9月7日   境界性パ-ソナリティ障害のカウンリング 

    最近ある上記の障害のある人とカウンセリングを始めました。 しかし、本人から

    この障害のことを聞いたとき、一瞬動揺しました。このボ-ダ-ラインと呼ばれる

    障害は、すでにある産業医から研修で「この類のクライアントをお世話すると

    色々と本人に振り回されて大変苦労する」ことをきいていますし、精神科医の

    著書を通しても知っていましたから。 その上そこの団体にその類の人がいて

    その人の言動を観察していましたので、依頼されても拒否していました。

    しかし、今回は、腹をくくって責務を全うするつもりです。

      恐れと裏腹に、私がこの障害に関心を抱いた契機はブログでも紹介しました

    野村総一郎先生の「心の悩みの精神医学」です。その中に精神科医泣かせの

    患者の例として、このボ-ダ-ラインのことが出ていました。

    この名称は本来「精神病とノイロ-ゼの境目にある病気」という意味だそうです。

     しかし、現在では、それと全く違った意味合いで用いられているとのことです。

     むしろ「感情的に不安定で衝動的に何かやってしまう人」というのが一番

     簡単な定義とのこと。上記の何かとは、リストカット、多量の睡眠薬による

     自殺、カットきて人と摩擦を起こすなどの問題行動です。

SU067.JPG

         野村先生の症例によりますとある女性が先生の外来にきて「仕事を次々に

     転々としたが、人間関係がうまくいかず、いじめのような目に度々あって---

          睡眠自殺を図って二 、三回病院に運ばれたこともある。-----」 

      先生は「大変な経験をしてこられた。それはよく分かりました。------

          今の悩みに移りましょう」 彼女曰く「私は先生のように素晴らしい精神科医

     にお会いししたのは初めてです。-----これまての医師は私の気持を分かろう

     とせず-------」 そして次週の診察時では「気分がよくなりました。----

          友達が良い話(仕事のこと)をもってきてくれたんです。」といって先生の意見を

     求めたので「それについて少し考えてから決めるのも一つのやり方です」

        それに対して彼女は、自分に足りないことを言って下さったことで

      感謝の言葉を述べました。 ところがその日の午後外来患者のごたついて

      いた折、彼女が電話で「今朝先生が言ったことが許せない。私を傷つけ

      友人を侮辱した。------」その他延々と怒鳴り声が続いたそうです。

        しかし、それで終わりでなく、その後も何度も外来にきたとのこと。

        先生曰く「ボ-ダ-ラインは精神科医に多くの本質的な問題を考えさせて

        鍛えてくれることも事実である。若い医師をみると、いつもこの種の

        患者を抱えて苦闘しているものとそうでないものとに二分する。

         ボ-ダ-ラインを抱え込む精神科医の方が良い医者であることが多い

         ようである。最初の親切心が感じられなければこの類の患者はその

         医師にとどまることはしないのである。」

         再度この書を読んでみると野村先生の言葉がこの自分にも

         ズシンと来ます。 色々調べてみるとかなりの忍耐と工夫を要する

         カウンセリングが必要となりますが、何とかCBTの色々な方法を

         駆使して頑張るつもりです。

                   しかし、そうはいっても、所詮自分は、一介のカウンセラ-に過ぎ

         ませんので、クライアントがクリニックに通院している場合は、なるべ

         連携して情報交換したり、指示を仰ぐことをしたいと考えています。

         どんな方法でクライアントの病気にアプロ-チするか念頭にあります。

         でも、いきなり着手するのでなく、今の事業所の様子を聞きながら

         本人の症状の特色や認知行動療法について説明しながら相手の

         理解、関心の程度、反応の状況を観察しています。今のところ

         それら三つとも良く、行動療法の話をしても、これが認知に良い

         影響与えることを言っただけで、事業所のスタッフの畑で仕事をして

         気分が良かったと言っていました。次回では、健常者と非健常者を

         分ける試金石と言える現実検討について話したいと思います。

         これも、すでに話してくれた職場のつらかったことを例に挙げて

         外的事実と内的な思い込み、妄想などとを混同せず、両者はを

         しっかり見分けることについて話しながら、本人の考えを聴いて

         みるつもりです。但し本人のトラウマになっていることは、

         慎重に対処したいと考えています。

   

 

          9月22日 境界性パ-ソナリティ障害との関わり

       精神科医 成田善弘先生の記事を読んで(こころのりんしょうより)

