2月13〜14 日 中高年派遣34万人の悲鳴 アエラ2・15号より

     2月13〜14 日 中高年派遣34万人の悲鳴  アエラ 2・15号より

 

  リストラ等で増え続ける中高年の派遣社員。その数は34万人と、派遣全体の約3割に達した。

  人格まで否定されるブラック現場では、法改正を理由にしたい雇い止めの動きも出始めている。

  「じゃあ、いつ辞める? 今月?来月?」 関東地方の派遣社員の50代の男性Aさんは、

   昨年9月職を失った。その約1月前、派遣先のリ−ダ−の男性社員(40)に事務所内の

   ロッカーに呼び出され叱責された後に、別の社員から突然そう切り出されて

   契約を切られた。

   都内の有名私立大学を卒業後正社員として流通関連の企業や学習塾で働いた。

   だが、40歳を前に勤めていた塾が廃業。必死に仕事を探したが、中高年に正社員の

   椅子はなく、生活のため派遣会社に登録した。しかし、紹介されるのは、警備、引っ越し

  、倉庫作業といった3Kと称される仕事ばかり。15社近い派遣会社に登録し、倉庫を

   中心に働いた。

 

       ▲ パワハラを告発したら 

   昨年3月から派遣されたのは、神奈川県内にある倉庫。医薬品のピッキングと呼ばれる

   作業だった。

   小学校の体育館位の広さの倉庫で、棚から商品を取り出し、箱に入れ、梱包し、配送の

   準備をした。

   倉庫では、14〜5人が働いたが、リ−ダ−を除いて全員が中高年の派遣社員だった。

   Aさんの時給は、県の最低賃金ぎりぎりの900円。毎月の手取りは15万円にも満たず

   交通費も出ない。それでも、朝から夕方までまじめに一生懸命働いた。それが突然契約

   終了を告げられたのだ。 思い当たる節はあった。リ−ダ−の社員は自分が気に入った

   派遣社員ばかりをひいきにし、気に入らない派遣社員には仕事量などで露骨に差別した。

   例えば商品情報を読み取るスキャナ−を気に入った派遣社員だけに使わせたり、

   逆に気にいらない派遣社員の仕事を減らしてやる気を削いだり、少してもミスすれば

   「お前、飛ばすぞ」と怒鳴られた。そうしたパワハラに我慢できず、

   Aさんは会社の役員に訴えたのだ。ロッカ−ル−ムに呼び出されたのは、その日の

   夕方だった。

   リ−ダ−は「不満があれば直接自分に言え」と言った後、別の社員と相談するよう

   に告げた。すると、いきなり冒頭の通告−−−。この社員は、保身から、

   面倒な問題を背負いたくないようだ。

   後日Aさんは、派遣会社の営業マンに「どうにかならないですか」と頼んだが、

   翌月いっぱいで 一方的に契約を打ち切られた。理由は、役員に告げ口したことたと

   聞かされた。「ショックでした。 お前は派遣だからさっさと辞めよと言わんばかり

   ですよね」(Aさん)

   ◎ 理不尽さがよく伝わってきます。どんな職場であるにせよ、一般の人間社会で

   通用する物事の道理が尊重されてこそ、たとえ地位、立場が異なっていても相互の

   信頼と協力関係があって、企業の活動が円滑に進むはず。

   最近日進市の障害者自立支援の会議に出席していて、障害者に対する「合理的配慮」の

   ことが 出てきました。状況は、異なりますが、この派遣現場でも、労働者の目線

   に立っての 配慮があれば、『安心して気持ちよく働ける」職場への改善が少しずつ

   でも実現していく可能性は 、 なきにしもあらずと、考えます。

   とは言え、私の知る限りでは、労働者の人格など軽んじる、鼻持ちならない経営者が

   結構いるようです。

    欧米の労働組合は、日本のように会社ごとに結成されるのが基本でなく

   業種か゜同じ労働者が会社のわくを越えて結成される産業別の労組が中心ですので、

   多分このような派遣社員の泣き寝入りも余りないようような気がします。

   それにしても、この例の会社の手口は、陰湿で、中間管理層の大人げないパワハラ

   嫌がらせの露骨さが出ています。

 

