5月20日 改正安全衛生法案 「ストレスチェック制度の創設」

 

        5月20  日 改正安全衛生法案  「ストレスチェック制度の創設」

 

      この件につきましては、すでにブログで紹介しましたように職場の労働者のストレス増加に

     伴ってメンタル不調に陥る前に対処する施策として労働者の心理的負担の程度を把握するため

     医師、  保健師等による検査の実施が事業者に義務づけられることになります。

      この改正案については反対意見が出て、国会に提出前に厚労省の当初案の修正が行われました。

      その修正の留意点は次のとおりです。

      ① 従業員50人未満の事業所については当分間努力義務とされます。

      ② それ以上の規模の労働者のストレスチェックの受診義務が削除されました。

       (検査を受けたくなければ受診しなくてもよいということです。)

             チェック制度とは名ばかりの体裁を整えるお役所仕事の感じがして、「こんな対策で早期うつ

     防止できるのか」と何となく怒りを覚えます。真面目に働いていて「うつになっていく人」は、心理  

       相談で指導して頂いたF先生によると「なかなか自分の病識を認めないとのこと」

       多分こんな検査で救済するのは困難かと懸念します。

       こういう類の人々の救済をどう考えているのか、政策立案者、それを支持する政治家諸氏に、

      聞きたいです。どうせ悪化してからクリニックにいっても、投薬の対症療法では効果はあまり期待

       できないのが現状。そこからどう脱却しようとするのか全く見えてこない感じです。

       ③ ストレスチェックを実施した場合には、事業者は、検査結果を通知された労働者の希望に

      より 医師の面接指導を実施し、その結果、医師の意見を聴いた上で必要な場合には作業転換、

        労働時間の短縮その他の就業上の措置を講じなければならないとしています。

 

        このような定めは長時間労働の労働について規定されています。 しかし、心の症状は   

        質的に異なりますので、その辺の配慮はどのようにすべきでしょうか。

        それから医師の面接指導のこと。大企業にはそのようなメンタルの指導のできる医師はいるか

        も知れません。でも中小企業の医師にそんなことのできる医師はまずいませんし、外部に依頼

        することもないのではと思います。

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             ④   個人情報の保護   検査を受けた労働者の同意を得ないで当該労働者の検査の

                             結果を事業者に提供してはならい。

                             (これがどれだけ守られるのかも気になることです)

                     ◎ ある弁護士からの指摘

                     ストレスチェックの受診を就業規則等で定めてその受診を業務命令として

                      労働者に命じることができるか ?の問題提示

                      それに対してその弁護士は、「頸肩腕症候群」に罹患している労働者に対する

                      指定病院の受診命令の拒否等を理由とする懲戒処分を有効と判断した判例

                      (電電公社帯広電報電話局事件)を例にして「労働者の健康障害を防止するための

                       ストレスチェックを実施するだけの具体的必要性がある場合には、これを業務

             命令として出すことができることになりそうです。」と述べています。

            ◎ 私の見解  この弁護士は、具体的必要性という一定の制限をおいて

            「業務命令」として出せる可能性を示唆している感じがしますが、

            上記の個人の身体の疾患とメンタルの問題とは、質的に異なりますし

             このような検査は、労働者のプライバシ-、配転、人事考課など処遇にも

             影響しますので、会社側の一方的な命令と受け取られるような決定は避け

             ないと、かえって、社員のためと思ってすることが、社員の反発を買い

             職場のストレスの助長という皮肉な結果にもなりかねないと私は考えます。 

             「伝家の宝刀」は細心の注意をして扱うべきではないでしょうか?

5月15日 うつ社員の働く環境を整えることによる会社全体の働きやすさのアップ

 

   5月15日 うつ社員の働く環境を整えることによる会社全体の働きやすさのアップ

          THE 21 5月号 アイエスエフネットグル-プ代表 渡邊幸義氏の記事より

    会社のニ-ズに合わせて雇用しておきながら、一旦うつのようなメンタル不調に追い込まれ

    所定の労務の提供ができなくなると「使い捨ての雑巾」の退職や解雇を強いる一般の

    企業と異なり、「うつ病の人が希望を失わずに働き続ける環境をつくる」という会社の使命感

    の実践で、どんな方法を用いているのでしょうか?

 

    急成長を続けるアイエスエフネットグル-プの渡邊幸義代表は、2000年の創業以来、うつや病

    統合失調症などを含む障害者や引きこもり、生活保護受給者など、一般的には就労が難しいと

    される人材を積極的に雇用してきた。

    現在、グル-プ社員約2900人が在籍し、約三分の一が元就労困難者。うつ病などのメンタル不全を

    抱える社員もいる。「メンタル不全を抱えていても、おおむね働くことは可能です。

    多くの会社は、うつになった社員は働けないと判断しがちですが、

         「彼らが働ける環境」を創出することをしていない。

    当グル-プでは、社員に合わせて仕事環境を整える。創業以来、それを実践して

    きたから私たちは成長し続けることができたのです」

    うつ病を抱える社員の場合、精神状態が思わしくなければ、期限のある仕事や責任の思い

    仕事でなく、本人が自分のぺ-スで進められる仕事に切り替える。勿論薬で病気を

    コントロールして、できるだけ安定した状態を維持してもらうことは大前提だ。

    さらに上司は社員の状況をよく観察し、問題が生じれば本部長クラスの管理職が集まるUT

       (アンダ-トップ会議)で話し合う体制を整えている。(中略)

         うつ状態の社員が失敗や問題を起こした際は、上司はむやみに叱らないことも徹底している。

    「叱りつけるか、事情を聞くか。その初期対応で、社員の精神状態は大きく変わります。

    うつ状態にある社員は、自律神経のバランスが崩れた結果、行動に異常を来たしている。

    それを叱りつければ、さらにどん底につき落とされます。

    ストレス要因が、一つ増え、ますます悪化していくだけなのです。」

 

     うつ病による生産性の低下について、同グル-プでは、どう対応しているのだろうか。

     渡邊代表は、社員がそれぞれの状況に合わせて仕事を選択できるよう「ドリ-ムポイント制度」を

     導入している。 「社内の業務をカテゴライズして点数化しました。難易度、重要性、緊急度

     属人性(本人の年齢、学歴など、本人の職務と関係のないこと)などによって仕事の単価を

     計算し、やった分が自分の成果になる。こうするとうつ病に限らず、子育てや介護などで時間が

     制限される状態になった社員も自分の仕事量を調整できます。

     社内の不平等感を生まず、早退や休職を選ぶ人も後ろめたさが少ない。またより難易度の高い

     仕事に挑戦すれば、自分のスキルアップや給料アップも実現できます。」 

          以上の給与制度の会社の工夫の中に、社員から信頼される、「合理性」、「公平性」が

     読み取れますし個々の社員の都合に合わせて就労時間の選択もできる会社の配慮も

     「働きやすい職場の環境づくり」の一翼をになっていることも痛感します。

     うつになった社員は、今できる仕事を続ける。一日一時間だけの出社でも、あるいは在宅でも、

     仕事を続けることが重要だと渡邊代表は考える。

     「私はうつ病の社員はを解雇しません。今の社会では、会社から見はなされたうつ病の社員は

     生きていくことができなくなるからです。うつ病の人が希望を失わず、社会から切り離されずに

     働き続けられる環境をつくることが我々の使命です。」

     通常の会社ならば毎日出社できてコミュニケ-ション能力があり、経験や技能わ有する人を人材

     と呼ぶ。しかし、渡邊代表はそうした既成概念にとらわれず、「人間性が高く、働きたいという

     意思があれば基本的に雇いいれる」と語る。

     「たとえば、アスベルガ-症候群の社員の中には集中力や思考力で天才的な才能を発揮している

     人も多い。うつ病の社員にも、真面目で物事を精緻にこなそうとする人がとても多い。うつ病の

     人は、薬で精神的に安定していればこれほど信頼できる人材はいない。彼らに合った仕事は

     必ずあります」

     たとえメンタル障害者になっても、 各自の特性を活かしたの戦力発揮の機会があるとの

     力強い渡邊代表のこの言葉を就労支援のNPOの利用者たちにも聞かせたい思いに

     駆られます。     

5月12日うつ病発病後の解雇に関する判決

 

            5月12日 うつ病発病後の解雇に関する判決  (H26・3・24 最高裁判決)

                                                                 厚生労働省のHP情報より

 

           ▲    事件の概要

            ●    労働者は、液晶ディスプレーの製造ラインを構築するプロジェクトリ-ダ-

            ●    一つのプロジェクトの従業中、休日に出勤することが多く、帰宅が午後11時を

                 過ぎることも増えた。

             ●   その後うつ病を発症

             ●   平成15年1月  : 欠勤期間が就業規則の定める期間を超過したため 休職発令

             ●    定期的に上司との面接等を実施

                ●    平成16年8月16日 休職期間満了を理由とする解雇予告通知

            ◎  会社のリスク意識の欠如--私傷病なら問題にはありませんが、業務上の疾病、

                 つまり労災の場合は当然解雇が制限され、違法になります。

             労災認定に関わる心理的負荷による精神障害の認定基準(平成23年12月26日

             基発1226第1号本省局長通達)

                につきましては、企業の安全衛生の責任者の方々は、熟読されるのが宜しいかと

       思います。長時間労働のこと、パワハラ、いじめ等による心理的負荷のことなど

       が記載されていますので。

 

         なお解雇無効の訴えは、一審、二審ともに認め確定され、上告審の争点は賠償額と

        なっていました。 

        判決では、高裁が賠償額を減額理由とした事情は「社員側の責めに帰すべきではない」と判断

        (東京高裁の判決を破棄)し審理を同高裁に差し戻しました。高裁では会社が支払うべき額が

        上積される見通しです。

        ▲ 事件名  解雇無効確認等請求事件  最高裁第2小法廷

          判決要旨

        労働者が過重な業務によってうつ病を発症し増悪された場合において、使用者の安全配慮

        義務違反等を理由とする損害賠償等の額を定めるに当たり、当該労働者が自らの精神的

        健康に関する情報を申告しなかったことをもって過失相殺することができないとされる。

4月26日 職場うつの現状と対策

 