               先生の40年 余りにわたる体験を通してのこの種の患者との関わり        

        記事にとても感銘しました。 「私はまず彼等の人生の不幸と孤独に

        同情し、共鳴した。---- 「人間と人間としての触れ合い」を求めてきたが

        その願いは、いつも裏切られた。---彼等の絶望的孤独を癒すことは

         不可能のような気がした。 つまり彼等を不幸と孤独から援助しよう

         など、とんでもない思い上がりであって、私などにとうていできる

         ことではないと思い知ることになった。----こういう自分の経験を

         その後何人かの若いス-パ-ビジョンをした経験を含めて

         「治療者の中に生じやすい気持ちとその変遷」についてまとめたも

         のを図に示した。

          ▲  治療者の中に生じやすい気持ちとその変遷

         患者のことをわかってやれるのは、自分たけだ

                 ↓             

              病理の開花

          こんなはずではなかった

                 ↓

              生身の露呈   

              困惑と葛藤 

           どうすることもできない。どうしてよいかわからない。

                  ↓

           悪いのは、やはりお前た゛。

           お前のような人間は見捨てられて当然だ。

                   「これは、熱心で誠実で心やさしい治療者がたどる変遷である。

           (中略)   彼等を本当にわかってやれるのは、自分だけだという

           気持ちになって、周囲が無理解で冷たい人間ばかりのように

           思えてくる。こうなると他者排除的なニ者関係が成立し、

           その中で患者は退行して、治療者がいつでも、どんなときでも

           応じてくれることを要求し治療者が応じきれないと激しい敵意や

           怒りをあらわにし、* 行動化が 頻発する。いわば病理が開花する。

            こうなると、治療者もこんなはずでなかったと思うようになるが、

            心やさしい治療者はここで患者を見放すことがでない。

                     * 行動化--衝動的になって、器物を破損したり、暴力を振ったり、リストカットをする。

              (中略) 自分が未熟で無能だからと自分をせめる。

             その内に患者が重荷に感じられ、怒りや敵意すら湧いて

             いくが、そんな気持ちをもつ自分が悪い人間のように思えて

             しまう。---患者は「私のことを重荷に思っているのでしょう。」

             とか「もう来なくてもよいと思っいるのでしょう」と問い詰めて

             くる。-----

                しかし、治療者が誠実であればあるほど、患者の非難

              に一片の真実があることを認めざるをえない。--------

                          治療者は困惑し、どうすることもできない。どうしていいか

              わからないという気持ちになる。----患者と同じ無力感

              に陥る。こうなるとやさしい治療者もついに怒り出し

              「悪いのはお前だ。お前のような人間は、み捨てられて

              当然だ。」と感じて患者に対して否定的になる。

               こういう時に患者が重大な自殺企図をしたり、裏切ら        

               れたと治療者を攻撃したり、----訴訟を起こしたりする。

               (中略)

              「悪いのはお前だ。お前のような人間は、見捨てられて

              当然だ」という言葉は、少しやわらかい言葉で言い直せば

              患者の不幸に患者が寄与しているところがある。患者の不幸

              は患者自身に責任があるということになる。

              不適応的防衛機制、不適応的対象関係故に、つまり病理

              ゆえに患者は不幸に陥っているということになる。

              私は次第に患者の病的なところを治療しようと考えるように

               なった。これなら救済者の仕事でなく、医師の仕事である。 

                  しかし、これもむずかしいことであった。治療者からみると

               病理であっても、患者にとっては生きるための方策なので

               それを変えようとすると治療者に患者は抵抗する。 

                (例 この行動は、あなたのメンタルヘルスのため良くないと

               忠告すると反発して直そうとしない)

                             ( 中略 )

                            そうしているうちに、一見困ったことにみえる彼等の言動が

               内心の危機に対する彼等なりの対処の仕方なのだと思える

               ようになった。例えば親に対する暴力ですら、侵入的な親に

               対して自己の境界を確立しようとする努力とみなし得る場合が

               ある。器物破壊も一層破壊的にならないための彼等の努力

               (例 親を殴る代わりにガラスを割る)とみられることもある。

               手首自傷も慢性的な離人感を抜け出し生き生きした実感を

               得るための手段である場合がある。

                このように考えるようになってから私は、ボ−ダ-ラインを

               困ったことをしでかす人とみるのでなく、「あるハンディキャップ

               をもちながら現実に適応すべく苦闘している人」とみるように

                なった。----私は彼等の行動化を「困った行動」とみるよりは

               彼等なりの対策とみるようになった。

               彼等はハンディキャップ故に絶望的不安や抑うつを経験する。

               そういう時に自殺企図をしたり、自傷行為をしたり、暴力を

               振ったり、性的乱脈に走ったりする。

               時には数日分の薬を飲んで眠ったり、母親の布団にもぐり

               こんだり、夜中に友達に電話をかけ回ったりする。

               布団にもぐりこまれて母親も困るだろうし、夜中に電話が

               かかってきては友達も迷惑だろう。しかし、自殺、暴力に

               比べればはるかによい。散歩したり、風呂にはいったり

               音楽を聴いたりとなれば、自分で自分の問題に対処でき

               ていることになる。 昇華経路が発達しつつあると言っても

               よい。 治療者は、患者が「どうすることもできない。

               どうしてよいか分からない。」と感じた時に実際はどうして

               いるかを聞き、それを努力或いは対策として評価し、

               それがより適応的なものになるように援助する。

               そして彼等が自身の問題に気づき自ら対処する自立した

               個人になることを一貫して期待するのです。

 

          ◎ この記事を読んで感じたこと

          この記事は、ボ-ダ-ラインに 限らず、メンタル上かなり

          困難な問題を抱えているクライアントとのカウンセリングを

          本格的に進めようとする者にとって貴重なアドバイスや

          励ましを頂き感謝しています。 日頃メンタルにハンディのある

          人々にカウンセリングをしていますと、その症状がきびしければ

          きびしいほど、情に溺れて、あれこれと手を貸してしまいその結果

          こちらへの依存度が高まり、下手をするとクライアントの歓心を

          買う共依存の罠に落ち込んでいく危険性を感じます。

            何とか助けて上げようとする熱い思いもいいてすが

                  本心からそう思って行動しても、一旦クライアントの甘えを許すと

          それの際限がなく、こちらも我慢できずつい怒ってしまった経験

          をしています。クライアントに対する熱心さと共に、両者の心理的

          距離に注意しながら、相手に対する冷静な観察とメリハリの

          効いたその時々の言動への対応が不可欠かと思っています。

   

