9月16〜17日 気持ちが言葉になるプロセス その3
9月16〜17日 気持ちが言葉になるプロセス その3
(3)子供が自分の気持ちにふさわしい言葉を使えるようサポ−トされること
この表題では、自分の気持ちと共に相手も意識したアサティブな言い方も意識した内容と
感じられます。他者との共存の問題をクリアする発達課題に関わる問題に直面します。
筆者のいうサポ−トとは、一つは、大人が子供の感情の動きに応じて、教え指示すること
もう一つは、子供の発達の状況に応じて、本人の直面する問題について一緒に考え
本人から気づきを促し適切な対処法(その場に応じた適切な言葉や行動などを引き出す)
ことではないかと筆者の記事から推測しました。
* なお、今回の表題についても対人関係療法に精通した水島広子先生の
「怒りが消える本を」参照されるとよろしいかと思います。
筆者の見解は以下の通りです。
子供が、自分に気持ちがあることがわかり、また否定的な気持ちも含めて色々な気持ち
があることを実感していける過程には、そういった気持ちを言葉にしたとき、大人から、
「わかるよ」「こんな気持ちなんだね」などと受け止めてもらうこととあわせて、
その表現への適切なサポ−トをしてもらうことも含まれる。 例えば、前回の
(2)で述べた「怒り」の気持ちを子供が表現する時、「〇〇、死ね」「マジうざい、
むかつく」といったような物言いになることが多い。それは普段子供が、生活する中で
自分の怒りの気持ちを上手に表現する練習の機会がこれまで乏しかったからとも言えるし
また、大人や社会から「ああそうか、ああいう言い方をすればいいんだな。
自分も真似してみよう。」と思えるような、良きモデルを得られていないからとも言える。
(身近な家庭内で、親が短気で、直情的にすぐ声を荒げて子供を叱ってばかりなら、
子供もそれに似て直情的に反応する習性が身についてしまいます。良きモデルになろう
とする親の自省努力も不可欠と思います)−−−−筆者の怒りについての次のような見解
怒りの気持ちとは、子供のみならず、大人も共に、「その気持ちにふさわしい言葉を
使えるようになる」練習が必要なのだろうと痛感したりする。(その気持ちにふさわしい
言葉とは、相手の気持ちの高ぶりに対して自ら心を鎮めて語る言葉です、そこから
共感が生まれます。)
子供が怒りの気持ちを伝えてきたとき、親、教師の大人は「あなた、何を怒っているの」
「しっかり聞くから落ち着いて話してごらん」 「そういうわけで、頭に来たのが
わかったよ」などと、 まずは、子供の怒りの気持ちを頭から否定せずに受け止めて
欲しいとのこと。そしてその上で、もし子供の表現が暴言だったらり、不適切だったり
するときには、「あなたが怒ったのはわかった。でも”死ね”という言葉はやめようね。
代わりに”やめて”と相手に言ってみよう」などと、よりよい適切な言葉でアドバイス
して欲しい。あるいは「君が友達を叩いちゃったのは、やっぱりいけないことだよ。
今度君が”嫌だなあ、腹が立つ”と思ったら、友達に”嫌だよ、そういうことされたら、
僕は 嫌いなんだ”とちゃんと言葉で言ってみよう。君には言葉で伝えていける力が
あるって、信じているよ」などと伝えて頂けらたらと願うとの筆者のアドバイス。
この箇所の友達に対する感情として、すぐ「君は嫌いだ」と言ってしまうのを
「君のどうすることが嫌いなのか」これを伝えことで、相手の反省の気づきを与え
、仲直りに導く「アサ−ション」へ導く道が開けます。自分も相手の気持ちも大切にする
手法です。
もう一つ「君には言葉で伝えていける力がある」この一語は、エンパワ−メント(行動を
促す励まし)になります。
さらに筆者は、大人から言い方を提示するだけでなく、子供の発達に応じて、
「どんな言い方をしたらいいか、一緒に先生と練習してみようか」「お母さんもそういう
とき、うまく言えないこともあるものね。じゃ共同作戦でしっくり来るすてきな言い方を
考えてみよう」などと、子供と共にふさわしい言葉を考えることも試みて頂きたい、と。−−
「ふさわしい言葉を使えるよう大人が子供をサポ−トすることは、大人自身の”気持ちを
言葉にするプロセス」の研鑚とも言える」と筆者は結んでいます。
◎ 「子供が悩みを言葉にするまで」と「気持ちが言葉になるプロセス」の表題に沿って
私自身も筆者の先生方の記事を通して貴重な学びをさせて頂き感謝しています。
子供さんたちの成長過程には、クリアしなければならない発達課題があり、それを
しっかり大人が支援しないと、就労支援時期に支障が生じます。特にメンタル等に
ハンディのある人々にその影響がもろに出ます。そういう意味では、児童期の
メンタルの教育の重要性を改めて胆に銘じると共に、現場の目線に立った研鑚に
尽力したいと痛感しました。
(放課後のディケアの現場の観察も必ずしてみたい思っています)