    4月26日 職場うつの現状と対策   THE 21 5月号より

 

    大野裕先生、  横山美弥子氏 産業カウンセラ-・キャリアカウンセラ-の記事を引用して

    「うつ防止策」についての大事なポイントについて言及します。

    2012年に実施した日本生産性本部の調査によると「心の病を抱える社員の割合が増えた」と答えた

    上場企業は40%近くに上る。職場のうつの原因で最も多いのは、「職場の人間関係」、

     「性格の不一致」や上下関係以外に社内の期待に答えられない、責任の所在があいまいなどの

     広義の人間関係もストレス要因となる。これらのうつの増加要因について、うつの権威大野先生は

     こう分析する。「うつに関する認識が高まり、自分もうつじゃないかと精神科に受診する人が増えた

     こと、一方でまだ受診への心理的ハ-ドルがが高く治療が必要なのに4分の1しか受診していない

     との見方もあります」とのこと。

     横山氏は、「企業の人事査定の目がきびしくなり、再就職が難しい社会状況から心の不調を隠し

     通そうとする社員も依然としています。と」述べています。

     厚生労働省によると自殺やうつ病による社会的損失の推計額は2009年度で約2兆7千億円。

     企業、そして社会全体への損失は計り知れない。そうならないための早めのケアとして注目

     されるのが次のチェックシ-トである。

     (1) 「社員のうつを見抜くチェックシ-ト」 

     (2)  米国のDSM-5(近々日本版が完成する)による診断基準 

        これのDSM-4のクリニックの例をこの前紹介してますので省略します。

 

      (1)について横山氏は7項目にわたるチェックポイントで部下の素行の変化に注目して「うつの

         前兆」を見逃さないことに留意しています。

         ネットにもこれに幾分加工したと思しき類似例がでています。

        ① 出勤状況

        ② 身だしなみ

        ③ 重要書類の紛失、電話での喧嘩

        ④ ケアレスミス

        ⑤ 市販薬の服用        身体状況の障害など

        ⑥ 周囲の転勤、退職      本人への心理的影響

        ⑦ 普段とは逆の感情の表出    不自然な本人のパフォ-マンスに注目する

 

        工夫をこらした項目もあり、相手質問に対してどんな応答するのか興味がわきます。

        以上の7つの中で3つ以上が2週間続いたら面談が必要とのことです。

        しかし、それに該当したとしても、本人が果たしてどれだけ自己開示するのかが

        問題と感じます。日頃上司との信頼関係がないと、自己防衛の殻が堅くなると思います。

        そうかと言って第三者の専門家に依頼しても、かなり困難なことも十分あり得ると

        思います。

        相手がそのような「大丈夫です」とガ-ドして答えても、しばらく様子を見るとの横山氏の

        見解に賛同できます。

        なお大野先生は「この際上司に求められるのは話しやすい環境をつくり、じっくり話を聞く

        こと。

        その上で問題点を整理する必要がある。」

        「仕事量や内容、職場の人間関係など業務に関わる問題は上司が対策を考える。

        しかし、家庭や恋愛などプライベートの問題、本人が抱える病的な精神状態に関しては

        上司は深追いはしません。」-------------続けて先生は、「うつは予測がつかない。

        "普段と何か違う"と感じたらいつも以上に気を付けて社員を観察し、話し合いの場をもつ

         ことです。また原因が上司その人の場合もあるので、会社の中で上司以外の人と話せる

         環境(例 メンタ-制度)をつくっておくことも必要でしょう。」

 

         ◎ 以上の先生のアドバイスから感じたこと

         a  メンタル不調の社員の状況に応じた上司の分限について、対処法の仕分けを

           すべきこと。(上司のできること、できないことの見極めのことです)

         b   予想できる社員の事情に応じて関係する責任者は対応可能な選択枝を予め

            周到に用意しておくこと。(メンタ-のこと、社内の本人にとって話しやすい人など)

 

          その他この記事を通読していて感じたことは、管理監督に当たる上司は部下の

          メンタルヘルスに関わる安全配慮義務の責任にも関与するので

          自己のメンタルの自省ができないと適切に部下の指導ができないことも想起しました。

          叱責するにしても、相手の気持ちにも配慮できる、ゆとり、寛容さなど。

                    日頃の上司と部下の信頼関係が築けないと、部下にとっては何かにつけて

          ストレスが鬱積します。まずは、身近な問題の対処から始まります。

 

 

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              近く改正される「労働安全衛生法」に伴い企業のやるべきこと

       今回の改正案には「メンタルヘルス対策の充実、強化」が盛り込まれ、成立すれば、従業員

       50名以上の事業所に次の二つの義務が課せられる。

          まず、社員の精神的な負担の程度を把握するために、年一回、医師または保健師による

       検査('ストレスチェック)の実施が義務づけられる。さらに検査の結果、精神的不調が判明した

       場合、企業は社員の要望に応じて、医師による面接指導を行い、必要に応じて作業の転換

       労働時間の短縮など就業上の措置を講じなければならない。

       この改正案は今期通常国会に提出される見通しだが、法案が成立すれば、行政側の立ち入り

       検査もきびしくなることが予測される。社員の心の健康に関する企業側のの責任・義務は今後

       ますます高まっていくことは間違いない。企業側もいち早く取り入れていくことで、企業の健全

       

       福利厚生への取り組みを内外にアピ-ルすることにもつながるだろう。 

             ◎  以上のようにこのPHPの記者はさらりと述べていますが、上記の「ストレスチェック」の

         ような心理調査する場合、ただ政府から強要されたからやるのではなく

         3月19日に私が忠告しましたように、「妥当性」、「客観性」、「信頼性」が心理調査に

         不可欠です。特に会社と社員さんの「信頼」。

         このような調査では、そのような調査に当たって担当者は、可能な限り

         きちんと趣旨、説明をして両者間の合意の下で実施すべきと考えます。

         あくまでも社員さんのメンタルヘルスの向上のために活かす調査であって

         会社のなんらかの思惑、意図があってなされると感じられる調査はさける

         べきと私は考えます。


 

 

 

 

 
 

5月2日   続1 職場のうつ対策

 

          5月2日 続1  職場のうつ対策

        < 休職に至る過程とその後の様々な社内の対処の仕方と留意点>

              社員がうつを発症した場合、その治療で最も大切なのは、本人がなるべくストレスを

      感じなくて 心を休める環境をつくること、特に原因が仕事にある場合、一時的に職場を

      離れて休養することも治療の重要なステップとなり、就業規則で休職の制度が定めて

      います。その治療機関について、大野先生は、「話をして医師との相性が合うこと。

      患者の質問に対たいして分かりやすく話してくれることが大切。さらに薬の副作用について

      十分な説明があることも信頼できる医師の判断基準になります。」と述べていますが、

       初めてうつになったと思われる社員はなかなか信頼できそうな医院の選択は困難です。

       むしろ巷の医療ビジネスの「カモ」にされやすい懸念さえ私は感じます。

       ですから真に社員のことを会社が配慮するなら、通例の労災事故の時などのように事前に

       治療を受ける医院を目ぼしをつけておいて、 就業規則で「状況次第では、会社の指定する

       医院で受診させることができる」と定めることも必要かと思います。但し本人に説明した後

       最終判断は本人に委ねさせるのがよろしいかと私は思います。社員が診断書を勝手に入手して

       休職願いを出す場合は会社指定の医院で再受診させる方法もとれます。

 

       休職から復職に至るまでについては、大野先生は「上司のスタンスは、焦らない、焦らせない

       ことが最も重要」と指摘し、本人を仕事から離して休養と治療に専念できる環境をつくることが

       上司の役割とのこと。そしてこの間、大まかなロ-ドマップ(進行手順)を決めておく。

       この際、本人と上司に加え、医師(或はカウンセラ-)、家族の四者が話し合いに参加するのが

       望ましいとのことです。

       企業側は、休職期間の本人の所属、給与面、保障面、社会保険などの条件を本人に提示

       すると共に書面でも明確にすることが必要とのこと。

       また、休職中の連絡手段、その頻度、社員側、会社側の連絡担当も決めておくこと。

       会社側の連絡担当は、本人の希望に合わせるのが望ましいとのことです。------------

             社員側は、医師の診断書など必要書類を提出する義務があります。

 

       「上司とのことは、本人の同意を得て社員が通院する病院に同行し、医師から診断書を

        受けとって欲しい」と横山氏は考えます。その時に上司の留意すべきこととか、

        支援できることを直接医師から聞けるからです。

        但し、本人の病状を聞くのは、「個人情報の保護」に抵触するので、避けるべきだとのこと。

        社内に産業医がいる場合は、可能なら面接のタイミング、ぺ-スを決めておくのがよいと

        アドバイスしています。

        ◎なお、このような休職中の記事で、家族とのメンタルケアについて殆ど触れていません。

        この辺の配慮も療養過程で大切かと思います。特に本人が家庭を持っているときのこと。

        ご主人がうつになって一日家に閉じこもっていますと、妻のストレスも鬱積して、それが

        患者に悪影響します。でも中々気の利く奥さんもいます。私のサラリ-マンのが時、同僚が

        うつになり、上司に命令で家庭訪問しました。当時私はカウンセリングの知識などなく、

        痛な顔の彼にどう言っていいのかとても戸惑いました。

        しかし、再度お会いした時は一変しました。奥さんの内輪の話。

        団地生活していて近所の人々の視線を気になるのに、昼中ひと目を気にせず、ご主人と

        キャッチボ-ルしているとのこと。それを聞いて私は「彼は癒される」と直感しました。

        今の自分なら、「奥さんは立派なセラビストだ。時間はかかるが癒されるよ」

        こんな言い方をすると思います。対人関係療法の権威水島先生が力説される「重要な他者」

        としての務めを果たしています。事実このM氏は3年後に復職しました。

        家庭訪問の際には、会社の担当者とともにある程度カウンセリングもできるベテランの

        保健師当たりが同行するのがよろしいかと思います。

 