          言うことは簡単ですが、カンセリングしている自分自身の

          外在化(自分のしている対応ぶりを客観的にみる)するゆとりも

          不可欠と時々感じます。 そして自己の能力の限度を見定めた

          なら可能な限りス-パ-ビジョンの指導を受けたいと願望します。

           成田先生の記事の終わりに近づいた箇所で述べてみえた

          クライアントの現実適応のことも大変参考になりました。 

            「リストカットのような自己破壊行為に比較すれば、非常識な

           夜中に電話をかけ回すことなどもはるかによい。

           散歩したり、音楽を聴いたりとなれば、自分で自分の問題に対処

            できていることになる 」      

           大人の価値観で「これがいけない。だからxxすべきだ」ではなく

           家族、カウンセラ-などクライアントの周辺の者がまずは、彼らの

           目線に立って暖かく見守り、忍耐強く対話する中で、

           彼等の一寸した努力を承認し、現実適応の質の向上を支援し

           やがて自らの気づきによって自分の問題を解決できる

           真の自立が可能であると確信しています。

           このような過程は、さらに就労支援にも弾みがつきます。

  

  

         10月2日 職場の安全配慮義務の励行

         本日 ニコンの工場でうつのため過労自殺した23歳の青年に対する

         事件の最高裁の判決で遺族の訴えが認められ、安全配慮義務

         違反として多額の賠償金を支払うよう命じる判決が下りました。

         判決では、相当の注意を会社が払っていけば事故は防げたはずと

         述べています。

         この配慮義務は今私がお世話している就労支援の事業所についても

         当てはまります。 利用者は、メンタルで何らかのハンディをもち、

         概して情緒が不安定で、中には衝動的行動をとりやすい人もいるから

         です。 例えば精神科医でも、その病名を聞くと敬遠したくなる人も

         います。最近私がカウンセリングをするようになったMさんがそうです。                                                       

         明朗快活で、理解力がよく、機転も効くような感じがして、誰からも

         好かれそうな人です。 ですからどうしてそんな病気になったか

         不審に思っていましたが、どうやら自然治癒のような感じで今は、

         落ち着いているとのこと。かっては、衝動的になると、命に関わる

         行為を何度もしたとか。 

         私としては、今後認知行動療法(CBT)を活かしてどんな手法でいく

         のか、その狙いは、セルフカウンセリングにあることを説明しました。

           ついでに心の中の動きをビジュアル化するフォ-カシングの

         話もしました。今の事業所も気に入ってくれて、自分の未来に希望が

         もてるとまで言っていましたが、先週は、様子が変わってきました。

          スタッフの気配りの欠如のことでかなり気分を害した様子です。

         我儘でなく、至極当然と思いました。さらに驚いたことは、所長から

         「スタッフにならないか」と打診されたと言っていました。

   

         ある青年が退職して、その補充として言ってきたしても配慮に欠けた

         対応。本人のクリニックの主治医の許可の診断が必要だし、本人のメンタル

         のリスクのことを全く考えていない気がします。たとえメインの症状は

         影を潜めても、それに付随する気分変調は、時々あると私に

         話しています。そのようなことは、記録に残して担当者に伝えています。

           一見平穏にみえても、火種は残っていると私は思っています。

         多分本人もそれに近いとみています。ですから所長から就職のことを

         聞いたとき、困惑したようで、 まさに安全配慮義務の欠如と思われます。

         この事例を通して、うつなどのリワ-クについては、その時になって

         慌てるのでなく、日頃からメンタルケアの備えをしておくのが

         不可欠と思います。 特に本人からの情報の収集については。

           上記のように中々本人の真意を聴きだすことが難しい場合、社外の

         信頼できるメンタルの専門家と日頃から渡りをつけておくことが肝要かと

         思います。詳細は「 安全衛生 」のサイトの「◎社員のメンタルヘルスの

         異変に気付いた時の留意点」に出ています

     

            10月23日 日没時刻の早まる時節の要注意

       かって尾張旭の物流センタ-の敷地内で起きた労災事故について

             ある物流会社に勤めていた50歳過ぎの社員が、日没後急に明るい場所から

       薄暗いアスファルトの敷地を通って倉庫に向かう途中、アスファルトの痛んでいる  

       箇所の覆いのしてある鉄板に足とられてを踏み入れた時、運悪くその縁が少し

       浮き上がっている箇所で足をとられて転倒骨折しました。 こんなことは、

       担当者が、注意してその危険箇所の周りにポ-ルを立て、ロ-プを張っておけば

       事故は防止てきたのです。

       ◎ これに関して私がもう一つ言いたかったことは、加齢による労働者の

       身体諸機能の低下です。中災防の安全衛生の書の中野洋一著

       「なくそう墜落、転落、転倒」によりますと20~24歳ないしはその最高値を

       基準とした数値と55~59歳の視力の薄明順応の数値を比較すると

       前者の36%とのことです。 平衡機能は48%です。

       こんなことをベテランの人々に言っても聞く耳は余りありません。

       そんな時こんな揺さぶりをかけてはどうでしょう。

       「事故が起きて痛い目をするのは当事者のあなただけでしょうか」

             あなたの会社の日頃関わっている人々の心も痛むでしょうし、それ以上に

       ご家族の心は痛みます。 

          ある事業所では、私が仕事を終えて挨拶して帰るとき、そこにいる

       いる人々は、「お疲れ様でした」といいます。

       事故もなく、「(今日も無事で)お疲れ様でした」この一言がお互いの疲れを

       癒し明日も頑張ろうとする気力を促してくれます。

       労働者は、組織全体の一つの歯車でなく、体を構成する色んな細胞のように

       有機的な連携の中で活動しています。

       上層部の安全担当者が頭ごなしで安全に注意せよでは、効果はありません。

       上記のようなことを念頭に入れて、安全体制もみんなの連携のもとで推進

       していくような配慮が必要かと思います。

   

