1月7〜9日  夢や目標をもつということはどのように大切か その1

   1月7〜9日 夢や目標をもつということはどのように大切か その1

          大阪教育教育大学 白井利明教授執筆 児童心理 1月号より

        1 はじめに

   今月号の特集テ−マは「前向きな子」です。

   冒頭に筆者は、まずは、やる気を出すには目標の持ち方の大切さに言及しています。

   この目標をたてるに当たっては、未来や過去をとおして現在をみつめることを指摘しています。

   それに関して筆者の記事全体を通読してみて私が特に注目したのは、最後の方に出ていた

   「OECD生徒の学習到達度調査」(2012年)の結果です。

   この調査によると日本の子供は、成績は世界上位なのに、教科が好きか、勉強の自信はどうか

   そして将来に役立つかを聞くと、いずれも世界最下位に近いとのことです。

         ここで筆者が強調したいことは、児童生徒の主体的な学習態度の育成の欠如であり、それを

   容認し、このような態度の育成をなおざりにしてきた教師、その上の指導監督に当たる教育行政

   当局にも大いに責任があると思います。私自身も一教師として色々反省すべきことがありましたが。、

   受験産業に振り回されず、もっと生徒の主体的選択を育成する指導が必要であったことなど。

        2 夢をもつ子供

   子供は、すでに小さいころから、身近にみている花屋さんとか、お菓子屋さんなどからこんなことを

   大人に成ったらしてみたいと思うかも知れません。職業選択の原型は、すでに小さいころに

   現れているとのこと。小学の中学年位になると、単なる憧れから脱してより現実的な選択になる。

   自分の趣味や特技からくる適性が判断基準に入ってくるとの筆者の指摘。

   スポ−ツ選手になろうとか、書道を習っていて褒められて書道の先生になろうとか。

   この時期では、人から高く評価されるかどうかといった威信が重視されるとのこと。

   そして小学高学年くらいになると、自分の将来の目標と、それにたどりつくめの手段が分化し

   始めると筆者は述べています。その例として、小学校の先生になりたければ、高校、大学へいくと

   いった道が見えてくる。そういう子供もいますが、それは、本人の家庭や学校の環境等によって

   様々ですので、筆者の見解は、この段階の子供の発達課題としての一般論としては、うなづけ

   ますが、私は田舎育ちのこともあってもう少し巾をもってみたいと思います。

   3 見通しをもつ子供

   このテ−マについて、筆者は目標をもつようになった子供について次のように述べています。 

   子供は、どんなことでも、自分からすることなら、楽しくやる。そのこともやがて成長と共に

   未来に目標をもち、それをどのように実現するのかを考え始めるようになると、楽しくないことでも

   取り組んでいけるようになる。良い成績をとって親が喜べば、親を喜ばせるためによい成績を

   取ろうと努力する。たとえ勉強が嫌いでも。マザコンはまさに親の気持ちに反応します。

   このように、行為の結果に過ぎなかった成績の良し悪しが、今度は行為の目的になる。

   これを筆者は「心の中の現在と未来を転倒させる力」が芽生えてくると述べています。

   目的が明らかになれば、目的達成のためには、困難なことも見通しの中で克服する努力をする

   からです。そしてそのやる気は、アメリカの心理学者ヴィクタ−・ヴル−ムが説くように

   現在の行為が目標を実現するのに役に立つと思うと程、勉強に熱心になっていく。

   だから今の役立つと思えることは、モテイべ−ションを高めるのに重要となる。

   このようにして子供は親を喜ばせるための勉強も、小学の高学年になると、その勉強も、自分の

   将来にどのように役立つかを考え始めるようになるとのこと。

   こうしたことは、生活全体を主体的にさせる。自分から工夫したり、困難なことでも、我慢して

   取り組んだりしていけるようになる。(これらの3行の筆者の言葉から、私は子供なりの

   選択的適応の芽生えと感じました。この適応は画一的な偏差値教育では育つのが困難です)

   次のその2で今回の表題「夢や目標をもつことは−−」の冒頭で紹介しました

   OECD生徒の学習到達度の調査」結果の日本の子供の弱点の答えが筆者の「生活全体を

   主体的にさせる」の言葉に出ていると痛感しています。

      ここの「生活全体」とは、学習の場、自己の身だしなみや身の周りの整理、整頓、家庭や

   学校での対人関係などです。 子供が成長していくにつれて、親や教師がそれに伴い

   次第に子供の人格を尊重して、なるべく子供の責任能力に応じて、細かい命令をさけて

   本人の主体的判断に任せ、状況に応じてアドバイスして支援する場合はいいのですが゛、

   親も教師も命令口調でいつまでも子供扱いし、学習以外でも、、高校生になっても

   頭髪、服装などのことなども上から厳しく規制する管理教育する、こんなやり方では

   筆者のいうような主体的態度など育ちませんし、級友間の信頼関係もうまくいきません。

   上からのしめつけの鬱憤晴らしに、いじめなど発生し、自殺者も出ています。

   主体的態度という言葉の響きはいいのですが、逆にそれがうまく育っていないが故に

   OECD生徒の学習到達度の調査結果では、調査項目によっては、世界最低位に近い、と

   私は、そのあたりの究明がないのが至極残念な気がします。

XP1010051葉牡丹A.jpg

                         ゛

                 この「鈍くさい生け花」でもその時々にひらめいた構想にそって各花の大きさ

     高さ、位置、色彩や形状のバランスを工夫して完成を目指すクリエイティブな

     活動なのです。各花はそれぞれの特性をもち全体を構成している以上、どの部分が

     欠けても、全体に影響を与えます。必ずしも代用品で補充すればよいわけではありません。

     ましてや人間の組織、集団内で、痛んだ仲間がいるのに放置しているようでは

     偏差値を効率よく上げる知育では、一定の成果が発揮できも、社会に関わる人間としての

     成長という面では、問題が残っていると思います。

      OECD生徒の学習到達度の調査結果がそのことを示していると感じられます。

     その調査で非常に低い評価の「将来に役立つか」などは検討に値します。

     児童生徒のメンタルの問題、「いじめ自殺など」発生すると現場の責任者、教育委員会、

     文科省の大臣らはありきたりの「命の大切さ」を述べ、事後の徹底した対策、事後誠実な

     その対策の検討もないままで『お茶を濁す」無責任な体質では、上記のOECD生徒の

     学習到達度で指摘された課題はずっと残る懸念がします。

     毎日級友とともに何を目標にして学ぶのか、教師は、偏差値を上げること以外に何を将来に向かっ

     て何を教えたいのか?そこが重要ポイントと私は考えます。

 

 

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