 5月6日 続2 職場のうつ対策

 

     5月6 日  続2   職場のうつ対策

 

     1  休職期間中の残された社員のフォロ-

     これについての以下のことは、本人にとっても、同僚にとっても大事なことです。

      ●  休職理由は本人から了承された範囲で同僚に伝えること。

       ●  本人の回復状態については、随時上司から伝えるとともに、復職までの人員補充や

          仕事の調整などについては、上層部と交渉して同僚の負担にも配慮して不満の解消に尽力

          することが社内の士気にとっても不可欠です。

          本人が復職して、同僚に再会できたとしても、本人に冷ややかな雰囲気を感じさせない

           ためにもこのようなことは留意すべきと考えます。

           うつ病者は、感情の起伏が激しく、特によくなりかけた時、不測の事態がしばしば

         起こります。うつ病で休んでいた同僚が復職の挨拶をした直後自殺したことがありました。

         その時の彼の表情を見て、私は、「ちょっと心配だな」と予感がしましたが、不測の事態

         になりました。

       2    休職中の本人の生活と復職の準備について

          (1) 生活のリズムと自己管理

          起床、就寝等の規則正しい生活習慣づくり、散歩、軽い運動など。

          その他 日々の行動、その時々の気分、体調の変化等の記録をつける。

          認知行動療法で使う手法と似ています。このような振り返りも「気づき」が生まれ有益です。

            (2)復職の準備

          a   勤務時間に合わせて図書館に通う

          b    作業能力を回復する。

            ● 新聞、小説などの好きな本の通読をして、関心のある個所を要約して書き留める。

            ● パソコンで仕事関連の書類を作成する等

          c   休職に至るまでの過程を振り返ってみる。

           ●  自分がうつ病になっていった過程について

           ●  自分の仕事ぶり、上司や同僚との人間関係について

           このような振り返りも回復の兆しがみえて、ゆとりが出てきた時がその好機です。      

           カウンセリングでは、クライアントが「なりたい自分になる」ということを聞きます。

           しかし、それはただ本人の目先の欲望を充足することでなく、ある程度の人生の

           スパンに関わるキャリア形成につながってきます。

           うつ病に苦しむことは、そのような達成のためには大きな障害になりかねません。

           しかし、この試練を通して上記の振り返りをすることも、自己の弱さ、その背後に

           潜む強さと真剣に向かい合い、新しい自己のキャリア形成の再出発にもなり得る

           と色んな試練を体験された方々の例から痛感しています。

           自己のつらい体験を活かしてメンタルの仕事で活躍されているスペシャリストも

           みえますので。

            過去一年余りに少し顔を合わせた間柄ではありますが、二人の青年の自殺の

            悲報を聞いてとても悔しい思いがしています。

            「つらいかも知れないけれど、生きていればこそあなたの存在価値を発揮できる

            時がめぐってくる」よくリストカットしてその時の状況を話してくれた女性にそんな

            話をしたことがあります。たとえ家族と同居していても、真に自己の苦しい心境が理

            されなければ孤独なのです。

            ですから、「復職支援プログラム」のような機会を利用して自分と同じような悩みを

            抱えた仲間とCBTのグル-プワ-クの訓練を受けることも大変有益と思います。

            名古屋市ですと中村区の「ここらぼ」がその例です。 

 5月7日    続 3 職場のうつ対策

 

    5月7日  続 3  職場のうつ対策

 

     ▲   職場復帰のタイミング

 

            a   主治医の復職許可書を添付して本人から復職願書が提出された場合

        この件につきましては、すでに安全衛生法に関する私のサイトで述べましたように

        会社としてその主治医の判断の根拠となる資料を入手し、検討委員会でそれに

        同意できなければ、就業規則に基づいて会社は、他の医療機関に診断を依頼

        できます。 主治医は、本人が復職を許可して欲しいと言えば許可書は書くと心理相談

         の研修会の場である労災病院の医師は公言しています。

         しかし、単なる患者の願望に沿うことが治療目的に合致するわけでなく、

         会社が必要と認めた時に他の医療機関に依頼することが本人のためにも必要なことを

         担当者から本人にきちんと説明すべきかと思います。

         うつ病の再発率約50%は、一時的な心身の好転で復職の時期がを判断するのでなく

         冷静に見極めることが求められます。

         (とは言え、感情の起伏が大きいうつの患者ですので、慎重に言葉を選んで伝えることが

          肝要かと思います)

                b  職場復帰判定の基準   厚労省の基準マニュアルを参考にして

          リハビリ出勤の状態をみて最終判断します。

         ①  本人の就労能力、意欲について

          ● 職場復帰に十分な意欲がある  

           ●  一人で安全に通勤できる。

           ● 会社の設定している勤務時間の就労ができる。

           ●業務に必要な作業をこなすことができる。

          ②  本人の心身の状態

            ● 作業等による疲労が翌日まで十分回復できる。

            ● 適切な睡眠、覚睡のリズムが整っている

            ● 昼間の眠気がない

            ● 業務遂行に必要な注意力、集中力が回復している。 

                  ◎  ここの職場復帰判定の基準の重みについて

         ①と②のことは、至極当然過ぎることなのです。でも会社のこのようなことを

         審議検討する委員の各社員がその時になって、本人のことをああだ、こうだと

         いっているのは、「何か泥棒をみて縄をなうような」その場しのぎの

         対症療法」に過ぎない感じがします。

          このような本人の復職に関わる判定の前に一般の企業では「リハビリ出勤」で就労の

          意欲、仕事ぶり等について担当者は本人を観察して復職の最終決定をします。

          それでも、復職成功率50%は、どこに問題があるのでしょうか?

                 、うつ病が本人たちから何を奪っていくのか、上記の②の睡眠、覚睡のリズムの崩れが

         業務遂行に必要な注意力、集中力の欠如とか、疲労回復の不充分に影響します。

         このリズムの崩れの原因は脳の働きに障害が生じ、感情、思考 、意思のコントロールの

         機能が効かなくなることに起因します。

         そのような状況からの脱却のためには、上司と部下との信頼関係の中での認知行動

         療法の実践が有効な方法の一つと考えます。傾聴してもらうこと、日報などを書いて

         一緒に考えてもらい、アドバイスをヒントにして「自己の認知の修正」が可能になります。

         悪化する前に軌道修正できることが部下の命運を左右します。

         (その他信頼できる先輩などでも可)

                  うつ病患者が増え続け、しかも日本の場合再発率が高い。それに対して、政府の

          打ち出す施策は、「残業長時間労働に対する医師の面接」 とか「うつ病防止の

          早期発見チェックリスト」など適宜  「安衛法の改正」で対処するのみ。

          上記の復職判定基準も上っ面をみてこと足れりの感じです。

           よく現国の教科書にパスカルの「パンセ」のなかの「人間は考える葦である」が

           出ています。人は少し風雨にさらさせると折れて傷つきます。その弱々しさは、まるで

           「ロウソクの炎のように消え易い」のです。でも自分を圧倒する宇宙をしのぐ存在にも

           なり得る。 この言葉の中に「うつの人々の存在価値」を見出すことが出来ます。

           ですから、上記のようなうわべだけの施策でなく、うつ病の精神構造の特性に即した

           もっと効果ある施策を切望します。認知行動療法が必ずしも唯一の最善策とは

           思いませんが、科学的実証性は説得力があります。、

           しかし、医療ビジネスが様々な勢力と結託してのさばっている現状では、悲しいかな

           改革の壁の厚さを感じざるを得ません。

4月22日 上司のやさしさの本質は無関心

 

     4月22日 上司のやさしさの本質は無関心  プレジデントON Line 2013 4・21より

 

     最近よく上司のパワハラの記事が色んなメンタルヘルスに関する書で目に留まります。

     その逆の例として今回紹介します例は、職場方々はどう考えられるでしょうか?

             叱らない上司、部下が忙しいと手伝ってくれる上司、そんな上司でいいでしょうか?

         昔はどこの会社にも鬼のような上司がいた。上司は部下をきびしく育てた。

     しかし、高度成長後40数年して、いつの間にか会社から鬼が消えていった。上司にとり「やさし

     さ」は大事な条件かも知れない。部下を引きつけ、部下を動かす最も威力のある武器かも知れない。

     これに欠ける上司は上手くやっていけないのかも知れない。

     しかし、反面、やさしさは、上司の自殺兵器ではないかとも思う。一歩間違えれば偽善家になって

     しまう。いつもにこにこ笑っていて、部下が「忙しい」、「手が足りない」と口をとがらせていると

    「では私が手伝おう」と挨拶状のコピ-をとったり、宛名印刷をしたり、雑用を率先して引き受ける。

   ろくな返事をしない部下がいても「数字を上げているから」別にいいんじゃないか」と見逃してくれる。

     他部署からからも、「あんな人の部下になりたい」という声が上がるほどの人気の係長がいた。

     しかし、この係長のような上司は、会社という大局からみたら最悪なのだ。部下に人気があるのは

     当然である。こんな上司の下だと、部下は自分が楽だからだ。だがその実、係長の方も楽している 

     のだ。

     叱るより自分がやってしまう方が楽だからに過ぎない。雑用を慌ててやらなければならないのは、

     の段取りの悪さや仕事が遅いのが原因である。

     上司の声に返事しない部下を許すのは、「やさしい」のではなく、「無責任」なのである。

     (つまり、その部署の服務規律に関わる問題を放置しているから)

          この上司は部下を指導しないことによって自分の部署が強い組織になることを放棄しているというこ

     とだ。上司の本質は「無関心」からくるものだったのだ。

 

