6月5〜6日 世界のトップリ−ダ−は何故睡眠を大事にするのか
6月5〜6日 世界のトップリ−ダ−は何故、睡眠を大事にするのか
精神科医 西多昌規先生執筆 プレジデント5月30号より
この記事では、仕事のパフォ−マンスの向上と睡眠との関係について、分かり易く解説
されています。
西多先生によれば、睡眠は、脳の海馬や前頭葉と深い結びつきがあるという。
「睡眠が足りないと血流が悪くなり、脳の栄養となるぶどう糖の代謝も落ちます。
それにより記憶を司る海馬や判断に関わる前葉頭の働き低下してしまう。慢性的な
睡眠不足の場合は勿論、一晩眠れなかっただけでも海馬や前葉頭に悪影響がでる
ことがわかっています。」
記憶力と判断力は、双方仕事に欠かせない力。これらが欠けると、約束の時間を
間違えるなどうっかつミスが起こりやすくなります。睡眠を十分とればそうした
ミスを防げて、頭も冴えるというわけです。それだけでなく、睡眠不足で前頭葉の
働きが鈍れば、脳のワ−キングメモリ−までダメ−ジを受けることもわかります。
ワ−キングメモリ−は、様々なタスクに欠かせない機能とのこと。
プレゼンテーションの資料をつくりながら、取り引き先に連絡を入れるなど、
いくつもの業務を段取りよくこなすためにも欠かせないのが睡眠なのです。
「記憶については、一時的な短期記憶を長期記憶に移し替える処理が睡眠中に行われる
とも言われています。例えば英単語を夜に覚えてよく寝た方が、身につきやすい
と言えます」
−−−仕事で斬新なアイディアが欲しい時も、徹夜で頭をひねるよりも、
睡眠をとる方が有効と筆者はいいます。
▲ ミスをした日は、やけ酒よりも早めの就寝
さらに言えば、不快な記憶をリセットできるのも、やはり睡眠の効果とのことです。
「ネガティブな感情は、レム睡眠中に脳内で処理されることが研究で明らかに
なっています。
注 *レム睡眠 人の睡眠には、大脳が休息しいる「ノンレム睡眠」と睡眠中にも
関わらず大脳が活発に働いている「レム睡眠」がある。この睡眠では浅い睡眠になる。
理不尽なことで上司に叱られたり、凡ミスをおかしてしまったりしたときは、お酒を
飲むよりも寝るに限る。翌朝には気分が晴れて、”よし頑張ろう”という前向きな気分に
なれます」
◎筆者は、楽天的にこう語っていますが、必ずしもこんな割り切りはそう簡単に
できないこともあることを知って、何らかの気分転換、少し体を動かしてみるとか、
リラックスできる音楽を聞くなどの工夫の必要を感じます。
カサブランカとアルストロメリアです。
下手の横好き、私のストレス解消法の一つです。
筆者の見解として、反対に睡眠不足の状態では、嫌な記憶が残ったまま。それのみか、
一寸したことにイライラして攻撃的になりやすいとのことです。私が懇意にしている
青年Tさんもメンタル不調になるとこんな状態ではと気になります。「MRI用いた
実験結果で、睡眠不足の状態では怒りや恐怖の発生源である脳の扁桃体が活性化する
ことがわかっています。すると、ストレスホルモンのアドレナリンが働き過ぎて
恐怖を感じたり、狂暴化したりする。一方で寝不足になると前頭葉の働きは
低下します。前頭葉の前頭前野は自制力を生み出す部分。つまり、ノルアドレナリン
の暴走が止めれなくなってしまうのです」
何故扁桃体が活性化するのかは解明されていないとのこと。筆者は「睡眠は生命を維持
するために不可欠な生理現象。それが十分とれないと脳は危険を感じ、生き残りを
かけて狂暴化するかも知れません」と推測する。いずにせよ、ささいなことことで
イライラしていては仕事が手につかず、パフォーマンスが落ちるのは自明の理だ。
なにげない相手の言葉に激怒するなど、職場の人間関係まで悪くしかねない。
(こんな記事に目を通していますと、前述の私の知り合いの青年のように、本来
メンタル不調になりやすい上に、夜勤の仕事で睡眠も上手くとれないとすると
、ある程度このような兆候を帯びてくると感じました。)
▲ 睡眠不足の三大要因についての筆者の見解
「睡眠不足を引き出す三大要因は、ストレス、運動不足、飲酒と言われています。
もし仕事や家庭になにがしらストレスがあると、寝つきが悪くなり、眠りも浅く
なります。ストレスに関連する夢をみることも多いですね。また運動して体を
適度に疲れさせることも良い睡眠には不可欠。
運動を継続することで睡眠も安定します。飲酒については、お酒を飲んだ後は
、飲まない場合に比べ睡眠が浅くなることが医学上証明されている。筆者自身の
経験から言っても、飲んだ日と 飲まなかった日では、次の日の仕事の
はかどり方がまるで違う。それもあって、最近は、週末だけ飲むことにしています。」
当然のことながら、寝る前の夜食も睡眠不足の引き金になる。
寝ている間も食べたものを消化するために内臓は活動しなければならず、眠りが浅く
なってしまう。酔った勢いで締めにラ−メンを食べるのは、睡眠にとってはまさしく
暴挙だ。これらの要因が見当たらないのに、熟睡感が薄ければ、寝ている間に
呼吸が止まる睡眠時、無呼吸症候群を疑ってみるべきだろうと指摘ています。
<朝日を浴びてメラトニンを生成させる>
筆者は、良質の眠りを得るための具体策としてまず意識したいのは朝日を浴びる
ことだという。
「朝日を浴びておくと、夜になって入眠を促すメラトニンの生成が増えて寝つき
やすくなります。
時間は最低でも30分。朝ランニングする習慣があれば一石二鳥です」
*メラトニンは眠りを誘う睡眠ホルモンの一種で、セロトニンを増やせば
メラトニンを増やすことができます。このセロトニンは、日中太陽の光を浴びる
ことで分泌が促進されます。
このセロトニンの材料が必須アミノ酸トリプトファンです。これは主に
タンパク質に含まれていて胎内に入って脳に運ばれてセロトニンに変化し
夜になるとセロトニンはメラトニンに変わり、眠りをサポ−トします。
朝とは反対に寝る前には蛍光灯のような強い光を浴びるのは禁物とのこと。
脳が覚醒して寝つきが悪くなりやすい。同じ理由から、スマホ、パソコンも
就寝前に見るのは避けた方がよいとのこと。今に限らず自分として習慣化して
いますので何とか改善して体調を整えることが急務に感じました。