       11月6日  私の心の軸   

        この題目については、認知再構成法と問題解決法を併用した対処法で述べています。

       そこで述べている「心の軸」とは、将来自分がうち込めれる仕事のことですが

       それを見つけるのには、色々な経験を積んで見聞を広めることが必要です。 

          米国の有名な心理学者クランボルツ氏は、キャリア選択に関して

       「その幸福は偶然ではない」の著書の中でそのような努力を積むことで幸運に出会う

       ことができる可能性を述べています。          。  

       私は、そのキャリア選択の背後の人生理念に注目します。 若い頃一時パチンコに

       はまっていました。しかし、あるとき偶然、知人の紹介で心身障害者の施設を訪問した

       のを契機に人生理念の基礎が出来上がりました。(」詳細は「カウンセリングの理念

       ご覧ください。)

             この結果極自然にパチンコをやめることが出来ました。上記の「心の軸」は自分にとっては

       仕事の背後にある人生理念です。 感情がブレても、「心の軸がその調整の土台」に

       なります。 自己理解が進んできますと、他人の言動に対して寛容になれるからです。

       カウンセリングの仕事をする上ではこの心の軸は、とても大切と痛感しています。

  

        11月22日  ある自閉症の傾向のある生徒との対処法で思いつたこと

  

     昨日、ある私学の教師として勤務している知人と会食しながら話合っている中で

     関心を持った一つが自閉症の傾向の強い中学生が、その教師が他の生徒を

     叱責したとき、自分のことのように感じて泣き出したそうです。

     彼からその生徒の親のことを聞いて、これは、感情転移と感じました。

  

     私は、今メンタルの発達過程で問題を抱えているクライアントの青年を

     お世話していますが、この中学生のカウンセリングをする場合、言語による

     通常のカウンセリングだけでなく、過日池見陽先生からご指導して頂いた

     フォ-カシングを活用するといいかなと感じました。

     クレヨン、色鉛筆等を使用して、言語では表現できない心のなかを自由に

     描くことができるからです。 この原点は11月6日にも掲載しました

     「カウンセリングの理念」の最初の項目の詳細をみて頂きますと、29歳のとき

     訪問した心身障害者の施設の記事がありまして、そのとき、担当者から

     障害児のクレオンで描いた絵をみせて頂いた時のことを思い出したからです。

     その時の説明「直線的なものしか書けない子が、円形のようものを書くのを

     みて、その子の成長を読み取ります」この言葉が私の脳裏に焼き付いています。

     カウンセリングもクライアントの潜在する個性、能力等のリソ-スを引き出す

     創造の業です。

 

     11月23日 再就職選考試験にパスするために注意すべきこと

             配信されてきたあるコンサル会社の記事を読んで感じたこと

     この記事の中で、注目したのは、応募者がなぜ転職するに至ったかの理由と

     キャリアアップのことです。

     前者では、よく前の会社の時の不平、不満が出て来ます。  

     賃金のこと、残業こと、職場の人間関係、上司、会社の方針に対することなど。

     しかし、選考する会社側から見れば、「うちの会社だってある 」という話は

     よくあります。だとしたら、当社に来てまっても、同じようなことを言うだろうと

     思われたらパスは無理です。    

     ですから、今までの会社では、たとえ不満があっても、どのような努力、どのような

     責任ある仕事ぶりであったのかここが次の転職先で問われます。

     例えば、上司との関係が悪く、よく叱責されたとしても、ただ腹を立てるのみか、

     それとも、相手の人間でなく、叱責された内容に焦点を当てて反省努力するのか。

      こういうことも心得ておく必要ありと思います。 その他の職場内の対人関係

     にしても冷静に対処すべきことが問われます。

       仕事ぶりについても、ただ言われたままのことをやっていたのか、たとえ

     不満なことがあっても、改善すべきことなど進言するような積極性は発揮してい

     たのか、こんなことも同じく問われます。  その他仕事についての自己研鑽の

     努力の状況についても。

         当社に来て期待できなけば採用しませんので、こんなことなどを念頭に置いては

     どうでしょうか?  

      また、転職理由としてキャリアアップと答える人が多いとのことです。

      これも、ただ目先のことだけでなく、将来の自己のキャリア形成を見通して

      考えていることが選考担当者に伝わると好感が持たれると思います。

 

      11月24日 大切なのは、勝ち負けよりも勝利へのプロセス 落合博満氏の新著    

                                           「采配」より

     前回転職を目指して苦慮しておられる方々を意識してブログを書いていましたが

     今回も同様の観点から書きます。

     自己の体験を振り返りながら、彼なりのこれから様々な試練を経てキャリア形成を

     達成しようとする人々に熱い思いを込めて語っている内容は、一読してみると心に

     響くものが伝っていくと思います。

      「ここ数年、" 勝組み"、"負け組"という表現が使われるようになった。----

      個人的には、この言葉が簡単に使われていることが好きではない。20歳の頃

      野球部を退部して大学も中途退学した私には、将来の夢も目標もなかった。

       そんな私が、恩師の伝手によって東芝府中で野球を続けられることになり、5年後

      ロッテからドラフト指名を受けてプロ野球選手になった。----プロ野球は実力社会だ

      と言われているが、アマチュア時代に注目を集めた選手、ドラフト一位で入団した

      選手が、他の選手よりも大切にされることはある。----しかし、そうした看板を

      何一つ持っていなかった私でも、プロ野球界で生きていくことができた。---

      三冠王三回という実績がものをいう場面も多い。たがそれだけではない。

      多くの人の協力があり、私という個性を評価してくれる人がいたからこそ、監督を

      努めることも出来たのである。監督としてドラゴンズをリ-グ優勝や日本一に導いた。

      -----本当に充実した野球人生だ。しかしそれだけで自分が人生の成功者だと

          思っていない。プロ野球選手という仕事は、目立つ実績を残した者よりも、何の

      実績も残さず消えていった方が圧倒的に多い。それでも、違う世界で名を成した人は

      大勢いる。その人にむかってプロ野球の負け組という人がいるだろうか。

      むしろ当の本人がプロ野球選手として大成しなかったという事実を上手く利用し

      悔しさをバネに、世の中を渡っている勝ち組ではないだろうか。

  

