5月18日 判例命令 定年後賃下げ 「不合理」再雇用の運転手勝訴/東京地裁 労働情報メ−ルマガより
5月18日 判例命令 定年後賃下げ 「不合理」 再雇用の運転手勝訴/東京地裁
労働情報メ−ルマガより
定年後嘱託社員として再雇用されたトラック運転手3人が職務の内容が変わらないのに賃金を
約3割引き下げられたのは違法として勤務先の長沢運輸(横浜市)i是正を求めた判決が13日
東京地裁であった。佐々木宗啓裁判長は「同じ職務内容での賃金格差は不合理だ」と述べ
差額の支払いなどを命じた。2013年施行の改正労働契約法20条は、働く期間が決まっている
有期雇用社員と正社員との間で労働条件の不合理な格差を禁じている。
原告側の弁護団によると定年後の再雇用社員に対して20条の適用を認めた判決は初という。
判決によると3人は長沢運輸で20〜34年間正社員としてセメント運送に従事。
60歳で定年を迎えると一年ごとに嘱託社員として再雇用されたが賃金を引き下げられた。
2016年5月13日 時事通信より
◎ 私の感じたこと
上記改正労働契約法20条の有期雇用契約社員と正社員の賃金格差は単純な同一労働
同一賃金の原則から禁止しているのでなく、「合理的な理由」があるなら、格差は認められる
と思います。現場のこの種類に従事する方々は、ある年齢以上に達すれば、加齢に伴い
心身の衰えが出ます。積荷、荷降しなどの作業等の場合の能率、、走行中の動体視力、明暗の
順応性の衰えがあり、それらは労災事故の発生率の高さに関係してきます。
こうしたことを配慮すれば、加齢と共に仕事の負荷を加減していかなければなりません。
このような仕事に伴う合理的な安全配慮も不可欠と考えます。とすれば上記の人々の再雇用時の
賃金もある程度の減額認められ得ると私は考えます。定年前と後も同じ仕事だから
単純に同一賃金にすべしでは合理的配慮とは言い難いと私は思います。
セ−フティガ−ドも大切ではないでしょうか。中小企業では、発注先からのコストダウンが
厳しくて、どこかで、その穴埋めを強いられます。そうした時の定年後の賃下げついても
どういう場合、どれだけの切り下げが妥当なのかを当局が明示しなくて、現場のことも
精査せず、一方的判決を下しているような感じさえします。