4月22日 上司のやさしさの本質は無関心
4月22日 上司のやさしさの本質は無関心 プレジデントON Line 2013 4・21より
最近よく上司のパワハラの記事が色んなメンタルヘルスに関する書で目に留まります。
その逆の例として今回紹介します例は、職場方々はどう考えられるでしょうか?
叱らない上司、部下が忙しいと手伝ってくれる上司、そんな上司でいいでしょうか?
昔はどこの会社にも鬼のような上司がいた。上司は部下をきびしく育てた。
しかし、高度成長後40数年して、いつの間にか会社から鬼が消えていった。上司にとり「やさし
さ」は大事な条件かも知れない。部下を引きつけ、部下を動かす最も威力のある武器かも知れない。
これに欠ける上司は上手くやっていけないのかも知れない。
しかし、反面、やさしさは、上司の自殺兵器ではないかとも思う。一歩間違えれば偽善家になって
しまう。いつもにこにこ笑っていて、部下が「忙しい」、「手が足りない」と口をとがらせていると
「では私が手伝おう」と挨拶状のコピ-をとったり、宛名印刷をしたり、雑用を率先して引き受ける。
ろくな返事をしない部下がいても「数字を上げているから」別にいいんじゃないか」と見逃してくれる。
他部署からからも、「あんな人の部下になりたい」という声が上がるほどの人気の係長がいた。
しかし、この係長のような上司は、会社という大局からみたら最悪なのだ。部下に人気があるのは
当然である。こんな上司の下だと、部下は自分が楽だからだ。だがその実、係長の方も楽している
のだ。
叱るより自分がやってしまう方が楽だからに過ぎない。雑用を慌ててやらなければならないのは、
の段取りの悪さや仕事が遅いのが原因である。
上司の声に返事しない部下を許すのは、「やさしい」のではなく、「無責任」なのである。
(つまり、その部署の服務規律に関わる問題を放置しているから)
この上司は部下を指導しないことによって自分の部署が強い組織になることを放棄しているというこ
とだ。上司の本質は「無関心」からくるものだったのだ。
上司というものは、会社が順調なときは誰でもで勤まる。責任感や統率力、思考力や決断力が
なくても、円満な人格だけで勤まるからだ。だが、会社を取り巻く環境がきびしくなり、真に上司の
仕事をしなければならない時、この係長は即刻脱落する。会社が順調でも、遠からず、この係長は
破滅の道をたどるだろう。部下は一向に成長せず、自らは部下の雑用の仕事に追い回され、
上司として自分も一向に成長しないまま、そんなセクションなど会社にとってお荷物に過ぎなくなる。
この「やさしい係長」の正体は、部門に対する責任感に欠ける人、管理者としての使命感に欠ける
人、部下の欠点ひとつ直す気のない心の冷たい人である。
「上司の鬼31則ノ-ト」 プレジデント社刊より抜粋
◎ 職場によっては、このようなタイプの上司はいるかも知れません。
しかし、上司の責任は、部下を指導し、その部署の任務を全うすることにあるわけですから
時には、部下を叱責することも、また未熟な部下には、丁寧に相手が分かるように説明したり
又ときには、部下の悩みごとの相談にのったり、臨機応変に部下に愛情以て育成する必要が
あります。本当の「やさしさ」とはこのような責任を全うする中で自然に部下に伝わっていく
上司の人間力から発揮されるものと私は考えます。
一番避けてほしいのは、両者が相互に顔色を伺う共依存の関係です。
相互に言いたいことも抑えることです。