    上司というものは、会社が順調なときは誰でもで勤まる。責任感や統率力、思考力や決断力が

    なくても、円満な人格だけで勤まるからだ。だが、会社を取り巻く環境がきびしくなり、真に上司の

     仕事をしなければならない時、この係長は即刻脱落する。会社が順調でも、遠からず、この係長は

     破滅の道をたどるだろう。部下は一向に成長せず、自らは部下の雑用の仕事に追い回され、

    上司として自分も一向に成長しないまま、そんなセクションなど会社にとってお荷物に過ぎなくなる。

     この「やさしい係長」の正体は、部門に対する責任感に欠ける人、管理者としての使命感に欠ける

     人、部下の欠点ひとつ直す気のない心の冷たい人である。  

     「上司の鬼31則ノ-ト」  プレジデント社刊より抜粋

 

     ◎  職場によっては、このようなタイプの上司はいるかも知れません。

     しかし、上司の責任は、部下を指導し、その部署の任務を全うすることにあるわけですから

     時には、部下を叱責することも、また未熟な部下には、丁寧に相手が分かるように説明したり

     又ときには、部下の悩みごとの相談にのったり、臨機応変に部下に愛情以て育成する必要が

     あります。本当の「やさしさ」とはこのような責任を全うする中で自然に部下に伝わっていく

     上司の人間力から発揮されるものと私は考えます。

     一番避けてほしいのは、両者が相互に顔色を伺う共依存の関係です。

     相互に言いたいことも抑えることです。

 

 

 

 

 

 
 

 4月17日 認識を変える  鈴木義幸先生 コ-チA配信より

 

     4月17日 認識を変える  鈴木義幸先生  コ-チA 配信より

 

      今回では、上司が部下から学ぶことにより、新しい視点から認知を変えるという

      「パラダイムシフト」が焦点として例示されています。

      上司は只過去に修得した経験、知識の貯金のみで部下を指導して行こうとしても、両者の

      意思の疎通は上手くいかず、信頼関係は築けません。それに対してどう対処したらよいかの

      ヒントが提示され、すでに上司として活躍中の方、今後そのような立場に立つ方にとって参考

      になる事例かと思います。 

      「教えるとは教えられることでもある」という逆説の真理も時として、リ-ダ-として貴重なことと

       私自身ずっと胆に銘じてきたことでもあります。

 

       "リ-ダ-"としての成長とはなんでしょうか。

       知識が増えること、仕事を効率よく進められるようになること、

       より多くの人を働かせるようになること、そうならば「人の動か仕方が問われるでしょうか?

             それとも「動かせる人数が増えればいいのでしょうか」

       ハ-バ-ト゛教育大学院教授のロバ-ト、キ-ガンもこれらの問に対して1つの方向性を与えてくれる

        とのことです。 教授は「成長するというのは、世界(物事)に対する認識の仕方が変わること

        である。」と。たとえば「部下を自分の戦略を遂行するための駒としてしか見なかった人が、

        部下のキャリアに対して意識を向けるようになる。」

      どちらの見方がすぐれているということでなく、認識の仕方が変わったということは、彼の言葉に

        従えば「そこに成長があったと言えるでしょう。」と。

      例えば日本国内だけのマ-ケティングをどうみるか考えていた人が、アジア全体という拡大視点で

        それを位置づけるのも成長と言えるとのこと。

        ではそのようにすれば世界に対する認識の仕方を変えるかとなると、難しいのは、自分の認知

        の世界の仕方は、多くの場合、無意識、無自覚のため、自分のことは、中々気づかないとの

        ことで、ここに大事なポイントがあります。

           一方、他人がどう世界を認識しているかは案外よくわかるとのこと。

       例えば、上司について「あの課長は視野がせまい」とか「部下をものとして扱っている」など。

        このように部下は上司自身よりも分かっている可能性があるということです。

        しかし、分かっていても、部下が上司に向かってこのような上司の認識の傾向や思考のくせ

        (上司にとって弱点と思えること)を直接伝えることは並大抵のことではありません。

        「上司を怒らせてしまうかも知れませんから、部下の側には大きな勇気を必要とします。」と

        鈴木先生は述べています。

 

         先生は、友人のラガ-マンを例にしてこのことを次のびように述べています。

         彼はラグビ-の代表チ-ムのコ-チとして二人の/監督に仕えたとのことです。

         二人目の監督は、現役のときには、輝かしい成績を収めて引退直後監督になったそうで、

        彼は誰よりも先頭に立ち、自分が模範を示すことで選手に技術を教えようとしたとのこと。

         鈴木先生の友人は、その指導方法に違和感を覚えたとのこと。

         すべてのプレ-のモデルになることは決して監督の仕事ではない。他にやることがある

         はずだ。その監督は、ス-パ-プレ-ヤだった人。

                 誰も彼の指導方針に異議を唱えることは簡単ではありません。先生の友人は悩んだ末

        自分の思いを監督に伝えたとのことです。

       「この先年齢とともに、あなたのプレ-の精度は必ず落ちてきます。---今のような指導法は

        通用しなくなるでしょう。あなたは監督として大成して欲しい。監督の仕事は、決して

        プレイングマネジャ-をつとめることではありません。」

        監督は先生の友人の言葉を真剣な面持で聞き、友人をじっとみて「わかった」と言った

        そうです。その後彼は「練習マネジメントすること」が自分の責任であると考えるように

        なったとのこと。マスタ-プランを考え、それがどうすればコ-チ陣によってうまく運用される

          かを追及するようになりました。まさに認知のパラダイムシフトの実践でした。

          その結果彼の監督としての力量は今とても高く評価されているとのことです。

         この記事を読んでいて、名選手、名監督ならずの言葉を想起しました。

         人を束ねる指導者としは、それ相応の人間力が不可欠であるということ。

         感情のコントロールができる「腹のすわった人」とか、

         謙遜で包容力のある人などです。

 

3月30日 弱みを活かす コ-チA配信 栗本渉氏

 

        3月30  日           弱みを活かす     コ-チA配信  栗本渉氏

 

           職場のリ-ダ-が部下の面前で自己の弱みを開示することの効果について 

           リ-ダ-が有能であることは、人を率いる上で必ず求められると思います。

          しかし、「周囲を活かす」ことを考えた場合、その有能さは「もろ刃の剣」にもなりかねません。

          大企業の金融サ-ビス企業のA氏は優秀なリ-ダ-。

          リ-ダ-シップに関するアセスメントでも周囲の人たちからの回答結果は非の打ちどころのないもの。

           周囲の人々は、A氏のパフォ-マンスを信頼し尊敬しています。A氏の戦略や判断は極めて

           微妙な違和感が生じたとのことです。A氏について語る人々の表情が生き生きしていない。

         決して暗くないものの笑みや声にも抑揚が少なく常に冷静、客観的なものとのことです。

        ある人にインタピュ-した際にこのことを率直に伝えてみると次のようなコメントが返ってきたとのこと。

          『わかりますよ。それ。Aさんはある種の天才です。私たちには程遠い存在なのです。

          Aさんに言われると、自分はダメなんだなと思わざるを得ない。言われた人は、自分の存在

          価値を感じられなくなるのでは?   「君たちには無理と言われるのが分かっていも、本当は

          もっと任せて欲しいと思いますよ」   ただ一度だけA氏を身近に感じたことがあったとのこと。

          A氏がどうしても事態打開の方策が見つからず悩んでいたことがあり、会議中、珍しく本気で

          弱音を吐いたそうです。

          「どうしたらよいか---わからない。すまん、誰か助けてくれないか--」  A氏はいつものオ-ラは

          なかった。『一瞬ショックでした」 でも、とっさにこの人を助けなければと思ったとのこと。   

          コ-チング研究所では、リ-ダ-のどのような行動が部下のどの行動と関連性が高いのか膨大な

     デ-タから割り出そうとしている。

    「私はいい仕事をしていく自信がある」と答えるような部下の状態と関連性が高い

     リ−ダ-の行動は、「ビジョンを魅力的に語っている」ことや、「部下の強みや得意

     分野を引き出している」という行動であることが見えてきているとのことです。

 

     一方では周囲から余りにも有能だったと思われているリ-ダ-の下では、周囲の人の

     「強みや得意分野」が引き出されていない場合に遭遇することがある。

      もちろん、誰もが自分のリ-ダ-には、「有能さを期待したいものでしょう。とはいえ

      それによって自分の存在価値を打ち消されるものではない。 

            部下にはこのようなリ-ダ-に対して言葉にしづらい「微妙な期待」が存在することを

      次に紹介する運輸業界の現場のトップをつとめるB氏は十分分かっていたかも知れない

      とのことです。 「Bさん人前で話すのが得意ではない。しかし、その点は

      〇〇さんが補佐しますから問題はありません。」

      「Bさんは計数管理に弱いんです。そこは経営企画の〇〇さんががっちりサポ-ト

       しています。」

       B さんの弱みがすでに皆に共有されていること。その弱みを誰かが補うよう動いて

、      いること。周りが、B氏を「助けたがっていること」。そういう雰囲気が伝わって

       きたそうです。 

       リ−ダ-の弱みが皆に知られ、助ける人が集まり、チ- ム  として結束している。

      ふと栗本氏は「B氏が単なる有能なリ-ダ-をするきにさせるこえる「ある有能さ」を持つこと」に

       気づいたとのことです。

            それは有能でありながら自分の弱みをも周りに開示してしまう演技力。

       その結果気づかぬ間に周囲が主役になっている、そんな感じです。

 