      人生はどこでチャンスが訪れたり、自分を生かせる仕事とめぐり合えるのか

      わからない。そう考えれば仕事で思い通りの実績を上げれなかったり、希望の

      職種で中々採用してくれる企業がなかったり、志望校に合格できず浪人している

      人たちも、決して負け組でなく、勝利を目指す道の途中にいる人だと考えられる。 

       ただ、そこで自分が苦しい立場にあることを社会や他人の責任と考えている

      ようでは、せっかく道は勝利につながっているのに、行く先を見誤ってしまうことに

      なりかねない。

 

      また、世間一般で言われている名門大学を卒業し、一流企業でバリバリ仕事を

      しているビジネスマンも、勝利を目指す道を歩んでいると言っていいだろう。

      それでも、仕事の内容に不満を抱いたり、将来出世できるのかと不安になったり

      している人もいるはずだ。しかし、自分に合わないと思える仕事が貴重な体験に

      なることもある。 肩書きの上では出世をしていなくても、組織にとってなくてはな

       らない存在になることもいくらでもある。

       つまり、道の先にある勝利の定義とは、人それぞれなのだ。--------

            大切なのは、現時点の自分が勝ち組なのか負け組なのかと自覚することではなく

       ただひたすら勝利を目指していくこと。そのプロセスが人生というもの

       なのだろう。」

      ◎ 私のこの記事についての感想

      この新著「采配」でも落合氏の洞察の鋭さ、世間でいう皮相的な

      立身出世主義にとらわれず各人の潜在的にもっているりソ-スの発揮に

      期待しているのが分かります。監督の時でも、一社会人としても。

       また、ここの記事は、カウンセリングブログ11月6日の「心の軸」で少し

       触れました米国の心理学者「クランボルツ氏」の説と共通するものを感じます。

       彼は、キャリア選択成功の条件として次の5つを挙げています。

       (国情 、時代のずれを感じますが) 

        ● 好奇心  ● 柔軟性  ● 持続性  ● 楽観性  ● 冒険心

 

  ▲   これらの項目に関連して宮城まり子のクランボルツ氏の理論についての解説を再度

     読んでみて、落合氏が語っていることと重なり合う大事なこととして私が注目したことは

     以下の通りです。

      ● キャリアは、用意周到、細密に計画し、準備できるものと思ってはいけない。むしろ

       偶発的にいつかやってくるかも知れない絶好のチャンスを見逃さないようにし、

       心を広く開いておかなければならないとクランボルツ氏は述べている。

 

        ● 人は生涯学習を続ける者であり、失敗も学習のひとつであり、そこから学ぶことも

        多い。

   

             12月6日   対人関係に過敏なクライアント        

      今私が一番気になっているクライアントは、パ-ソナリティにハンディのある人です。

      一応本人の了解を得た上で面談についての記事を書きますが、本人は、対人

      関係を苦手としており、今本人が通っている事業所でも相当気を使っていることが

      わかりました。 そのことが判明した発端は、CBT(認知行動療法)の導入に先立って

      彼女に、日常特に思ったこと、感じた事、行動したことなど(ホットな出来事)を簡潔に

      記録してほしい依頼したところ、" 「自己嫌悪」になるので書けない"との返事でした。

 

      次回の面談で、その例として、「自分は、笑顔をつくろって話していて、相手をダマして

      いる。」とまで言いました。とても痛々しく感じました。 

         その理由は、相手に嫌われたくないから、意図的にそうしているとのこと。

      「そこまで、気遣いしているのですか」と言うと、事業所以外の土日でも、友人の友達

      に初めて会うときには、色々と相手に合わせようとして気疲れするとのことでした。

      そのため帰宅してぐったりしてしまい、翌日事業所にくるのが昼少し前になって

      しまったとか。  

        この問題の発端は、彼女が大卒後就職した会社で痛手を受けた対人関係の

      トラウマです。先週の面談でそれを確認しました。

      メンタルの調子のよいときは、人との対応は、近くで観察していて別に心配するほどでも

      ないし、必要に応じて機転も効く利発な人なのに、あのトラウマですっかり自信を喪失し

      対人関係に過敏になっています。たからといって私は、彼女が対人関係で

      不安や恐れを抱いて消極的になるのは、感心しません。 

      むしろ、多少失敗するリスクがあっても、自ら色々と苦慮しながら望ましい

      対処法を考え実践していくことが現実的適応力を増すこととして考えています。

         たとえ失敗したとしても、そこからどのようにして自力で克服しようと

       するのか、そこを見極めながらメンタルサポ-トしたいと考えています。

       このような体験こそが自信回復につながり、自分が主体となって生活のリズム

       を築くことも可能となります。 このような状況になった時、前述のCBTに関わる

       日常の生活の記録も書けるようになると思います。

       すでに認知再構成法で申し上げましたように日記(DTR)を通して本人が

       自己の認知、感情、行動を自ら客観視できる(外在化)ことで

       自己の認知、感情、行動の特色に気づいて認知の修正を自力でできる

       ようになることがねらいです。ですから本人の主体性が弱い、ないしは、

       欠如しているときにCBTの導入は不可能です。

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                 12月11日   カウンセラとしての背水の陣

   