      ▲  部長の執拗なセクハラ

   都内の大手飲料メ−カ−で一般事務の派遣社員として働いていた女性Bさん(41)は

   50代後半の男性部長から、たび重なるセクハラを受けていた。14年8月から働き始め

   15年1月に別の部署の仕事も兼任することになった。セクハラをしてきたのは、兼任先の

   部長だ。懇親会の席で、部長はBさんの年齢や結婚歴、夫婦生活まで言及した。

   性生活を示唆する質問をしつこく続けた。精神のバランスを崩し、夫に声を荒げたり

   突然涙があふれて止まらなくなったりした。やがて、激しい頭痛にも見舞われ、脳神経

   外科を受診すると、ストレスからの「緊張型頭痛」と診断された・抗不安薬や睡眠薬が

   手放せなくなった。

          ▲ 苦情の半数は人間関係

   派遣会社に環境改善を求めたが、対応は鈍い。そればかりか処遇面で不利益を被らぬ

   よう派遣先には、匿名で対応するよう強く求めていたにもかかわらず、実名を告げられて

   しまった。そのせいか、本人は、週5日勤務が3日に減らすと一方的に通告された。

   しかし、Bさんは、昨年4月、一人でも入れる派遣ユニオンに加入した。派遣先と

   派遣会社を相手に団体交渉を行い、前者から和解金、後者からは和解金と謝罪文を

   勝ち取った。

   別の派遣会社で働くBさんは言う。「いつも笑顔で正社員に気を使う一方、契約を

   打ち切られたり、仕事を紹介されなくなったりするのではという不安から、何か

   あっても泣き寝入り。そんな派遣社員は多い。」厚労省が4年に1回実施している

   派遣労働者実態調査(12年)によれば、派遣社員の苦情の内容(複数回答)は、

   「人間関係、いじめ」が51・7%

    セクハラ2・6%もある。「精神的に追い詰められる」 「ストレスを感じる」 

    尊厳を傷つけられる」 と嘆く中高年は少なくない。「正社員は、僕たちが派遣と

    いうだけで頭からなめてかかり、バカにしています」そう話すのは、神奈川県内の

    男性派遣社員のCさん(54)だ。−−−−派遣先ではプライドを傷つけられる

    ばかりだ。親子ほど年齢が離れた正社員からモノ扱いされる。名前で呼ばれる

    ことはなく「お前」と呼ばれ、「使えない奴だだな」と罵倒される。−−今は倉庫で

    資材置き場のピッキングの作業で、毎日のように「スピ−ド」が遅いと

    年下の正社員から怒鳴られる。

    ◎ 上記のように、派遣社員を見下して、人格を傷つけるのが日常茶飯事になっている

    根本原因は経営者が「派遣社員対して合理的配慮が欠けている」ことに起因すると

    私は考えます。 正社員、派遣社 員という身分制度のような職制を定め、たとえ職務能力

    勤務態度もよくても、制度的には硬直化して、正社員への道を阻むのでなく、

    両者の壁を突破らって適正な人事考課によって、合理的な地位、賃金等の処遇をする

    改善がなされるなら、派遣社員さんへの差別も解消していくのではと考えます。

    かって私がコ−チングしていた長崎から来ていた青年は、トヨタ自動車の期間工として

    働いていた時、またトヨタの関連会社で働いていたときに、上司から正社員に

    ならないかと声がかかったといっていました。当時正社員から、上記のように

    見下されたり、パワハラを受けたような話を聞きませんでした。彼は、上司から

   「言葉は悪いけど、君は使える」と言われて嬉しかったと語っていました。  

 

 

 

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