       ◎わたしの印象 たいして能力もないのに虚勢を張って部下を威嚇し、何かにつけて

       バカ犬のように吠えているパワハラ上司と異なり、このタイプの上司の場合

       栗本氏のコメントも当たっているような気もしますが、なんといっても、上司が

       困っているピンチの時、部下が、積極的に上司を支援しようとさせるのは

       日頃のこの上司の人間的な魅力がそうさせているのではないかと思いました。

       部下が何か困ったり、悩んでいるようなときに素早く察知して声をかけてくれる

       とか、相談にのってくれるような心遣いができるような人間力も兼ね備えた

       上司であればこそ必要な時に部下が動いてくれるのではと感じました。    

3月27日 過労死責任 経営者に問う

            3月27 日 過労死責任      経営者に問う

                                           3月25日 朝日新聞より

              労務管理    「経営理念が影響」        残業把握 「社内体制に不備」       

             過労死事例につきましては、すでにワタミ等についてブログで紹介しました。   

       今回は、これら労務管理、残業把握の視点からみていきます。

       「ワタミの訴訟事件」について、「娘を死に至らしめた責任がワタミという会社と、そのシステ

       ムをつくり出し、運営した者に損害賠償を求めるために提訴しました」 

         2月17日、東京地裁の631号法廷。森武豪さん(65)は陳情書を読みあげた。妻の祐子さん

       59才も続いた。娘の美菜さん(当時26)は2008年6月、神奈川県内の社宅に近いマンションから

       投身自殺した。ワタミの子会社で居酒屋「和民」を運営するワタミフ-ドサ-ビスに入社してまだ

       2月だった。12年2月、月141時間の残業があったとして、美菜さんの死は労働災害に認定

       された。夫妻はその後、原因はワタミグル-プの労務管理にあると考え、改善を会社に求めて

       交渉を申し込んだが断られた。

       過労死や過労自殺が起きた場合、労災とは別に、会社に損害賠償を求めることは珍しくない。

       今回の訴えの特徴は、ワタミの代表取締役だった渡辺美樹氏ら個人にも安全配慮義務違反が

       あったとしている点だ。訴状では、ワタミグル-プの労務管理の背景に、渡辺氏の経営理念が

       あると主張。問題視ししているのは、彼の言葉を集めた理念集や、理念集を暗記したかどうかを

       試すテストだ。

      経営者の彼が働き手の健康を配慮することなく、ずさんな労務管理を推し進めたと主張している。

       * この理念集の内容は、週刊文集に掲載され、その一部が出ていました。

        「365日24時間死ぬまで働け」 「できないと言わない」など社員に呼び掛けていた。

        さらに、仕事は「勤務時間そのものに捉われることなく、成し遂げることが仕事の終わり

        である」 「この理念を否定した時は会社を去ってもらう」

        これが実態だとすると、歴史の歯車を逆回転させた、強制労働のタコ部屋みたい。

        渡辺美樹は名は体を現さない。根っこから腐った時代錯誤の経営者だ。

        こんなのが今は、自民党の参議院議員なのだから呆れた。

                彼は、夫妻の訴えに争う姿勢で、「道義的責任を感じており、おわびしたい。

                事実関係について整理した上で、安全配慮義務違反については、裁判所に委ねたい」

                 このようにコメントしている。

                         ワタミだけでなく、過労で自殺しJR西日本の男性社員(当時28才)の遺族は

                   昨年12月、真鍋社長ら取締役4名を含めむ幹部や上司9人に対して計1億9千万円の

                   損害賠償を求める裁判を大阪地裁に起こした。

                    訴状によると、男性はJR西日本に入社した3年半後の12年10月、兵庫圏内の勤務先

           近くのマンションの14階から投身自殺をした。鉄道の保安設備の管理業務を

           行っていたが、会社が調べた結果、毎月100時間を超える残業をしていたことが

           判明。尼崎労働基準監督署は13年8月、男性の自殺を労災と認めた。

 

           訴状は「真鍋社長ら取締役が適正に労働時間を把握するための社内体制を整備

           しなかったため、長時間労働が放置された」と指摘している。

 

                       < ずさんな体制 根源を正す >

 

          中小企業では、経営者が従業員直接指示することが多い。経営者の責任は比較的

           認められ易い。

               大企業では、経営者が従業員の働き方まで把握しずらい。しかし、大企業でも

           経営者に責任があると認める判決が出たケ-スがある。居酒屋チェ-ン「日本海庄や」

           を展開する大庄でおきた過労死事件だ。この事件では、80時間の残業があることを

           前提とした給与体系が焦点になった。遺族は直接店舗を管理していない社長や役員

           の責任も追及。根拠になったのが、会社法429条1項だ。取締役など役員が期待され

          ている役割を果たさず、第三者に損害を与えた場合、取締役にも責任があると

          定めている。京都地裁、大阪高裁は、いずれも「取締役には、会社が労働者の命

          や健康を損なわないように注意する義務がある」などとして、経営者責任を認めた。

           経営者側は上告したが最高裁は棄却した。

 

           ▲ 過労死事件で経営者の責任を問う意味は何か。

          大庄事件で遺族側代理人を務めた松丸弁護士によると、会社そのものに対して

          損害賠償を求めるだけでは明らかにならない点を追及するためだ。

          彼は、「経営者の責任を争うことで、なぜ労働時間が正しく把握されていなかったのか

          誰がずさんな体制をつくり、放置してきたのかが明らかになる。それが再発防止の

          ヒントを見出すことにもつながる」と説明する。 

          ◎企業責任者の「安全配慮義務」を明快な論拠で問い正しています。

            ブラック企業と言われて反発したワタミの渡辺美樹氏はこれについて

            自社のことどう釈明するのか聞きたい。

 3月17 日 職場のメンタルヘルスで配慮すべきこと

 

      3月17 日  職場のメンタルヘルスで配慮すべきこと

             東洋経済 1月18日号 うつの正体より抜粋  

   

      1    うつ急増のカラクリ

        あなたの会社では何人がうつで休んでいるだろうか。公務員の統計では、国家公務員の

        1%強、地方公務員の1%弱が、主にうつが原因のメンタル休職だ。民間企業でも、これが

        目安となる。うつ休職者が、公務員並の1%くらいに抑えられていれば、その企業の人事部は

        優秀だとみなされる。「IT企業なら3%台で上出来」というのが人事関係の認識である。----

               わずか1%の休職といっても、社員1万人なら100人がうつで休んでいることになる。

        限られた人事スタッフで、その100人をケアするのは簡単ではない。

        会社にとってうつが厄介なのは、うつが再発しやすい病気であるからにほかならない。

        一度うつになると、治っても6割が再発すると言われている。2度うつになると7割、3度なら

        9割と再発率は高くなる。

           職場のうつは、復職を焦れば焦るほど再発する。そして再休職に追い込まれれば、

        本人も会社もつらい。そこでうつときちんと向かい合い、休職者を復職させる仕組みを充実 

        させる企業がふえてきている。そもそもうつにさせない職場つくりの研究も進んでいる。

           一方で製薬会社の啓発キャンペーンやメンタルクリニックの急増が、うつっぽい社員を

        休職に向かわせている側面もある。会社を悩ませ、社員の人生を狂わせかねない、

        うつの正体を追う。

       2   機械的診断が増やすうつ

        この機械的診断として近年増加したのが、巷に増加してきメンタルクリニックで、そこでは

        米国の精神医師学会で定めたDSMのマニュアル本が基準になっていて、昨年DSM-4が

        改定され、近く その解釈、運用等について統一見解が完成後公表されます。

        従来のDSM-4に沿った一般的な診断例はつぎのとおりです。

 

        医師との初対面、「どうされましたか」、「何となく気が重く、やる気も起きてこなくて」

      「ほとんど一日中、憂鬱な感じでしょうか」。 そう聞かれて少し考えてから、 そう言われると

      「そんな感じがします」。 「ここ2週間、そんな感じでしょうか」 「多分そうです」

       その後も「食欲は?」 「疲れやすい?」 「眠れないでしょうか」と矢継ぎ早の質問。

       言われてみれば、若い頃に比べれば食欲もないし、疲れやすいし、子供がうるさくてよく

       眠れていない。そこで「全部そのとおりです」。と答える。

       医者は、上記のDSMのマニュアル本をめくって患者に告げます。

       「あなたは、典型的なうつです」。休職した方がいいですよ。会社に提出する必要が

        あるなら今すぐ診断書を書きますよ」

        このような医師の見識、良心を疑いたくなるよう例もあるから「機械的診断」と命名したと

        思われます。

        一応精神科とか、心療内科などの看板を掲げているなら、せめて20分か30分でも

        患者のつらい心の心境に寄り添った診察の時間を設定するのが本物の医師と私は考え

        すが、そんなことよりも医療ビジネス優先が横行しています。

        すでにブログで述べましたように、あるNPOで発達障害の青年か゛転医したいと言った

        時、所長に同行したした際、クリニックの商魂たくましい一面に遭遇してとても不快な

        思いがしました。所長が大事な質問をしようとしたら、患者さんが待っていますからと

        突っぱねたとき。「まるで患者を回転寿司」のように扱っている。

        そんな思いでした。

 

             3    ( A )     うつのチェックシ-ト  "これが機械的診断の典型だ"

 

                      うつの原因の一つとされるストレスのチェック(SC)が法律で義務化される方向に

            ある。国は1月下旬からの通常国会で安全衛生法を改正し、すべての事業所と

            従業員に対して2015年にもS  Cを義務付ける方針です。

          このSCは、「職場環境のストレス度を経営者が把握するためのもの」というのが理由。

            これにより重症のうつを発見できれば、救われる人もいると見られる。その一方で

          冒頭の例のように、うつでもない人がうつと見立てられるリスクも指摘されています。

 

         以下の診断項目、及び4つの質問は、米国のDSMを念頭においたものです。

                     Q1  以下の項目のうち、最近2週間のあなたに当てはまるのにをつけよ。

           〇 抑うつ気分-----殆ど一日中、毎日、憂鬱な気分

           〇 興味の喪失-- 殆ど一日中、毎日、すべての活動で興味、喜びを感じない

                2つのどれにも当てはまらないのはただの憂鬱

                1つでも当てはまるのは次に進む

                   ↓

        Q2   以下の項目のうち、最近二週間のあなたに当てはまるものにをつけよ

           〇 食欲の変化 ダイエットしていないのに著しく体重が減少(又は殆ど毎日食欲なし)

