8月22〜23日 子供の悩みを出させ、悩む能力を育てる 28年8月 児童心理より

   8月22〜23日 子供の悩みを出させ、悩む能力を育てる その1

           28年8月 児童心理より

         特集 悩みを口に出せない子より 

         精神科医 山登敬之先生執筆

   今回このようなテ−マを選択しましたのは、すでに掲載しています日進市の障害者自立支援

   協議会、関係する専門部会で出た内容に私なり疑問を感じたからです。 

   ともかく、障害者の親やこのような事業に関わる職安、専門家などからは、何とか障害者の

   雇用実績を上げたい気持ちが強く、自治体当局の関係部署の担当者も、それを切望しています。

   しかし、大事な視点の欠落を痛感しました。それは 「自立支援」という言葉のもつ意味です。

   政府の国策の後押しもあって、確かに障害者の雇用率は、上がって来ていますが、折角就職

   したのに、かなりの人は、1年以内に離職しているのが実情です。 

   ただ、雇用実績をあげることに心を奪われて、肝心の障害者の就労に対するする考えや

   気持ちをどれだけ配慮してしているのか私は懸念しています。  

        この筆者は、特別に障害児に限定せず、一般の児童の成長過程での発達課題に焦点を当てて

   います。 障害者の場合どうでしょう。3年ほど前北区のNPOで、就職した先の話を

   していた際、仮に就職しても、対人関係などで不安であり、職場のいじめの経験のある

   彼女は、またトラウマをつくるのではと、不安な気持ちを述べていました。

   学校教育では、各年代の節目 の発達課題にどう取り組んで成果をあげていたか、そのことが

   上記の表題の「悩む能力を育てる」と関連が深いのです。「自立」というハ−ドルは、

   このような長いスパンでの努力が実ってこそ実現するのであって、職安、事業所と

   求職者側との単なるマッチングのレベルの問題ではないのです。

   筆者は、次の二つの事例をあげて、上記の発達課題に関した言及をしています。但しそれらは

   筆者の経験に基づき、個人情報にも配慮したのか創作として述べています。

   1 小1の男の子が母親を交通事故でなくし、1年経過すると不登校になった例

    母の一周忌が過ぎた頃から、様子がおかしくなった。夏休みなのに外へも遊びに行かず

    家の中でごろごろ。些細なことで怒りだしたり、くずぐず泣いたりした。

    二学期が始まると間もなく、登校をしぶるようになった。朝なかなか起きてこないし、

    頭が痛い、腹が痛いとぐずって支度をしない。かかりつけの小児科医にみせたところ、

    特別の病気ではないが、無理をするのはよくないと言われたとのこと。

    そこで医師のとおりにしたが、全く登校しなくなった。

    祖父が担任に連絡をとり、このままではひきこもりになると心配して

    スク−ルカウンセラ−に相談したところ、筆者を紹介されたとのこと。

    この時、筆者には、「対象喪失」、や「喪の作業」*など心理学の基礎知識が

    あったとのことです。

    *大切な人との死別後それによって生じる哀情や悲嘆の悲しみを乗り越えていく心の過程

    独自の「マザコン」理論だけをたよりにしていたわけでない。大切な母親を失った後

    この子の「喪の作業」が滞っている。見ようによっては、邪魔されていることは

    明白であった。

    次の筆者の言葉「この子が大事にされて育ったのもよくわかります。 お母さんを

    なくしたダメ−ジが1年おくれて出てきたかも知れません。母親の死を現実として

    受け入れるまで時間が必要だったのでしょう。それまではぼんやり学校に通って

    いただけ。やっとわかるようになったと思っていたら、今度はまわりがよって

    たかって学校に行かせようとする。

    ”今はそれどころじゃないんだよ”(大好きなママがなくなったんだ)と腹を立てている

    のではないですか」祖父はこの解釈を半信半疑で聞いていたが、具体的話に移ると

    ほっとした表情を見せるようになったとのことでした。次の言葉も聞く人に安らぎを

    与えると感じます。

   「お母さんとお別れがすんだら、元気も出て学校に行けるようになるでしょう。だから、

    今は無理に学校に行かなくてもいい。 元気が出るまで休んだらいいと伝えて、

    安心させて下さい。学校には、医師から、しばらく休養するように言われたと

    言えばいいです。」

   ◎ 今の事例で筆者が強調したいことは、「子供が悩みを言葉にする」ことができない

   場合の「喪の作業」に際しての周囲の者がどう対処するとそれがし易くなるかという

   ことではないかと感じました。

    なお、次のその2では、もう一つの事例を紹介し、7才児の心理特性、発達課題についての

    筆者の見解を紹介します。

 

 

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