4月15~16 日 職場の「孤独」をなくせ 粟津恭一郎先生執筆 その1 コ-チAより配信
4月15~16 日 職場の「孤独」をなくせ 粟津恭一郎先生執筆 その1
コ-チAより配信
毎年 5月になると「5月病」という言葉をしばしば耳にします。
職場でも、学校でもその該当者が出ます。
筆者は、「職場の孤立」について以下のように述べています。
職場で孤立を感じる人がいたらおそらくその人は、職場に頼りになる人や心の通じ合う
人がいないと感じているでしょう。そもそも、人類は人と人が互いに協力することにより
一人では到底手に入れることかできない物を獲得したり、広大な土地を開拓しながら
互いの知恵を結集して生活の向上をさせてきました。
一人では手に入れることの出来ない物とは何でしょうか?
私は、マズロ-の欲求五段階説を想起します。その中の社会的欲求(労苦を共にする仲間を
求める) 尊厳欲求(人に認められたい、尊敬されたい) 自己実現欲求(創造的な活動を
通して自己の能力、可能性を最大限に発揮する)
しかし、対人関係が期待に反して、パワハラ、いじめなどでストレスの負荷が強化されれば
メンタル不調になります。
筆者は、このような状況に陥ることに関してつぎのように述べています。
周囲と良い関係を築き協力し合うことは、自分と家族やその子孫がより安全で質の高い
人生を送ることができる可能性を示唆していました。しかし、もし周囲との繋がりを
全くもつことができない状態になってしまったら、それは死を意味することすら
あったのです。私たちの祖先は、周囲とのつながりのない「孤独」を感じる状態が
人間にとって大変危険なことであると知っていたはずです。
ついで筆者は、「孤独」が脳に与える影響について、シカゴ大学の研究実績を紹介します。
同大学のジョン・T・カシオポ教授等は、人が孤独を感じる時の脳の状態をfMRIで調べ
ました。すると脳が「孤独」を感じる時に受け取るシグナルは、体に痛みを感じた時に
受け取るシグナルと同じということが分かりました。さらに最近の研究では、そのような
孤独が長く続くと健康に次のような影響をもたらすとのことです。
〇 孤独は冠動脈性の心疾患のリスクを29%上げ、心臓発作のリスクを32%上昇させる。
〇 孤独な人は、そうでない人より20%速いぺ-スで認知機能が衰える
〇 孤独度の高い人がアルツハイマ-になるリスクは孤独度の低い人の2・1倍とのこと。
(奥さんをなくされた頭のいい知人がこの病気になった例があります)
孤独は、主観的で、見た目でははっきりわからない。(こともありますが、職場のメンタル
不調者をみていると表情、態度から分かるのではと思いますが、仕事によっては、個々の
専門化された場合など、そうかも知れません)
でも楽しそう多くの人と話していても孤独を感じる人もいるとのこと。これは、ある集会
で、表面的に口合わせして、本音を隠してつくり笑いして装う息苦しい例を本人から
聞いたこともあります。
企業の最近の動向として、従業員満足度調査などで、「孤独感を感じる」の項目を
入れている企業も多くあるとのこと。また、上司、部下の面談を多くしている企業も
多くあるとのことです。
このようなことをきっかけにして職場に孤独を感じている人がいることや、誰が「孤独」を
感じているか把握できる場合もあると。
そうならば、部下が「孤独」を感じているならどう対応すべきかに突き当ります。
前述のシカゴ大学の教授等の研究では、孤独を感じている人は注意力に支障を来たし、
困難な課題を正確に答えられなくなることが分かったとのことです。
さらに孤独を感じている人は、そうでない人に比べて、他罰的になったり、人を助け
ようとしなかったり、自滅的冒険を冒したり、すべきことの先延ばしにする傾向も
あるとのことです。