                      〇 睡眠の変化  殆ど毎日、よく眠れない。又は寝ずぎてしまう。

           〇 活動量の低下 身体の動きがのろくなる。イライラ、不が安強くじっとしていられ

           ない。

           〇 疲労感     殆ど毎日疲れやすい、無気力

           〇 罪責感    殆ど毎日「自分は存在価値がない」と感じたり、根拠なく自責感

           を抱く。

           〇 思考力の減退  思考力、集中力、決断力の低下

           〇 自殺企図  「死んだ方がましだ」と考える、又は自殺を計画する。 

            が4つ以上、または、(注1) Q1でが2つの人は3つ以上の場合

             以下のQ3以後に進む   

       Q3  いつもと違い異常なまでに気分が高揚したり

          開放的になったことはないですか。      →いいえ 双極性障害(躁うつ病)の疑い

          

           はい  ↓             

        Q4  非常に苦しいと感じたり、実際に仕事、学業

           日常の活動に支障をきたしていますか。

             はい ↓

        Q5   服用中の薬、アルコール、

           体の病気によるものではないですか             

                  はい ↓ 

         Q6    大切な人がなくなったことによる

             一時的ショックによるものではないですか      

              はい ↓

         大うつ病(いわゆるうつ病)の可能性が高い

          ▲  以下の疑いあり  *に該当する場合には、以下のaからcにあてはまる

                         可能性があります。

        a  短期反復うつ病

         大うつのような強い抑うつがあるものの持続期間が二週間よりも短く、且つ

         毎月1回抑うつが生じるもの

                    b    小うつ   軽いうつ状態で、気分変調症のように長続きしないもの

         c   気分変調症  抑うつは軽いが、2年以上続くもの

        * Q4からQ6の中の質問に対していいえの回答を一つでもした人

         及びQ2で3つ以は下選んだ人、または、Q1で2つ選び、Q2で2つ以下選んだ人

3月19日   続 職場のメンタルヘルスで配慮すべきこと

 

       3月 19日   続  職場のメンタルヘルスで配慮すべきこと

 

       このサイトでは、さらに義務化予定のストレスチェックを例示し、このような手法の問題点

       についてコメントします。

 

           義務化される「心の健康診断」

    ▲ 義務化予定のストレスチェックの9問 

    最近1カ月間の状態     以下の頻度の点数は、a、b、cに共通しています。

                頻度  殆どなかっbた  時々あった    しばしばあった  殆どいつもあった

                        1点        2点           3点           4点

      a  疲労   ひどく疲れた      

               へとへとだ

               だるい 

    b  不安   気が張りつめている          

             不安だ  

             落ち着かない

    c   抑うつ  ゆううつだ

            何をするのも

            面倒だ。

            気分が晴れない 

    以上の合計が疲労12点、不安11点以上、抑うつ10点以上のいずれかに該当すはれば「高ストレス者と

    判定される。

    ◎ 前半のサイトのチェック項目と上記の9項目が主な調査対象です。

           政府のこのような調査を義務化しようとする意図に私は賛同しますが、次の点に疑問を痛感します。

 

       A  このような心理検査の三つの要件-----信頼性 妥当性 客観性について

      B   このような検査を実施する際の経営者側と労働者側のコンセンサス(合意)

 

             この検査からある程度「うつ予備群」をあぶり出すことは可能ですが、これiによりうつ対策は

       できるかというと、その効果に期待が持てない印象を受けます。

       ここのサイトの疲労、不安、抑うつの項目を眺めていても、どこかのマニュアルを写している

       ような感じがします。具体的などんな状況(仕事、人間関係の中でそのような状況に陥るのか)

             これが見えてこないと次の対策につながりません。それこそ検査を受けている労働者に

       さらなるストレスを与えることにならないでしょうか?

                それからBのことについては、この検査の意味、目的をきちんと企業の担当者から説明を

       受けて了解してから実施しないと、被験者は適当に答えておこうという不信感をもって対応する

       ことも予測できそうです。実際に時々顔を合わすある社長さんに聞いたところ、このような検査

       結果の資料は人事効果には利用しないが、配置転換などには参考にするそうです。

       社員さんもそんなことを 警戒しますので、両者間の信頼なくして成果は望めないと思います。

                   適正な配置転換は企業にとって不可欠ですが、しかし企業によっては悪用することも

       聞いています。真面目に働いてきたのに、メンタル不調になると、使い捨ての雑巾の

       ように、嫌がらせを受けて退職に追いやられる人もいます。

        会社の業績が芳しくない場合などでは、自分は、リストラ対象者にされるのではない

       だろうか、と不安がります。またうつ状態になっている社員さんは専門医が話しているように

       自己防衛が強く、チェックリストに反発することが予想されます。

 

        関連して懸念することは、個人情報の保護の問題も関係してきます。

 

       定期健康診断のように、個人のデ-タ処理を慎重に扱うこと、外部の専門機関に委ねる

        ことも一考察と思います。

 

       すでにお伝えしていますように雇用の際の労使間の「労働契約」の中に、使用者、労働者

        共に安全配慮義務があり、うつの防止などに関わる職場のメンタルヘルスも当然該当

        します。 ですから、もし上記のようなストレスチェックが義務化された場合は、労使とも

        一工夫すべきかと考えます。

        a  うつについての全社的な学び 、うつ防止策の安全衛生委員会などでの検討会

          後者につきましては、職場環境の改善、これがうつ防止と関係してきます。

          うつ、過労死など労災訴訟では、過重な残業労働がよく注目されますが、

          職場の人間関係---パワハラ、いじめ、嫌がらせなどもよく関係しています。

          人間関係はなかなか発言しにくい問題ではありますが、「 安心して気持ちよく働ける」

          づくりに乗り出す必要性は高いです。

          この人間関係の問題では、認知行動療法について可能なら、これも上司と部下の関係

          効果的な学びができれば、両者間の関係改善になると思います。

          「あいつ、またやった」 「xx課長いつも本当にうっとおしい」

          これではストレスがたまる一方です。こんな時相互に相手を決めつけて反目し合うのみ。

          好きか嫌いか、黒か白かの二分法でなく、視点を少し代えることで灰色もみえることが

          あります。相手の不快な面とともによい点も見えてくることもあり得ます。

 

          メンタルの安全配慮義務は、労働者側にもこのような自助努力の責任が

 

          あると私は考えます。

                 b  ストレスのチェックリスト  これは、指示命令されて、そのまま実施するのでなく、

             自社の実情に応じて工夫改善していくことが労使双方にとって得策かと考えます。

2月9日 リストラと定年延長への対応力

 

   2月9日 リストラと定年延長への対応力 プレジデント 2014・2・17号

   <自分では気がつかない「リストラ危険度」チェック>  東洋大 小島貴子氏 

 

   「こ厳しさを増す国際競争の中で生きるため、企業は、経営体質のさらなるスリム化が

    求められています。給与水準が高く、社内では余剰気味の中高年が犠牲にされやすい

    という図式は変わっていないのです。しかし、それだけではありません。IT化などを

    背景に、今世紀になってからビジネスのあり方は、激変しました。企業が求める人材の

    モデルも様変わりしたのに、中高年の多くがそれに気づかず、適応できていないことが

    リストラの続く最大の原因だと、私は考えています。

     ではリストラされやすいのは、具体的にどのようなタイプなのでしょうか。それを

    示すために作ったのが下記の「リストラ危険度の自己チェックリスト」です。」

 

                 リストラ度自己診断表

       1   今日の日経平均株価を知っている (経済的感覚)

              2    3年後の自分の目標を持っている。(意欲)

            3    とっさの時に助けてもらえる先輩、友人が3人以上いる(人脈)

              4    同業者以外の人と話すことは得意である。(平衡感覚)

              5    半年仕事がなくても、生活できるだけの貯えがある。(生活に対する危機感)

              6    5年後の世界状況がどうなっている考えている(国際感覚と予測力)

       7    できないことがあったらできるよう努力する(挑戦力)

              8    3年前よりも今むの自分の方がビッグになっている(成長努力)

              9  どんな仕事でも断らない。(貪欲さ)

             10   人の好き嫌いが少ない(人間関係)

                     小島貴子氏 作成

 

             ▲  上記の項目についての小島氏のコメント

              現在のビジネスマンにとって、極めて重要な資質が未来志向とチャレンジ精神。

             現状に甘んじることなく、常に自分を成長させようとする姿勢は、中高年にも

             当然求められるとのこと。上記の項目では、2、7、8、9に該当すれば合格とのことです。

             このような項目に当てはまる社員は、たとえリストラ対象になりそうな年齢になっても、努力

       してきた実績が評価され、将来に対しても、この人は、やってくれるいう信頼を得る なら、後

       で述べます定年延長の選考でも、試練を乗り切れる感じがします。

       そうは言っても、次の小島氏の言葉は、リストラの危機にさらされる恐れに直面する人々に

       とっては、辛辣さを感じる響きが身にしみてくるようです。

       「ビジネスモデルが目まぐるしく転換していくなか過去の体験は役立ちません。

        今必要とされているのは、身に着けたノウハウを応用して、新しいビジネスをどう生かすか

        ということ。未知のの仕事でも、進んで取組み、環境の変化にも耐性があって、柔軟に

        対応できるかどうかが問われます。ビジネスマンは、学習し続けなければならない

        宿命なのです。」 

        それから、小島氏は、「ビジネスマンにとってもう一つ重要な資質がコミュニケ-ション能力

        です。」と述べ、この能力の高い人は、上司や部下と良好な人間関係が保てますが、

        低い人は、社内に味方が少ないため、リストラされやすくなります。」 

         この対人関係能力に関してチェックりにも項目が表記されていますが、私としては、

         仕事の遂行能力、チャレンジ精神と共に人間力に注目します。特に若い社員から慕われ

         一目おかれるベテラン社員の存在感。たった一言で若い社員の自信喪失から立ち直らせ

         たり、相談相手になったりする社員。後半で出てくる後継者の教育には、こんなタイプの

         「おやじ」が必要なのです。

                < 定年延長が許される人、捨てられる人>   溝上憲文氏(ジャ-ナリスト)