        最近、上記の12月6日で述べましたクライアントのことが念頭にあって

        再度「七つの習慣」コルヴィ著を読み始めました。 いくつかの貴重な記述が

        ありますが、それらの中で特に注目しました箇所は「人格主義の回復」です。

          「 "成功" についての書物を200年分さかのぼってみると、その中に

        驚くべき傾向が隠されていることが分かった。最近の50年間の成功に関する

        文献の内容は、自分自身の抱えていた問題や 仕事で接してきた人たちの

        心の痛みを考えると、それはその場しのぎの表面的で薄っぺらなものに過ぎ

        ない ということだった。これらの文献は成功するためのイメ-ジの作り方、

        テクニック、或いは応急処置的な手法を説明しているだけだったのである。

         鎮痛剤やバンドエイドのようにうわべの症状に対応し、その問題のもとにある

        慢性的な原因には全く触れていない。そのため、その問題が何度も再発する

        ことになるのだ。こうしたアブロ-チを個性主義と呼ぶことにした。

          その一方----著しく対照的なものであり、 人格主義と呼べるものであった。

        これらの文献には、誠意、謙虚、、誠実、勇気、忍耐、勤勉、節制、

        黄金律(自分にして欲しいことを他人にせよ)などが成功の条件として取り

        上げられていた。中でもベンジャミン・フランクリンの自叙伝は代表的なもの

        であり、一人の人間がいくつかの原理原則を自分自身の人格に深く内面化

        させようとする努力の物語であった。」 著者の言うこの原理原則は真の

        成功のための理念に相当します。

   

        この著者が述べていることは、カウンセラ-の在り方にも関わる理念として

        私は考えています。と言いますのは、カウンセリングの中味は、個性主義的

        色彩の対症療法もあれば、その人の今後の生き方と深く関わる人格主義的

        色彩の強いのもあるからです。   

         前者の場合ですと、「聴いてもらってすっきりした」とか、「聴いてもらって解決

         の糸口が分かった」など表面的なことが多いです。

           かってカウンセラ-の研修で、ある先生は「クライアントからどれだけ聴けるか」

         これが大切だと言いました。それは聴いた内容の広さと深さを意味します。

        信頼関係と傾聴スキルの応用力により開示の度合が違います。

        この信頼関係は単にカウンセラ-の感性、理性、スキルなど以上に

        コルヴィ氏の指摘する人間力が不可欠と考えています。

        彼の指摘する次の言葉は的を得たものと思います。

        「(応急処置的な手法では)その問題のもとにある慢性的な原因には全く

        触れていない」。自分のカウンセリングでもそのことを痛感します。

        12月6日で述べました例も、いくらかその指摘が当たっている感じがします。

 

        ともかく健常者と異なって、メンタルにハンディのある人には色々と気遣いすることが

        あり、一時間するとかなり疲れます。しかし、こちらが逃げればそのマイナスのつけは

        大きいことが分かりますし、トップぺ-ジのカウンセリングの理念の実行あるのみです。

        パ-ソナリティにハンディのあるクライアントには、全面的にCBTの導入の時期を考慮

        していますが、この頃、さらにもっと効果的なDBTのことも考え、マインドフルネス

        のことも学び始めました。 DBT= 弁証法的行動療法

   

           12月14日   CBTからDBTへ

        DBT(弁証法的行動療法)がCBT(認知行動療法)の中より特化して生まれた

        背景には、従来のCBTでは、12月11日で述べましたようなパ-ソナリティ

        障害(BPD)に対しては、治療方法がうまく機能しないことにリネハン氏が

        数々の体験を通じて気づかれ、この方法を開発しました。

        専門誌「りんしょう」2007年Vol26の中で斎藤富由起氏は、そのことに

        関して次のように述べています。

        「(CBTで)変化に焦点をあて過ぎると情動が不安定なクライアントは

        「私はスキルの欠落した弱者ではないか」という無効化が生じ

         治療の停滞やドロップアウトが生じやすくなる」とのことです。

        **変化に焦点を当て過ぎるとは、認知の歪みの修正にカウンセラ-が心を奪われ

         クライアントに修正を強いているように感じられて本人の心を圧迫することを意味し       

         ています。

        そこでマインドフルネスに出ています「根本的受容」を治療戦略に掲げ、常に

        変化と受容のバランスを保ち、クライアントを有効化して(治療の効果を上げ)

                治療動機付けを高めながらケ-スを進めていく方策を重視するようになった」

         とのことです。

           「マインドフルネス」は、キリスト教、仏教、その中の禅宗等で長く瞑想

         として知られ、そのスキルが教えられてきました。

              

                ▲    マインドフルネスの定義

     「マインドフルネス」は、ジョン・カバットによって、禅の瞑想や呼吸法、ヨ-ガなどを参考にして

        開発された注意集中法てある。日本語では、「気づき」、や「観照」と訳されている。

        (以上は今野義孝氏の説明です)

              それに対して米国の弁証法的行動療法の下記の学者の説明は、次の通りです。

           これの研究者M・マッケィ氏によりますと「自分自身のことや自分の

        経験について価値判断したり、比較したり、批判したりせずに、今このときに

        おける自分の思考、感情、身体的感覚、及び行動のありのままにとらえる

        ための能力」のことです。「日々是日」(どんなことが身に起きようとも、その日一日を

        否定せず「これでよいのだ」と受け容れる)こともその例です。

 

            12月21日   一筋縄でいかないうつ病

           

         私が今お世話していますクライアントが、よく空虚を訴えていますので、パ-ソナリティ

         障害に合併した「うつ」のことを考えていた折、「こころの科学」146の中の記事

         「うつ病は治るか」に注目し、一読しましたので少し引用します。

         記事の著者は天野雄平氏、塩入俊樹氏です。

         私は、すでにブログで述べましたようにパ-ソナリティ障害のクライアントをお世話して

         いて、本人がよく空虚感を訴えていますので、うつ病に強い関心を持っています。

         「 いわゆる"治るうつ病"とは患者に対し、単なる怠けでなく、うつ病という、れっきとし

          た病気であることを明示したうえで、十分な休養の必要性を説明し、励まさず、

         焦らずに良質な休養を確保しながら、並行して抗うつ薬による薬物療法を施す

         という、うつ病に対する標準的治療法で順調に回復する可能性の高いうつ病を指

         すものと思われる。」----「かって壮年期のうつ病は、「治るうつ病が中心を占めて

          いたように思うが、----近年急速に増加しているタイプに、これまで若年層を

          中心に見られていた未成熟なパ-ソナリティを下地としたうつ病がある。いや

          正確に言うと、うつ病でなく、"うつ状態"でしかない場合が多い。」----

 

