9月30日〜10月1日 嫌な仕事ほど今すぐ手がけ、悩みの原因を潰しておこう
9月30〜10月1日 嫌いな仕事ほど今すぐ手がけ、悩みの原因を潰しておこう
元アップル日本法人社長 ((株))コミュ二カCEO 山元賢治
THE21 2015・10月号より
この記事では、強いプレッシャー(ストレス)に負けず日本法人の社長として活躍
できた秘訣が述べてあって興味をそそります。「心の軸がしっかりしている経営者」
として教えられることが色々あります。
<米国人はメンタルの鍛え方に無関心?>
山元氏曰く「メンタルを強くしたいという人には、殆どの場合、「他人によく思われたい」
「他人にどう思われるか不安だ」という発想があるのでしょう。」
他人の評価が気になって一喜一憂し、喜んだり凹んだりするのは、自分の中に
「何になりたいか」がないからです、とのこと。日本人は殆ど「どの会社に入りたいか」は
あるとしても、「何になりたいか」という目標がないまま社会に出てきます。
でも実際の社会では、自分の人生は自分が切り開いていくものです。
「どうなりたいか」「「どうなったら成功か」という目標が自分の中にあって蛇行しなからも
そこに向かって進んでいく。その意識があれば、他人がどう言おうと気にならない
でしょう。その目標に向かっていく途中で遭遇する困難を乗り越えるためのメンタルの
強さは必要です。つまり何のためにメンタルの強さが必要かというWHYが重要。
しかし、WHYがないのに、「どうやってメンタルを強くするか」というHOWばかりに
注目するのは、日本人の特徴ではないでしょうかと。
◎ 今の厚労省の掲げる「ストレスチェック」は、ただ現実に対しての対症療法
になりやすく、肝心な労働者各自の働く意味、それに起因する働く目標に
焦点を当てた根本的な対応が必要かと考えます。仕事をやらされている
という意識の中ではストレス耐性力は強くなりません。
<課長は半分の人に嫌われる覚悟を>
もう一つ、山元氏が大事な前提として指摘することがある。
「万人に好かれようとしても、それは無理。私は、よく、 課長になったら5割、部長に
なったら7割、社長になったら9割の人に悪口を言われている、と思え、と言っています」
人間に嫉妬はつきもの。特にリ−ダ−に対しては、妬みも強い。他人の上に立ちたい。
他人より成果を上げたい。他人より高い給料が欲しいと思うなら他人にどう思われるか
何を言われるか気にしていてはダメ。そこを気にし過ぎる人がメンタルの部分で
崩れていくのでしょう。万人に評価される人はいないし、そんな方法はないのです。」
◎ 山元氏が言いたいのは、管理職、社長等は自己の信念を貫けということでは
ないかと思われます。
しかし、人間誰しも誤りもありますし、部下の中にも、管理職等の気づかないことを
考えていることもありますので、独善的に陥らず、必要に応じた説明責任、
部下からの意見の傾聴は尊重して頂きたいと思います。とはいっても、部下の
資質によっは、あるいは緊急な事態等の対処の必要性等の事情次第では
強力なリ−ダ−シップが求められることもありますが。
<嫌なメ−ルほど真っ先に処理を>
WHYを重視し、HOWに重点を置くことを戒める山元氏だが、「唯一、方法論が
あるとすれば」と前置きして話してくれたのが「スノ−ボ−ルエフェクト」に
ついてだ。 「問題を放置しておくと、雪の斜面を転げ落ちる雪だるまのように
加速度的に巨大化してしまい個人の力では止められないほど大きくなってしまいます。
そうなってしまってから対処しようとすると、メンタルも大打撃を受けて心が
折れてしまう。ですから嫌いなことほど
問題が小さい中に手を打たなければなりません。−−−
私は、100通のメ−ルの中の90通はできれば開きたくないメ−ルであったとしても
嫌なメ−ルほど先に開いて早く解決してきたこそ、外資系の社長として生き残って
来られた。−−問題が小さいうちに潰してけば、確実に目標に向かって前進している
実感が得られます。最短距離を進んでいるのではなく、たとえ蛇行している
としてもです。−−−−−−−−−−
嫌な仕事に取り組まず、つい先送りしてしまうことが、自分のメンタルを追い詰める
結果につながるわけだ。
「メ−ルを開いたら全部英文だった。後で読もうと思って閉じる。日本のビジネスマンに
よくありますね。これでもうアウトてす。問題の解決は時間との勝負。人間は時間の
流れを変えることはできません。時間と重力にだけは逆らえない。但しそれ以外は全部
言い訳だ、と私は考えています。−−言い訳けをしている人にはメンタルの問題が
一生ついてまわるでしょう。」
<やらさられている感を今すぐ捨て去ろう>
すでにこの呼びかけの言葉について一般労働者ストレス耐性について、私は
言及しましたが、ここでは、主に経営者層を意識した感じをうけました。
エネルギッシュで、たいていのことでは揺らがない山元氏のメンタル。
その根本には独自の人生観があった。その人生観に影響を与えたのは幕末の
志士たちの生き方にあったとのこと。志士たちを基準に考えると、50歳を大事な
人生の節目と考え頑張ってきたと述べています。そのことについて次のように
熱く語っています。「歳をとるにつれて、時間が経つのがどんどん速く感じるように
なります。その加速度は残酷です。 今いる場所にあぐらをかいて、うまくいかない
ことを他人のせいにしている人は、何もできないままに人生を終えてしまいますよ。
結局、メンタルが弱いという問題の根源は、「やられている感」、もっとはっきり
言えば被害者意識にあります。」 彼が仕えたアップルのステイーブ・ジョッブズを
例にして、彼が色んな失敗をしても心が折れなかったのは、”人類の生き方を変え
たい”という目標があったからだと述べ、「自分の人生を他人に委ねるのでなく
自分でデザインする。そのためには、まずは自分のやりたいこと、ビジネスで
成し遂げたい目標を考える、それが強いメンタルを持つに不可欠なのではない
でしょうか」
◎ 何かアメリカの開拓者精神を想起させる力強いものを感じます。
自分の人生を他人に委ねるのでなくの箇所に時として勇気を頂くような
印象を受けはしますが、一般的な人々のレベルからすると
何となく次元の高さを感じざるを得ない印象をうけました。