        定年後も会社に残って欲しいのはどんな人なのか。元JCB執行役員で再雇用事情に詳しい

        感性労働研究所代表宮竹直子氏は「特殊なスキルの持ち主よりも知識や経験の伝授ができる

        人」と語る。「特殊なスキルや知識を持っていることが望ましいのですが、その能力をフルに

        発揮してほしいというより、これまで培った経験、技術を後輩に伝えることを会社は期待して

        います。自分は黒衣に徹し、若手を前に出してやらせる。失敗させてもいいから、アドバイス

        しながら後輩を育てていくタイプに残ってほしいと会社は思うもの」との見解です。

        例えば営業職゛あれば、会社にとっては、その人がいなくなることで、顧客や取引先がなくなる

        ことが一番怖い。「取引先に若手を連れて行き、人間関係の築き方を含めたやり方を

        実践で教えながら受け継いでもらう。それができる人です。」(竹氏)

               逆に自分が培った専門性や経験に過剰な自信を持ち、後輩を仕切りたがる人も いる。

        過去の成功体験を披れきし、自慢話をする人がいるが、これがもっとも後輩に嫌われるタイプ。

               「電機メ-カ-の人事部長は、自分を知ることが大事である」と指摘するとのこと。

        「過去の実績や自分の専門性を過信している人が多い。会社の看板やブランド、優秀な

        上司や、部下のサポ-トがあって実績につながっていることを忘れているのです。

          さも自分一人がやったかのような自慢話など誰も聞きたくありません。

        自分の実績が本物か偽物かを検証し、自分の実力を知ること、その上でどんな役割を

        演じればよいのかを突き詰めて考えることです。」

 

        自分の役割とは何かを知る人の意識は、職場での立ち居振る舞いに現れる。

        実例を挙げて宮竹氏はこう説明する。「部長職を勤めて再雇用された人がいます。基本的

        には、定時に帰るのですが、若手が残業していると常に"お先に失礼します。"といって

        席を立つ。会議にも参加するが、決して自分から発言せず、意見を求められて初めて答える

        のです。そういう人ですから周りも"こういうものをつくってみましたが、見てもらえますか"

               "ここが行きづまっていますが、どうしたらよいでか?"と言い寄ってくる。その方は、決して

        無理して自分を抑え込んでいるのでなく、後輩が自律的に育つことを支援するのが自分の

        役割だと言い聞かせているのです。」 元部下の若手社員に「お先に失礼します。」となかなか

        言えるものではない。その人は、契約更新のたびに継続して働いてほしいと懇願された。

        ◎ 私の印象

         リストラ、定年延長など会社の選別の試練の際に、日頃只仕事が出来ればよいのでは

         ないことが克明に分かります。 かって大鵬親方がロシア出身の力士に語ったこと、

         稲穂が熟して垂れ穂になるように、実力がついてきても謙遜さ を忘れるな

         そんな言葉を想起しました。上司にへつらい、部下に横柄な態度で上手く出世できても

         人間力を欠いた人には部下はついてきません。

         こんなことも心に刻みこんでおくことが肝要かと思いました。

                 教育は、学校であれ、企業であれ、 教える側の品格が

          平素の言行を通して相手に感動を与えるものが欠けていては

          相手の心に響くものは与えられないと痛感しています。

          カウンセラ-も常に人間性を磨くことに留意しないとその努めを

          全うできないと思っています。

1月18日 パワハラ自殺の賠償訴訟判決 5400万円の支払い命令 

 

      1月18日 パワハラ自殺の賠償訴訟判決 5400万円の支払命令  名古屋地裁

 

      厚労省の外郭機関からの配信メ-ル(2014年1月15日)

 

     私の家の近くの日進市のほうろう加工の「メイコウ アドヴアンス」の社員(当時52歳)が平成21年

       1月に自殺したのは社長らが日常的なパワハラによる原因だとして遺族が損害賠償を訴えた訴訟

       判決で、名古屋地裁は、1月15日パワハラと自殺の因果関係を認め、社長と会社に上記の額の

       支払を命じた。裁判長は、男性が社長の暴言と暴行に恐怖を感じていたと指摘。

       自殺直前一週間前には太ももを蹴られ12日間の怪我をした上、退職届を強要され、強い心理的

       負荷を受け自殺に至ったと判断した。

             その他、その社員の仕事中の過失事件として、他の社の記事では、誤って設備の一部を破損

      した際には、社長は、本人に7000万円の損害賠償を請求し、支払うまでは、退職させないと

      強迫していたことも出ていました。ブラック企業というよりか、歴史の歯車を逆回転させたような

      野蛮な企業の存在に大変驚くと共に、社労士としては、傍観者的立場では居られないと

      痛感しました。

 

 

 

 

 

 

 

26・1・4 新年度の計画立案について

 

        26年 1月4 日 新年度の計画立案について

 

           新年明けましておめでとう御座います。 本年もよろしくお願いします。

      一年の計は元旦にあり、と言われ、年が改まると私達は、仕事や私生活に於いて

      色々と前年の反省に立って、今年のことを考え実行しようとします。

      そのような時、どのようなことに留意して目標達成を目指したらよいでしょうか? 

            書店にそれに関わる記事の出ている専門誌もありますが、こんな時に開きたく

           なるのがコルヴィ氏の「七つの習慣」です。その中から私が注目した箇所を

      抜粋して、私見を述べていきます。

             なお、この「七つの習慣」は人間を連続した成長に導くことを目的として書かれ、

      その成長のために、大切な七つの心がけを体系化した思想です。

      人間は、生来誰かに依存していていかなければ生きていけない。成長すれば

      自立の段階に向かうのですが、本当に自立した人間になるため役立つのが、

      第一の習慣として「主体性を発揮する」、第二の習慣として「目的をもって始める」

      第三の習慣として「重要事項を優先する」

      以上の流れを理解されて、新年度の自己、家庭、自己の所属する組織の

      メンバ-としての計画立案される際の多少なりとも参考になることがあれば

      幸いかと思います。この点に関して著者コルヴィ-氏は、「重要度」と「緊急度」を

      軸にして述べています。     

                     

P1010021.JPG

               ハボタンで飾って気分の一新を図りました

          <  時計と羅針盤の違い >

       自分がどのようにして重要事項を優先しようとしているかは、自分が二つの強力なツ-ル

    時計と羅針盤をどのように使っているかを考えてみれば分かる。

    時計とは、時間をどのように使い、管理するかを表す「約束・予約スケジュ-ル・

    目標・活動」のことである

    「羅針盤」とは、自分の人生をどう生きていくかといったことを表す「ビジョン・価値観

    原則・ミッション・良心・方向性(人生の指針のこと)のことである

    時計と羅針盤の間にギャップがあること(自分のやっていることが、自分の重要事項に

        役立っていないこと)を強く感じたときに葛藤は生じる。

     中には、そのギャップが強烈な痛みとなって返ってくる人もいる。このタイプの人は、

    自分が言ったことが実行できず、他人や状況によってコントロ-ルされたり、時間を

    取られたりしていると感じている。常に緊急事態や危機に反応し、つまらないことに振り

    まわされている。-----

    その結果自分の本当の実力を発揮するという大切な作業に時間をかけることがないのだ。

     ただ流されて生きているといっていいだろう。

     ギャップを何となく不快に思っている人もいる。そのような人は、自分がなすべきことや

     したいことができていない。そして、していないことにだけに気を取られ、している

     ことに集中できないというジレンマに立たされる。さなかった

     また、ギャップに空しさを覚える人もいる。「仕事上の成功」や「経済的繁栄」のみで*

           *(これは、賃金、地位の向上etc)自分の幸福を判断していて、自分が成し遂げた

      「成功」が思った程の満足をもたらさなかったことで初めて、自分の愚かさに気づく

      人たちである。 大変な努力を重ねて「成功のはしご」を一段々の登り詰めたが、

      結局はしごを掛け間違えたことを知るだけに終わる。登ることだけに熱中する余り、

      人間関係を損ない、豊かな生活を失ってしまったのである。一番上まで登る競争を

      している間、自分にとって最も大切なことに 自分の時間を費やさなかったのだ。

      ギャップによって方向性を見失い混乱してしまう人もいる。このタイプは、何が

     「重要事項」なのか分かっていない。一つの活動からもう一つの活動へと機械的に

     進んでいるだけ。------そんな人生を歩む意味があるのか疑問に思うことさえある。

     また、ギャップを感じることによって生活のバランスが取れていないことがわかっても

     生き方を変える自信がもてない人もいる。あるいは、変えるには、余りに大きな犠牲を

     払うことになると感じている人もいる。つまり変革を恐れているのだが---。

     従来どおりにバランスが取れてないままで生きた方がよほど楽だからだ。

 

      ◎以上の要約

      時間 の使用、管理と仕事をすることのビジョン、価値観、ミッション(使命観)等との

      バランスが上手く取れず、後になって悔いを残したり、そのような不本意な実情に

      気づいても甘受するのみなど様々なタイプの人々が出ています。  

     このような状況下でも働かざるを得ない人々は、ストレスが溜りメンタル不調に

     晒されます。上記の「重要なこと」と「時間の使い方」のギャップは、以下の事件を

     契機にして気づかされ困惑します。

 

           < 人生の目覚まし時計>

 

        「本当に重要なこと」 と「時間の使い方」にギャップがあることを、突然、劇的な形で

    気づかされることがある。それは人生の目覚まし時計ともいうべき、アキシデント

    によって知らされる「恋人の死」、「息子の非行事件」、「会社のリストラ」、

    「ガンの宣告」 「妻(夫)の離婚要求」このような突然の危機に直面し、初めて

    自分の「時間の使い方」と自分にとって

    「本当に重要なこと」との間にギャップがあることに気づかされる。

 

   ◎ このような突然のアキシデントについてのコルヴィ-氏のコメント

     このような危機的状況を知らせる「人生の目覚まし時計」に起こされない限り、多くの

     人は人生の根源的な問題を考えるという機会に接することはまずないであろう。

     慢性的な根の深い原因を探らずに、痛み止める応急措置としてバンドエイドや

     鎮静剤を探す。 一時的に安らぎを得て、さらに「良」を全うするために忙しく立ち

     続けるだけで、自分が本当に大切な「最良」のことをしているのかどうかを立ち

     止まって考えることさえ、決してしようとはしないのである。

     ◎ 私の感じたこと

     かっての終身雇用制が崩れ、市場の動向が目まぐるしく変化する中で、しっかりした

     羅針盤(心の軸)を土台にした「キャリア形成」を考えていくこと、もう一つは、最近時々

     耳にする「ワ-クライフバランス」、とくに家庭との調和のことも大事かと感じました。

1月7日 続新年度の計画立案について

 