           「壮年期 に現れた従来型の"治るうつ病"とは異なる、休息や薬物療法に

          よって改善しずらい、どうやっても治りにくいうつ状態(これを便宜上

          "一筋縄ではいかないうつ病"と称する)は、どうして現れたのであろうか。---

                   これには経済成長や平均寿命の延長によるモラトリアム期の長期化や必ず

          しも独り立ちや成熟を要求されない社会構造の変化が影響しているかも

          知れない。

           彼等は往々にして境界性 或いは自己愛性等に代表される様々なパ-ソナリティ

           障害を有しており、呈する症状も前述の"治るうつ"と対照的である。-----

                    具体的に言えば"虚しい"、"寂しい"、"けだるい"といった空虚感、不全感を

           中心としたものであり、抑うつを呈していても嫌いでないことなら「それなりに

           楽しめるといった軽さをもっている(平日はゆううつで会社に行けないが

           休日には、デ-トをしている等) 

                     また、周囲に対する感情も、治るうつ病が自責的になるのと異なり、

            他罰的となることが多い。自傷行為を伴うこともあるが、覚悟の自殺という

            より衝動的に感情コントロ-ルができなかった結果であったり、ある種の

            アピ-ル的要素を有していたりする場合が多い。----------------

                          彼等に対しては、現在のうつ病が、彼等が考えているような、治療者に

            よって取り除いてもらうべき異物などでなく、自分自身の内面から発して

            いる問題であり、自らが直面しなければ最終的な解決には結びつかない

            こと、そして、こうしたうつ病に対する治療のゴ-ルは、灰色の生活をバラ

            色に一変させることでなく、時に灰色の毎日だとしても、何かのせいにせず

            に自身で自分の人生を受け止め、前進できるよう成長することであるという

            自覚を引き出すための精神療法が治療の中心となる。」

         

       ◎   この記事を読んだ私の感想について

        特に終わりの箇所の記事は、今のパ-ソナリティに障害のあるクライアントに

        ついて、かなり当てはまっていますし、今後の私のカウンセリングの指針と

        しても重く受け止めています。 次の二つのことがそうです。

       ① 治療者によって取り除いてもらうべき異物はなく、自分の内面から発して

           いる問題は自ら直面して当たらなければ解決できない。

       ② 灰色の生活でも他者に責任転嫁せず自分自身で自分の人生を受け止める

         

        上記の二つは、まさに自立性の欠如を意味し、浮き草のようにただ日々

        流されて生きる空虚感に支配されているのです。 ですからその打開策

        としてのDBTが注目され、マインドフルネスを土台とした色々なスキルの

        訓練によって自分の感情を制御し、自分を客観的に外からみることで

        本当の自分を回復する道が開けてきます。

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 釧路湿原の鶴

        12月26日     空虚感からの解放

  

         前回の上記のブログで述べていますクライアントが、先週の月曜以来ずっと

         今日に至るまで、あれ程よく訴え続けていた空虚感が生じなくなったと

         元気そうに語っていました。その理由を先週聞いた時には、しばらく風邪で

         寝込んでいて、神経が風邪に集中していて空虚感を感じなくなったと言って

         いました。 でも、私としては、一理あるものの、何か納得できないものを感じて

         再度質問 しました。するとやはり予想していたとおり、心の休養がとれたことが

         大きく影響した感じでした。 今私がお世話している事業所は、以前本人が

         勤務していた会社と異なって対人関係はいいとはいえ、色々気を使うとのこと。

          それは、人からよく思われたいという強い自己愛からきています。

        

         もう一つの心の休養となっていたのは、両親との関係のこと。過保護と思

         える程本人のことを気遣ってくれるそうで、かえってそのことが自分にとっても

         「そこまでしないで頂戴」と言いたくなるとのこと。しかし、風邪で寝込んで入る時は

         何ら気がねせず割り切って好意を受け止めれるため気が安らぐようです。

         一般のうつ病の発病者の対応のことを話したら、今回の心の休養の効果について

         納得していました。

            さらに気分が好転したのは、健常者の頃の風邪で寝ていた自分を思い出した

、         そうです。以上のことを聴いていて彼女の意識がCBTやDBTの手法を習得する

         準備段階(レジネス)に入っていると感じ新年に期待が持てそうです。

         これらの手法が機能すれば特別に休養しなくても「心の安らぎ」が可能になる

         からです。

        

       12月28 日  冬来たりなば 春遠からじ

       一昨日うつの症状にも苦しんでいるクライアントの「心の休養」について述べ

       ましたが、特別にあえて心の休養をとらなくても、安らぎの得られる方法は

        言うまでもなく認知行動療法による認知の歪みの修正で可能です。

                   しかし、「認知の歪み」の修正と言っても岡田尊司先生が、著書の中で

       「人を動かす対話術」で述べおられるように、表面的に表れている認知の偏り

       だけを修正しようとしてもなかなかうまくいかない。 根本にある間違った信念を

       修正するように働きかけないと本当の変化が生じないことも多い。」とのこと。

       私も実感しています。

          例えば黒か白かの二分法の認知の歪みのある人は、灰色の選択もあると

       言っていたとしても、現実に落ち込んでいるときは、少し本人の長所を指摘した

       といても冷めた反応をして効果はありません。

             一昨日本人が話しているように焦らず一つ一つの成功体験を積んでいくことで

       自信がつき、劣等感が解消され、自然に認知の歪みが修正されるものと信じ

       ます。本人が苦手とする対人関係がその例です。    

       そしてこのような流れの中で本人のトラウマから起因する認知の歪みが氷解して

       本人が苦しんできた障害が癒される時がくるものと信じます。

       

