2月9日 「仕事に全人格を捧げる労働者の悲劇」アエラ2・15 増大号より

     2月9〜10日   仕事に全人格を捧げる労働者の悲劇   アエラ2・15増大号より 

     ▲     旅行会社の添乗員の例   安月給カバ−のため報奨金を懐に入れた

 

     こんなことをしていいのだろうか。都内に住む40代の男性は、迷いを打ち消すように、こう

     つぶやいた。「だって、いつもサ−ビス残業させられているじゃないか」 その言葉に背中を

     押されるようにして、報告書にうその金額を書き込んだ。男性の職業は旅行会社の添乗員。

     ツア−中に立ち寄る土産店では、参加者が購入した売上金の一部が旅行会社に報奨金

     として現金でキックバックされる。男性は、会社に売上額を少なめに報告し、報奨金の一部

     数千円を懐にいれた。「きちんと待遇してもらえば、そんな気持ちは起きなかっただたろう。

     でも、そうでもしなければ安月給で食えないですから」 捏造、着服。本来決して越えては

     いけない境界線を越えてしまったのは、熱心に働くほどには報われないという不満や会社への

     怒りの気持ちからだ。大好きな旅にかかる仕事がしたい。そう思って添乗員になった。

     男性は高卒後、2年間専門学校で学び、「国内旅行管理主任者」の資格をとった。だが学費は

     数百万円もかかった。だが、夢をかなえてみると給料は安く、残業代もない。新人の頃は手取り

     10万円を切っていた。 40歳を越えた今も専門学校時代に借りた奨学金の返済が残っている。

          しかもこの派遣社員のこの男性は、父親の葬儀の時でさえも自分が長男で、喪主を務めなければ

     ならないのに、ツア−を企画した大手旅行会社に事情を話しても、にべつもなく断られた。

         彼は、仕事を投げ出すこともできず、親がなくなった悲しみを隠して笑顔をつくるしかなかった。

     結局亡き父のもとに駆けつけたのは、亡くなった4日後。葬儀もすべてすんでいて、父の遺影

     の前で、申し訳なさにぽろぽろと涙があふれてきた。−−−−この記事の編集者は以下のように

     語っている。本来仕事は、人生の一部のはずだ。しかし、効率主義、顧客至上主義 が広がる

     中で、長時間労働、サ−ビス残業がはびこり、何かが狂ってしまう。

     人生自体が仕事に搾取され、追い詰められて一線を越えてしまったり、人間らしさがなくなって

     しまったり、人生設計が狂ったりという人もいる。

     (企業の冷酷な営利追求に対しては、この派遣社員のように、あえて報告書の金額を

      ごまかして報奨金の一部を着服することに、良心の咎めもなくなっていく感じです。

      こんな変わり果てた自分を本人が意識したときを想像しますと、こちらも悲痛になります。)

      また、産業医の阿倍眞雄さんは、著書「快適職場のつくり方」の中で、労働者の全人生や

      全人格を業務に投入する働き方を「全人格労働」と呼んだとのこと。阿倍さんは言う。

      「労働者は生活する人間です。それを夢ややりがいといった言葉や「昨年よりも成績を上げる」

      「与えられた仕事を全うする」といった道徳的標語などで過重労働に追い込んでしまう。

      その結果、うつなどメンタルヘルス不調が増えています」とのことです。

      ◎ 上記の阿倍氏の「労働者を過重労働に追い込み、うつなどを助長する企業の手口は、

       労働基準法などのコンプライアンスから労働者の視点をはぐらかして、夢ややりがい

       業績アップなど会社のぺ−スにのせて、利潤を産む道具として労働強化するやり方で、

       すでにブログで私が紹介した「ブラック企業」でも使っている手口です。

       労働者というよりも、本来の人間性を喪失した『社畜」の方が当たっている企業が増えてる

       感じさえします。 その他以下の”人間らしさが奪われる”例を挙げます。

 

           ▲ 定時退社する同僚に「死ねばいいのに」

        過酷な全人格労働は、仕事をしている自分を壊すだけでなく、人格全部を歪め、人間らしい

        感情を奪ってしまうこさえあるとのことです。都内に住むメ−カ−勤務の男性(44)は、

        自分の口からこんな汚い言葉が自分の口から出たことに驚いた。

        「定時に退社する奴らは、みな死んでしまえばいのに」 社員食堂で夕食を済ませて仕事に

        戻る途中、帰路につく社員の流れを目にした時だった。たとえそう思っていたとしても

        無意識のうちに口にしてしまうなんて。自分はそこまで追い込まれていたのか、と

        気づかされた。男性は品質管理などの担当。現場や工場、協力会社の間で板挟みになり

        交渉、請求、クレ−ムの対応など自分の性格にあっていない業務に忙殺された。−−−

        コスト削減の目標も達成が遅れが慢性化し、精神的にも負担を感じていた。

        ある日出勤しようとしたら会社の門前で足が動かなくなった。心療内科を受診し

        今も不安解消の薬と抗うつ剤を服用しているという。上記の「死ねばいい」の言葉は

        自分自身に発せられたSOSだったかも知れないと感じている。

               ◎ 孤軍奮闘しても解決の糸口が見出せずやるせない感情を吐き出すことで一層

           みじめな思いが強くなるというジレンマに追い込まれています。

         最初に例示した添乗員にしろ、今回の例にしろ、願わくば職場ないしは、その他でも

         心の中を打明けれる人がいると大分気持ちが楽になったり、新しい視点、、観点から

         気づきが生まれるかも知れません。

         私自身も管理教育のひどい職場で働いていたとき、ストレスがたまって心身症になり

         黒板に字を書いていると痛みを感じた時が在り、胃腸も悪化しました。そんな時士業を

         していた友人に社労士の先輩を紹介してもらい、話しを伺い社労士の仕事に関心を

         持ちました。さらにその先輩の資格取得の研修機関の国仲先生を紹介して頂き

         企業でも教育が大切なことを伺い、今までの経験が活かせると思い今の仕事に

         切りかえました。

 

 

 

 

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また就労、解雇等労務管理上の法的クリア(コンプライアンス)や労働者のメンタルヘルス、労災事故から守る安全衛生対策などの指導、助言も行っています。

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