      1月7日 続 新年度の計画立案について

 

           ▲    時間管理のマトリックス

 

            緊急         ←          緊急ではない

 

       [ 第一領領域 ]                  [ 第二領域 ] 

  重     ●危険や災                       ●豊かな人間関係づくり

          ●差し迫った問題                    ●健康な身体づくり 

  要     ●締切のある仕事、会議               ●準備や計画

          ●病気や事故                       ●予防       

        ●クレ-ム処理                      ●価値観の明確化      

        ●壊れた機械の修理                  ●勉強や自己啓発 

        ●むずかる赤ん坊                    ●真のレクリエ-ション

                                     *  ●エンパワメント

 

           [ 第三領域]                       [ 第四領域 ]

          緊急                   ←        緊急でない

 

       重     ●様々な妨害、邪魔                   ●意味のない活動 

          ●多くの重要゛ない郵便物、報告書              ●うわさなどの暇つぶし

     要     ●多くの重要でない電話                 ●見せかけの仕事

           ●多くの重要でない会議                  ●だらだらした電話

    で     ●重要でない差し迫った問題               ●多くのTV番組、コミック 

           ●みんながやっていること                 ●現実逃避

    な     ● 突然の来訪                        ●単なる遊び

           ●無意味な接待、付き合い                ●待ち時間

    い    

        以上のすべての活動は、緊急度と重要度という二つの軸によって四つの領域に分け

        られている。

                    * なお、上記の第二領域の「エンパワ-メント」の意味は、色々な問題に対して

          自己決 定して自力で生きることであり、そのために、その領域の「豊かな人間

          関係」、「自己啓発」などが大切です。

         ◎  重要事項を優先する(第3の習慣)

                       ●   「時間を管理する」という発想の間違い

          コルヴィ-氏は、「時間管理のマトリックス」で4分類しています。

          しかし、彼は「システム手帳」、「スマ-トフォン」等など時間管理の方法は多数あり、

          人々か時間管理の方法にこだわるのは、そうして効率的な毎日を送ることで

          バランスがとれ、充実した生活を遅れると信じてるからだ。だがそれは大きな誤解

          と指摘します。従来の時間管理のツ-ルには、第2の習慣(目的をもって始める)で

          みたような自分の価値観、ビジョンが反映されていない。

          ですから彼は、「忙しい毎日のやりくりは出来るかもしれないが、日々、人生むの

          目的の達成に近づいている、という実感はもてない。」と明言します。

            では、何を管理すべきか、ということになりますと、それは「重要事項を優先

          する」という行動の順序。これを完璧にするのを提唱しているのが第3の習慣です。

         ◎ 重要度  

          日頃会社や家庭等では、様々な緊急しなければならない仕事に追われていますと

          「緊急度」と「重要度」を多忙の中で混同しがちになります。

          後になって後悔しないためには、、「重要事項」の優先順をきちんと選別して時間も

          お金も有効に使う分別をわきまえる必要性を痛感します。

          第3の習慣の前の第2の習慣「目的をもって始める」この時に、第ニ領域の「ビジョン」

          「価値観」等が何かを始めるときの土台になり、ここの時間管理で、他の3つの領域との

          調整の問題に直面します。

                   第一領域は、「緊急かつ重要な活動」を表し、この領域のためには、時間を割かない

          わけにはいかないのです。ここでは、様々な要求や問題に対応、管理し、

          生産し、経験と判断力を活かすところです。この領域の仕事を怠ると大変なことになり

          ますが、この領域の活動の多くは、重要なことに着手するのが遅れたり、予防

          計画が不十分だったりした結果、緊急に対処しなければならなくなったのです。

              第ニの領域は質の高い領域であり、長期目標を立てたり、問題発生を見越して

          その予防をする(リスク対応)こと、人材を育成したり、自己啓発、読書、研修会に参加

          したりして技能を高めたりする(キャリア形成の活動)であったり、家庭内の必要なこと、

         重要な会議やプレゼンテ-ションに備えたり、コミュニケ-ションを改善して良好な人間関係

          にしていくのがこの領域の活動です。

          ですからコルヴィ-氏の言うように「この第二の領域に費やす時間を増やせば

         実力が高まる」訳けです。反対にこの領域を無視すれば、ストレス、疲労、深刻な

         危機が増えてしまい、第一の領域に費やす時間が増えることになります。

          この領域は、私達が主体性を発揮して目的をもって活動する「「自己リ−ダ-シップ」の

         領域と彼は命名しています。「安心して気持よく働ける」職場にするためには

         経営の上層部がこの領域にどのように配慮して必要と感じていることを実行するのか

         彼等の胸三寸に関わっていると私は考えます。

         企業のような組織でも、私生活等でも、この第二の領域を重視して、他の領域を減らし

         日々充実した活動が不可欠なことを七つの習慣を通して再確認しました。

         現国で学んだ 笠信太郎氏の「ものの見方」の中で「イギリス人は歩きながら考える」

         の内容を今でも記憶しています。

         現実をしっかり見ながら適宜軌道修正しながら進んでいく堅実な生き方です。

         時間管理のマトリックスと共に、一週間、一カ月といった短いスパンを土台にした

         思考、行動の記録表をつくり、各々の節目で反省しつつ改善していくことの実行が

         必要と考えます。              

 

 

 12月19日 「解釈と上手に付き合う」吉川剛史

 

       12月19日 「解釈と上手に付き合う」 吉川剛史

        12月18  コ-チAからの配信   

       職場の上司と部下の対話例から「解釈の仕方」つまり、認知の仕方次第では、ストレスが生じて

      両者の信頼関係が揺らぐ原因にもなりますし、逆に一見不快に思うことでも、認知を変えることで

       「気づき」が生まれ、新しい視点観点から考えれるようになれば、ストレス解消のみか、本人の

        成長に繋がります。

        吉川コ-チの記事を一読して焦点は、「認知の修正による新たな気づき」による成長と良好な

       人間関係の構築によるストレス解消にあると直感しました。

 

             「部下の動きがどうもスロ-で腹が立って仕方ない」という方がいました。よく聞く不満であり、

       よくあるシチュエ-ションです。少ししつっこく「何にそんなに腹が立っているのですか?」と

       くり返していると、最後に出てきたのは、「過去の私に出ていたことと今の彼らとの差が大きい

       ことです。」 「どういうことですか?」 「私の期待値とのずれですね。」

       ◎相手への期待と現実のずれこそが、怒りや悩みの元であり、部下の行動そのものが

        原因ではないということがわかりました。

 

        ▲ 吉川コ-チ自身の体験談

 

         リ-ダ-シップが非常に強いと言われている社長のもとで仕事をしていた時のこと。

         会社のために良かれと思って様々な提言をするのに社長は全く聞き入れないとのこと。

         その時、吉川氏のコ-チにぐちをいいました。

       「あの社長は人の話を菊耳をもたない」と。するとコ-チから意外な質問がなされたとのこと。

        「社長さんは、何故あなたの意見を聞き入れないといけないのですか?」

        「だって、このアイディアは、グロ-パル展開する会社に絶対必要ななんです。」それなのに

        社長は、ちゃんと聞いて理解しようとすらしないのです。」

        ◎ この会話から吉川氏のどんな「認知むの仕方」が問題なのか、読み取れます。

         自己中心の思い込み「---すべきだ。」 「人の話を聞く耳をもたない」

         私の話を聞かないのが「人」の話を---と拡大解釈しています。

         さらに、コ-チから「社長さんには、あなたはどう映っていますか?」

         何を聞かれているのか分からないままに15分程四苦八苦し、やっと言い換えることが

         できたフレ-ズは、「この社員は、社長である私を理解させ、納得させるアイディアを

         もっていない。」というものでした。言葉にしながら彼は非常にショックを受けていたとの

         こと。

         それまで「上司たるもの、部下の話に耳を傾け、理解しようとするのは当然だろう」という

         自分の期待(尊大な期待)の中で実際に起きていることを解釈したからです。

 

                この吉川氏の冒頭のエビソ-ドの人も、「部下は私の若いころと同等に動けて当然だ」という

        期待(強い思い込み)から怒りが発生したとのことです。さらに悪いことには、自分も、相手の

         人も「相手のためだ」という使命感に基づいて自分の正しさを微塵に疑っていなかったと

         語っています。(盲目のような傲慢さを私は感じます)

 

                彼は、ニ-チェの言葉の「事実など存在しない。存在するのは解釈のみである。」を引用して

                「 "絶対的な事実がある"という前提に立つと------所詮は、どのような解釈をするか次第

          であるということを説いたものです」と述べています。

         権力志向の強い政治家が悪用しそうな言葉です。

         吉川氏は、「常に落ち着いている人、思慮深いと言われる人たちは、この"解釈"と上手に

         つき合っているように見えます。」と結論づけています。

         (一人よがりにならないように配慮しているという意味だと思います)

         どのように配慮しているかというと、次のように説明しています。 

         相手の立場に立って自分の感情を「再解釈」したり、「自分も正しいが、相手の言って

        いることも正しい(アサ-ションの手法です)と解釈の許容範囲を拡げたり、期待値を

        相手に明確に伝えた上で、互いの解釈のズレについて建設的に対話したりすること

        なのです。

        米国のキング牧師をリ-ダ-とする人種差別撤廃を目指す公民権運動の基本理念を

        想起します。企業内のみならず、日本の国政の場でも、胆に銘じて置くべきことと

        痛感しています。ニ-チェの権力志向により「正義」が歪曲されるのでなく、

        対立する相手とどう思慮深くあるべきかを問いかけている問題提示の記事と感じます。 

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