      12月31 日  DBTより認知の歪みにアブロ-チするリネハン氏の見解

       

       前述のブログで述べました岡田先生は、「人を動かす対話術」を通してリネハン氏

       の認証戦略の四つの方法について紹介しています。

       「認証戦略」についての研究で、リネハン氏は境界性パ-ソナリティ障害者の

       治療に取り組む中で、どういう対話が相手に良い変化をひき起こすかを第三者に

       モニタ-してもらいながら研究し、その結果で到達したのがvalidation(認証戦略)

              です。この用語は 「認証」とか「承認」と訳され、その意味は"それでいいんだと

        認める、肯定的に受け止める"ということです。 このような障害のある人は、

        自己否定の強い信念をもっていて、日頃は、「あなたはそれでいいのだ」とは

        言い難いです。 私も今年の後半期になってそれに類する人のカウンセリング

        をしていますので、通例のCBTと異なって、認知の歪みの修正に固執するので

        なく、本人の長所も引き出して、それを糸口にして本人を肯定する大事な

        手法であると認識しています。

            岡田先生によれば黒か白かの二分法的認知では否定的認知や自己否定

        と結びつき完璧が善で、そうでない存在が悪となってしまい、たいていのものは

        悪になってしまい、他人も、自分も否定することになります。ですからダメと否定

        された者にもこんな良いところがあるという気づきがカギとなり、それはメリット

        であったり、価値や正しさなどです。さらに失敗しても得られるものが必ずあると

        し、苦しみやトラブルは、人間を強く、賢くしていく逆転の発想である。」と解説

        しています。まさに「ころんでも、ただでは起きない」の境地です。

             

              そしてリネハン氏は、認証戦略の方法を次の四つに分けています。

        (1) 情動認証  (2) 行動認証 (3) 認知認証 (4) チアリ-ディング認証

        これらの中で特に(2)と(3)は前述のパ-ソナリティ障害者の強い自己否定に対応

        する際に参考になると思います

         

             ▲     行動認証戦略  

        全ての行動には、理由や意味があり、理解できるという視点から、あらゆる

        行動をありのままに受け止めようとする戦略です。

                この戦略に抵抗するのは「ねばならない」の思考で、「xxしてはいけない」のに

        それに反していけない行動をして自分を否定的に見てしまうのです。 

        この「ねばならない」の思考に対抗して起きてしまうことを正、邪の判断でみる

        のでなく、「すべては起きるべくして起きている」という受け止め方を繰り返し伝え

         ねばならないとし、さらには「ねばならない」と考えることも意味があるとして

         それを受け容れようとします。

             例えば自傷行為を繰り返す人に対して「よくないことなのでしてはいけない」

         と言っても殆ど効果はありません。そういわれると「自分は悪い奴」としか受け取ら

         ず、さらに自己 否定の思いが強くなって自傷行為を強めることになります。

         それに対 してリネハン氏は、全く逆の発想をします。

         「自傷行為をすることにも意味があるはずだ」と理解し、受け止めようとします」

          その行為を決して否定したり、非難したりせずに行動の肯定的側面に

          着目しようとします。(マインドフルネスの考え方に通じる)*

                  *12月14日の「CBTからDBTへ」のブログをご参照下さい。

          以上のような肯定的態度をとる方が、禁ずるという態度をとるよりもずっと

          効果的に自傷行為を減らすことに繋がると岡田先生は述べています。実際          

          問題としてクライアントの身の回りに起きている出来事に対して日頃「自分は

          人からよく思われるべきだ」との強い信念があつて、ある時会社の上司から

          叱責された場合、平素の自分の持っている自己否定の認知が強化されて

          落ち込んでしまいます。

、         それに関して岡田先生は、つぎのように述べています。

          「そうした "ねばならない "に対して決しそんなことはない、どんな

          生き方も可能だし、期待通りにならなかったからと言って何一つあなたの

          価値が下がるわけでない。期待通りにならなかった方が良い点もあると、

          発想の転換をおこないながら、うまくいかない行動や結果さえも肯定的

          に受け止めていく。」さらに先生は「まず重要なのは行動をありのままに

         事実に即して説明してもらうことである。感情的な解釈や思い込みでなく

         事実そのものを客観的に語らせるようリ-ドすることがポイントである。」   

          次のような対話「●●さんが感じたことも大切だけれど、実際の行動としては

          どうしたんだい」事実をできるだけ客観的に描写し、それを共有できた

          ところで、その行動の否定的解釈でなく、肯定的な意味を探していく。

          強い自己否定にとらわれている場合には、この作業が特に重要になる。」

          と先生は述べています。

          この記事を読んでいて、パ-ソナリティにハンディのある女性のカウンセリング

          を進めていく上で参考になりそうです。彼女が対人関係でかなり気を使って

          いて、意図的に笑顔でつくろって相手を欺いていると言っていたことで

          どう対処すべきか思案中の時ですので、肯定的な視点からアブロ-チしたい

          と考えています。一つは一対一のカウンセリングで、もう一つは、グル-プ

          カウンセリングを通して、自己の認知の修正の機会を得ることです。

          このことで私にそれを打診した別の人がいますので。                            

 

             

             

          

  

 

 

 

 

 

 

 

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