱いた
グル−プの成績が一番良かっただけでなく、課題を途中で投げ出さなかった。
また、テストを受ける一週間前に、テストの目標と妬み易さについて回答を求めた
調査では、良性妬みを抱き易い人は、テスト目標点を高く設定する傾向にあり、
実際に成績も良好になっていた。
一つ一つの自己効力感の達成が更なるそれへの達成に繋がるということです。
しかし、上記のような努力が報いられて自信を持っている人はいいのですが、
悪性妬みの人がどのように自己の課題と向き合ったらよいのか、かってカウンセリング
養成講座で講師は、「人と過去は変わらない。変わるのは自分だ゛」と言っていました。
結婚に失敗して、相手のせいにする、就職しても、上司のこと、同僚のことに不満を
抱いて辞めてしまう。でもあなた自身はどうなのか、今回の中心テ−マもそこにつき
当たります。5の「諦めの線引き」6の「痛みの先にあるもの」も自分の在り方に
解決の糸口があるのです。